兵糧丸かえ?えらい小さいのぅ。では、味見をば。
しかし、食す時は何粒ほど食べるのであろうか?
かなり小さいでのぅ。
一粒では、とてもではないが、腹はクチクならぬであろうよ。
「しかし、エラク小さいく丸めたんだねぇ。
一回に何粒食べるの?」
まぁ、そう思うわなぁ。
そうさなぁ。
正露○と言う薬、あの一粒に近い大きさじゃろか?
「いや、一粒で十分だが?
この一粒で、五日は活動できよう」
はい?
マジで言ってるのかえ?
「いやいや。
流石に無理なんじゃないかなぁ」
パルマさんが、困ったようにの。
「いや、栄養自体は五日ほど活動可能になる量が秘められておるのだよ。
そして、水分を含むと膨らむみ、五日は胃に留まるだろう。
ゆえに空腹を抑え、徐々に溶け出した栄養が身体を支えるのだ。
まぁ、師匠からの受け売りだがな。
だが、ここ迄の品質ではないが、以前に食したことがある。
まぁ、師匠が告げた通りだったがね」
ほぅ?
そがぁな代物なんじゃなぁ。
して、そのお味は、っと。
『あっ!?
あぁあっ!?
なんで、映像を掴めているんですかぁっ!
食べないでくださいっ!』
ん?
口に五粒ほど放り込み、咀嚼をば。
いや、ウマっ!
これ、ウマっ!
ほろ苦いんじゃが、なんかクリーミー?
ミルクコーヒーチョコレートの生タイプ?
いや、甘くはないで、ちと違う。
しかし、自然な甘さの中に、様々な旨味が混ざり合い、玄妙かつ複雑な味が。
また、香りが素晴らしい。
コリャぁ、堪らんわいっ!
『ダメです!
何が起こるか分からないのに、無造作に食べないでください!』
いや、そがぁに言わんでも。
『トチナの実を食べて、身体が変化したばかりではないですかぁっ!
何を考えているんですかっ!』
うーん。
アドバイザーさん?
『な、なんでしょうか?』
感情が豊かになったのぅ。
『マスターがぁ、常識はずれな事ばかりするからです!』
うーむ。
つまり、AIを振り回せば、感情が生まれてると?
素晴らしい結果ではなかろうか?
『マスター〜?
怒りますよ?』
いや、既に怒っておるような?
!?
いや、すんまそーん!
しかし、儂が映像を食したデータは、本国で役立っておらぬかや?
役立つなれば、重畳じゃと思うのじゃがな。
『いや、もっと、ご自分の、お身体をですね』
ふむ。
コレが、どのように作用するかは、分からん。
じゃが、効能的には悪くならんじゃろうてな。
それにじゃ。
ここ数年ほど、明日には死んでおるかと思いながらの生活じゃった。
激痛で、のたうち回ったこともの。
ゆえに、何時、身罷っても良い。
そんな風に考えながら数年を過ごしておったのじゃよ。
そがぁな儂が、他世界とは言え、儂の身体を癒してくれた者へ多少の恩返しが出来れば、この上なかろ?
まぁ、人は何は死ぬのじゃからな。
『いや。
マスター?
その考えは、改めて頂けますか』
ん?
何故じゃな。
『まず、マスターは、幻想機を、ご利用になられておられる段階で、本国へ多大なる貢献をなさっております。
次元から汲み上げたエネルギーは、今後数百年を保証するでしょう。
それが、まだ汲み上げれているのですから』
ふむ。
実感はないがのぅ。
そんなもんなんじゃな。
『しかも、トチナな実などの効能。
コレらを採取して栽培し始めております。
先程はのユヤハ、ケーナラ、ゾルトは、医療分野に多大なる貢献を与えるでしょう』
いや、アレはダリルさんが使用しとっただけじゃでな。
儂の手柄では無いわい。
『いえ、マスターが映像を視聴したからこそ、知れた情報なのです。
あの世界を何度も調査しておりますが、あの様な効能があることは知られておりませんでした。
コレは、凄いことなのですよ?』
そうなのかのぅ?
ん?
ダリルさんが、出来上がった兵糧丸を革袋へ収め、小屋を出たのぅ。
ふむ。
宿の食堂には、既に食事が用意されておるか。
あまり美味そうには、思えんのじゃが?
やはり、ダリル飯じゃろがぁっ!




