シムエル嬢とエスメラルダさんが、一歩も引かず、じゃな。
ふむ。
まぁ、アレが駆け引きちゅうヤツなんじゃろな。
ニコヤカに話しをしちょるんじゃが、なんかの。
一歩も引かん、ちゅうか、なんちゅうか、のぅ。
「ダリル様。
持って来た荷を出していただけます?」
そがぁ風にの、
それにダリルさんが。
「うむ。
サンプルとして見せるのだな」
ちゅうて、背嚢を降ろしてから出しちょるわい。
したらの。
「サンプル?ですか?
初めて聞く言葉ですが?」
シムエル嬢が、首を傾げちょるわい。
「ああ、そうか、そうだったな。
俺も、最近知った言葉でなぁ。
まぁ、見本っと言った意味だ。
品物を紹介する際に、見本と言うよりもだ。
サンプル品を用意したので、確認して貰う。
その様に告げた方が、言い回しが良かろう?」
ふむ?
そがぁなモンかいな。
別に新鮮な響きでも無いがの。
「そもそも見本の概念が、一部の商人にしか伝わっておりませんわ。
その見本の概念を一歩進めた形ですか?
意味が分からないのですけれど」
シムエル嬢が困惑気味に、の。
エスメラルダさんも、驚愕顔で。
いや、なんか大袈裟ではなかろうか?
『コチラの世界に住まう者からしたら、大袈裟でしょうね。
ですが、見本やサンプルなどは、品物が大量に存在して成り立つ概念なのです。
大量生産が当たり前であるからこそ、同一品質の見本が意味をなします。
もし品質が一定しない場合、見本を見せても低品位な代物を渡される可能性がある訳ですね。
これでは、見本の意味がありません。
一定品質の品を一定量確保可能であるコトが、見本を見せる前提となります。
そのため大量生産に至っていないコノ世界では、見本などの概念は根付いておりません』
ほぉ〜
そがぁなん、考えたコトも無かったわい。
確かに言われたら、ほうじゃのぅ。
「サ、サンプルに、見本・・・
これ、交渉には、有益では?」
「確かに。
この考え、使わせて頂いても?」
「活用すれば、直ぐに広まりますわ。
ですから、構いません。
それと私共のダリルが王家殲滅の話しをし、ソチラのご主人が倒れましたの。
失礼いたしました」
ちゅうて、頭を。
したらの。
「ふむぅ?
アレは、失礼なコトだったのか?
尋ねられたゆえ、単に答えただけなのだがな。
何が悪かったのだ?」
本気で不思議そうに。
それへエスメラルダさんが困ったようにの。
「本当に考え過ぎで小心なんですから。
その話しで倒れたんですわね、ウチの人。
我が家は商家ではありますが、伯爵家縁者でもあります。
王家が倒れたとなれば、国しての一大事となりましょう。
さすれば伯爵領も、その影響を受けざるを得ませんわね。
その影響などを想像し、気を失ったのですわ」
そのように説明を。
「ふむ?
随分と想像力が豊かな方だな。
だが、国としての混乱などは、考慮したコトはないでな。
俺は所詮、狩人に過ぎん。
そして、狩人は狩人の流儀で動くのでな。
そもそも森人は国の埒外であるゆえ、国に、とやかく言われる筋合いはない。
狩人の目に余るコトをせねば、コチラも干渉はせぬからな。
此度の件は目に余る。
俺が討伐しても良いが、ハゲル達に止められたゆえ静観しとるが、いつ狩るか考えておったトコだ。
国で処すのならば構わぬが、事後処理と補填が成されぬなれば、同じ穴のムジナと見做すまでだな」
あー
コレは国政に関わった輩の首が、物理的に飛ぶやもな。
昔の日本なれば、地震で原発事故発生後の補填を、うやむやにした輩は、首が物理的に飛ぶじゃろ。
それに、石川辺りの地震でじゃな。
何人の首が、物理的に飛ぶんじゃろか?
『大丈夫ですよ』
なんがじゃ?
『そちらでキチンと処理をしなかったと、AIに判断された者達は、全て亜空間惑星へ放逐されておりますから。
まぁ、それに限らず、世に不要、不正を行ったと看做された者は、全てですね。
まぁ、系類含めてなので、亡くなっていても親族が飛ばされておりますが』
そんで最近、世界人口が減っちょたんかい!?




