カドモスさん倒れ、リコ嬢はオロオロ。ダリルさん、交渉相手不在になり困り顔。
辺りは騒然としちょるが、ダリルさんは平然と。
いや、なんか困っちょる?
それにシムエル嬢が気付いての。
「どうか、なされました?」っと。
したらの。
「ふむ。
カドモス殿が、なぜか倒れられたでな。
誰と交渉したものかとな」
そがぁなん言っちょるんじゃが?
まぁ、確かに交渉相手が、コレではのぅ。
ちなみに、リコ嬢なんじゃがな。
カドモスさんが倒れた際にのぅ。
「きぁぁぁっ!?
お父様ぁっ!!」
ちゅうてカドモスさんに駆け寄り、介抱ちゅうか、オロオロしちょるわい。
まぁ、真後ろへ倒れたんじゃが、頭どころか、身体を打ち付けちょらん。
普通ならば地面に身体を打ち付け、大ダメージなんじゃがの。
そこは、ほれ、ダリルさんが居るでな。
風晶石にて風んクッションを作り出してな。
そんでカドモスさんを、受け止めちょった。
精神的な負荷だけで、別に外傷もないけぇの。
まぁ、安静にしちょりゃあ、大丈夫じゃろうて。
じゃが、交渉相手のカドモスさんが倒れ、彼の娘さんたるリコ嬢は、彼を看病?しちょるでなぁ。
確かに、交渉する相手は居らんわい。
したらの。
「あらあら?
これは、どうしたのかしら?」
頬に片手を添えて、女性が店から。
「リコ?
なにをしているのかしら?
まぁまぁ、アナタも。
昼間に外で寝るなどと、端ないですわよ。
店の者も困っておりますの。
早く戻っていただけないかしら?」
おっとりと、鬼畜なコトを。
「母様!
お父様は、気絶しておいでです!
直ぐの復帰は」
「あらぁ?
そうなの。
でもぉ、外傷はないみたいですけれど。
何処か打ったり?」
「いえ、ダリル様のお話しを聞いて、倒れられました」
そうリコ嬢が告げるとな。
「ふむ。
カドモス殿が、愚領主討伐の話しをされたのでな。
討伐後に愚領主が行った、悪行に対する補填を尋ねたのだ」
そうダリルさんが。
したらの、リコ嬢の母が小首を傾げての。
「あら?
あまり聞かない、お話しですはね」
そがぁ風にの。
「そうなのかね?
だがな、考えたら分かるであろう。
国とは、民を守り発展する組織だ。
つまり、守るのが、大前提なのだ。
だからこそ、民から税を受け取れる訳だな。
そのため守る義務が生じると言えるだろう。
だから、民を守れぬならば、要らぬ存在だ。
だが、全てを守るのは至難だろうよ。
ならば守れなければ補填すればよい。
それも出来ぬならば、排除するまで。
なにか、おかしいかね?」
そうダリルさんが告げるとの。
「なるほど。
確かに、理屈は合っているようですわね。
ですが、どのように、排除をされますの?」
困ったように。
したらの。
「ん?
俺は深層狩人ゆえ、師ガウランドが行ったが如く、狩る。
まずは、王の統治を邪魔する貴族を、全て斬り棄てるか。
それでも補填されねば、そのような王族は不要だ。
全員を斬り棄てるまで。
後の禍根を断つために、老若男女の区別なしにな」
目が本気ゆえ笑えん。
しかも、実行する実力があるでのぅ。
質が悪いわい。
「あらあら、困りましたわぁ。
それ、どの位の血が流れている者が、対象かしら?
私は三代前の王家で第七王子の血が流れてますの。
出奔して王家から離れて、行商護衛をしつつ各地を巡った変わり者らしいですわね。
ですが、一応は、王家の血が流れてますわね。
私も、ですの?」
なんか、いきなりなカミングアウトなんじゃが?
リコ嬢が、唖然として固まっちょるわい。
したらの。
「現王家には、関わりがあるまい。
政治に関われぬ者まで斬らぬよ」
そがぁに告げるとの。
「国王、王太子、宰相、大臣方々。
彼ら以外は、政治に関われませんが?
特に王妃などは、口出し厳禁となります。
さらに、幼児が政治に関わるのは、不可能かと。
ただ、血が繋がっているだけですわねぇ。
なのに斬るので?
その場合、私を斬らない違いは?」
おおぅ。
堂々と、ダリルさんに意見しちょるわい。
怖い物知らずかえ?
いや、微かに震えちょるか。
いやいや。
豪気なモンじゃてなっ!




