悪徳領主を討伐じゃ!めでたし、めでたし、で、終わらんのかい!?
カドモスさんの話しを聞いたダリルさんがの。
「ふむ?
そう言うコトなれば、国として機能しとるのだろう。
ならば国は彼女らへ、キチンと保証するのだろうな。
まさか、国が任じた領主の被害者に対し、何もせぬ、ハズがなぁ。
ま、放置するなれば統治能力なしと、見做すまでか」
なんじゃか、不穏なコト、言っちょらんかえ?
「そ、そのですな」
「ん?
なんだね?」
「統治能力が無いと、思われた際は?」
カドモスさんが、恐る恐ると。
「ん?
俺は狩人だ」
「それは、存じておりますが?」
「なれば、分かるであろうに。
当然だが、不要な者も狩る。
悪政を敷く輩を、狩人が狩っても良かろう。
そのような輩は外道、人とは見做さぬゆえ。
これは、外道は狩る、っと、深層狩人にて、決まっておってな。
なにゆえ、このような取り決めがなされたのか。
師匠が国を滅ぼした話しを聞くまでは、理解しとらんかった。
だが、あの話しを聞いた後ではなぁ。
ただ、俺は経験が浅いゆえ、ドコまで狩って良いかが。
取り敢えずは、身内へ害をなした者を狩るつもりであったのだ。
ふむ。
討伐されるなれば、様子見か」
いやいや、物騒じゃわい。
ダリルさんが、コッチの世界に居ったら、汚職政治家や官僚などなど、即座に首を刎ねられちょるじゃろうて。
なんせネットなんぞで情報が知れるでな。
事実かはな、近くへ潜んで調べれば良い。
ダリルさんの隠形は、現在のセンサーなんどでも捉えられんでな。
真横に立たれても、そん存在を認識できんレベルなんじゃよ。
で、クロと判別されたら、斬られる訳かい。
逃げも隠れもできん。
微電流探索にて、ドコにおっても丸わかりじゃ。
空を瞬時に駆ける方から、逃げおおせるなれば、試してみればよかろうてな。
『マスター』
ん?
なんじゃい。
『マスターの理論は、成り立ちません』
ひょっ!?
なしてなんなら!
『マスターの世界には、既に、そのような輩は存在しておりません。
本国マザーにて、駆逐されておりますれば、ダリル様が駆除する相手が居ないのです』
ダリルさんが、駆除する以前の話しかえ!?
ちゅうか、そこまで、しちょったんかいな!
『AIにて監視管理しております。
不適合者が発生した場合、隔離し、強制カリキュラムにて、正常な状態に戻しております。
そのカリキュラムにて正常化しない場合、不良品として異界の惑星へ送っておりますね』
ちょっ!?
変な洗脳なんぞ、しちょらんじゃろうな?
『そんなコトは、しておりません。
道徳的な指導を行い、この映像世界を元に構築した、バーチャル世界にて生活させます。
意識のみの接続にて、数年が数分となる体験となります。
その体験にて様々なシチュエーションを再現しています。
つまり、ソレラの体験にて更生可能か判断する訳ですね』
なんか知らん内に、色々とやっちょるのぅ。
まぁ、住み易ぅなるんは、良いコトじゃろ。
カドモスさんの顔色が、悪うなっちょるわい。
深層狩人は劇物、っと、聞いたコトがあった。
だが、悪政領主を滅するに、収まらないとは。
まさか、悪政被害者に対する補填を、国へと?
その様な考えは、こん世界に存在しちょらん。
ほじゃけぇ、当然じゃが、補填なんぞは、の。
被害者は泣き寝入り、それが普通の世界じゃ。
じゃが、そがな理論は、深層狩人には通じやせんでな。
早急に対策せなんだら、下手したら国王の首が飛ぶで。
しかもじゃ、比喩なんぞじゃのぅて、物理的に、じゃ。
「ほ、補填、で、ですかな?
されなければ?」
カドモスさんが、青い顔で尋ねるとの。
「なにゆえ、そのように気になさるのか?
ふむ。
補填は当然であろ?
国を統治するのが王侯貴族。
故に、王と王太子には、統治能力なしにて、死者を出した。
補填できぬなれば、不要。
不要ならば、斬る。
それだけだな。
むろん、統治を邪魔していた貴族なども、合わせて掃除する。
加担した富豪や商人なども全てを。
なに、微電流探索にて探り首を刎ねるだけだ。
一週間も掛からんだろうよ」
あ、カドモスさんが、泡を吹いて倒れたわい。
ちと、刺激が強かったかのぅ。




