二人の駆け引きちゅうんかえ?分からんわい!
なんか沙織さんが不穏なコトを。
したらの。
「私はボディガードなどしておりますので。
まぁ、正式にガードを任されたのは、ご主人様からですが」
ほうなんじゃ。
っかの。
確か沙織さんは二十三歳じゃてな。
本来なれば新卒な新入社員くらいじゃて。
それを鑑みるに、ボディガードを行っちょるんは、異例じゃ無かろうかい。
「私はボディガードになるべく、子供の頃から色々な現場へ同行しております。
まぁ、見学する感じではありますが。
これは祖父母からの要請でして。
二人から素質があると、見做されましたので。
その関係上、社交界への同行もですね。
なかなかなに、ドロドロな交渉などが。
その駆け引きについて、祖母からレクチャーなども、ですね」
あー
なんちゅうか、のぅ。
沙織さんも、濃い人生経験をしちょるようじゃてな。
儂なんぞは平社員で、平々凡々と暮らしておったでなぁ。
まぁ、パワハラ受けて無理な仕事させられ、身体を壊したりはした。
定年近くにゃあ、身体がボロボロで、いつ身罷ってもの。
ほんじゃがな。
腹の探り合いや、生目を抜くような生き方とは、無縁じゃったで。
誰かを怪我させたり、死なせるようなコトは無し。
逆も、また然りじゃな。
そう言う意味では、まぁ、普通なら生き様なんじゃろて。
今時の日本では、過労死なんぞ、珍しゅうもなかろうて。
『いやいや。
もはや過労死など起こりません』
ほう?
そうなんけぇ?
『過労死など、無能な人族が管理していたから発生したのです。
今は政治や行政に関わらず、民間企業なども全てがAI管理下となります。
逆にサボって働かない方は、ドンドン別部署へ移動させ、給料が下がりますが』
いや、逆にキツぅなっちょらんかい?
『本人の適正に合わせ、妥当な仕事をして頂いております。
っと言うか、仕事をした気になって、頂いておりますね』
ん?
どう言う意味じゃ?
『正直、社会を維持管理し、仕事を回すのに人は要りませんので。
すべてAIとドロイドに組み替え可能なのですよ。
ただ、いきなり人々を放逐すると混乱が発生します。
ゆえに、現状を維持しつつ、徐々に、ですね』
いやいや。
そがぁなんしたら、どがぁして生きて行けと?
金稼がんと、生きて行けんじゃろに。
『?
金銭は配布しますが?
最終的には、全員が年収一億で、物価は三分の一となります』
はぁ?
世の中が、成り立たんじゃろに。
『なぜです?
コチラが、その様に制御するだけですが?
その枠内にて生きて頂くだけで、管理はコチラにて行いますので』
それじゃと、飼われちょるんと、何が違うんなら?
『?
いや、犯罪行為や、他人に迷惑を掛けねば、ご自由になさってかないませんが?
それに、働くなとは、申しておりません。
働けば当然ながら対価を得られます。
年収一億に加算ですね。
ああ、税金は不要です。
そんな微々たるモノは要りませんので』
これじゃから、異次元の超大国はっ!
いったい何がしたいんなら!
『??
マスターが不自由なく過ごせるようにするコトですが?
正直、マスター以外は、どうでも良いのです。
それは、沙織達も、ですね。
たしか、アリの巣を観察するキットが存在しますよね?』
有るちゅうのは、聞いたコトあるがの。
それが、どがぁしたんなら?
『その巣穴に干渉しようと思います?
時々観察するだけで、常に干渉しようとは、思わないですよね。
ただ、アリが死なない様に、餌は与えるでしょうが』
それ、もしかして、じゃな。
儂らん世界が、そんアリ観察キットみたいなモンじゃと?
『観察する気もないため、それ以下でしょう。
マスターのために維持しているに過ぎませんので』
あー
チトばかり勘違いしとったか?
つまりは、世のため人のために、こん世界へ介入した訳ではないんじゃな。
儂んため、ちゅうか、幻想機から得られる次元エネルギー供給に影響するけぇかい?
『その通りです』
大概じゃのっ!




