ご婦人?豪気じゃのぅ、ダリルさんに意見かえ!?
そのように意見されるとは、思っちょらんかったんじゃろて。
ダリルさんが、呆気に取られた感じにの。
じゃがの。
「ほぅ。
確かにな。
しかし、誰か諌めるなりするかと思うておったが。
まさか、このような美しい、ご婦人からとは、な。
と、言うか、カドモス殿が倒れたのには驚いたが」
ふむ?
本気では無かったと?
「正直、俺は若輩者でな。
加減が分からんのだよ。
ゆえに、少々過激にな」
いやいや、少々では、ないが?
ちゅうてもの。
「では、諌める者が居なかったら?
どうなされて、おられましたの?」
そがぁに尋ねちょるわい。
したらの。
「ん?
諌める者が居らぬならば、それは正当であろ?
ならば、有言実行するのみ。
なに、行うならば、さほど労力も取られぬゆえ」
まぁ、ダリルさんならば、ヤルじゃろのぅ。
ゲスな役人や商人は、既に斬り棄てちょる。
彼にとって、それらとの違いは、ないでな。
「まぁ、暫くは国政の邪魔をしておる者を、時間を見付けて探る。
ゆえに、即座に断罪などせんよ。
とは言え、晶石の力を使えば、数日も有れば可能だがな」
町の噂など、微電流探知を応用した音声収集にて、容易く行えるでな。
空を飛び、噂を精査しつつ移動し、問題となる貴族を特定。
屋敷に忍び込み、黒と判じれば斬る。
ただ、それだけらしいわい。
現代の建屋みたいに堅牢なモンは少ない。
しかも、内部への侵入経路ちゅんは、意外と多いんじゃよ。
特に上側から忍び込むなんぞ、普通は無理じゃてな。
そちらへの備えは、緩いと言えるじゃろうて。
ダリルさんの隠密技量は、目の前に居っても認識できんくなるレベルじゃて。
そがぁな輩が空を飛んで、上空から忍び込むんじゃぞ。
防げるハズがなかろ?
まぁ、コチラ側の世界なれば、察知して防げるやもしれん。
じゃが、中世レベルの世界じゃてな。
防ぐコトなんぞ無理じゃろて。
「まぁ!
政治に無関係な王族は対象外として、いただけるのですわね?」
額に軽く汗を掻いておるわい。
この女性、理解した上でダリルさんと交渉しちょるな。
なんちゅう豪気なっ!
まぁ、ダリルさんは、せんじゃろがの。
下手したら、怒らせて命がないでなぁ。
そがぁな相手に、一歩も引かずじゃて。
「ふむ。
そちらは、アナタからの忠告にて納得したゆえな。
なにせ、まだ十八ゆえな。
狩人としては、一人前である自信はある。
だが、世事には疎いゆえ、判断がな。
なにせ森狩人は、隔離された森に住まう。
しかも、豪気で大雑把な連中ばかりでな。
そこで育ったゆえ、どうも考えが過激にな。
これでも師匠達よりは、まだマシだと思うのだが」
森狩人?
大丈夫なんかぇ?
『知性は高いみたいですが、脳筋と言われる方が多いみたいですね。
特に深層狩人の方々は、その傾向に。
害悪になる?
なれば狩れば良かろ?
そう考えるのが、当たり前となっているみたいです』
衝撃の事実じゃっ!?
深層狩人連中は、脳筋じゃったぁ!
って、ん?
それは、無理もないんじゃ?
『なぜです?』
いや、のぅ。
凶暴で恐ろしい獣が闊歩する深層。
それも、滅茶苦茶な強さのヤツが。
そがぁな環境にて、文明的な考えを?
無理じゃね?
弱肉強食、強者の世界。
おそらく、深層は、そがぁな世界じゃろうて。
強さが正義。
ちゅうか、強くなければ生きて行けんじゃろうて。
そがぁな環境にて過ごしちょるモンが、外の世界を判じたら、の。
そらぁ、弱者が統治なんぞ、烏滸がましいちゅうてな。
じゃが、統治なんぞ、面倒じゃてせんわなぁ。
狩りしちょりゃ良いんじゃけぇ。
じゃが、気に入らねば、狩れば良かろうなのだ。
ちゅう感じで、要らぬと判じたら狩るじゃろて。
これ、深層狩人が森から出て来んで起こっちょらん。
じゃが、ダリルさんみとうに、森から深層狩人が出て来たらの。
気に入らん、ちゅうて、根こそぎ王侯貴族が狩られんか?
『あー
まぁ、そうですね。
ダリル様は、超穏健派ですし、彼の師たるガウランド様も、まだ理性的な方ですから』
他の深層狩人えー
どんだけ脳筋なんじゃっ!!




