着いたぞ、いや、着いた?えっ??
ガンレート嬢が目を瞑り、身体を硬くしちょるな。
まぁ、高い所が苦手なモンにゃあ、ちとキツいか。
じゃがの。
「着いたぞ」
そうダリルさんが。
「へっ?」
ガンレート嬢が、恐る恐る目を開ける。
目を閉じてから、さほど時間は経っちょらんでなぁ。
騙す気?ちゅう感じで、目を開けると、違う場所じゃて。
「へっ?
いや、どうなってんの、これ?」
盛大に戸惑っちょるわい。
「なぁ〜んだぁ。
ガン姉ぇは見てなかったの?
凄かったんだよー
ヒュンって、空に上がったらさ。
バビューンって。
で、気付いたら着いてたんだぁ。
ビックリだよね」
興奮したようにね。
したらの。
ガンレート嬢が困ったようにの。
「うん、分からん」っと。
まぁ、そうなるわな。
したらファマル嬢がな。
「正直、私も説明が難しいかな。
なんかに包まれた感じがしたのは、アンタにも分かったよね?」
「それは分かったけど?」
「その包まれると同時に、斜め上に登ってね。
カリン風に言う、ヒュン、ってヤツだよ。
その後、一瞬だけど上から広大な景色がさ。
えーっと、大パノラマ?だっけか?
山頂とかで、広大な景色が一望できる時に使う言葉、だったっけ?
そんな景色が、さ。
わぁ!っと、思ったら。
周りの景色が流れて線みたいにね。
これ、初めての経験だから、説明は無理。
そうね。
カリン式では、バビューンかな?
で、気付いたら着いてた訳」
「うん。
訳分かんない!」
まぁ、そりゃそうじゃろな。
儂から詳しゅう説明するとじゃな。
まず、ダリルさんが風繭で皆を包んだ訳じゃ。
それを、ファマル嬢が、何かに包まれた、ちゅうとった訳じゃな。
まぁ、気付くだけで、大したモンじゃが。
ほんで、斜め上へ伸ばした風ん道を、風繭が登ってな。
上空で方向確認にて、一旦は停止した訳じゃて。
そっから茶店まで風ん道が伸びて行ってのぅ。
そん上を風繭が、滑るように移動しちょった。
で、アッちゅう間に、茶店の前へと。
ま、こがぁな経緯じゃて。
ちゅうてもの。
晶石を、どがぁに活用しちょるか知らんかったら、説明できんじゃろてなぁ。
ファマル嬢の説明は、妥当やもしれん。
ちなみにじゃ。
シムエル嬢は、半分ほど、目を回しちょる状態じゃ。
刺激が強過ぎたんじゃな。
で、のぅ。
ダリルさん一行も、景色が一瞬で変わり戸惑っちょるがな。
イキナリ一行が現れて、茶店の客と従業員も、仰天しちょるわい。
そんな中。
「あー!
ダリル様ぁ!
よう、お越し下さいました!
今日は、何か御入りようで?」
リコ嬢が、駆け寄って来ちょるわい。
彼女にとってダリルさんは、賊から掬い出し、この茶屋まで戻してくれた恩人じゃ。
しかも、珍しき品を卸してくれ、店の品を大量購入してくれた、お大尽でもある。
さらには、珍しく甘露な菓子を卸してくれもした。
彼女にとっては、ヒーローと言えよう。
「ん?
だぁ〜れぇ?」
カリンちゃんがコテンちゅう感じで、小首を傾げる。
同時に、並んじょったポックルとジェムが、リンクするように、小首をの。
最近は一人と二匹が一緒に居るコトが多いでな。
意思疎通が綿密ちゅう感じかや。
まぁ、こんトリオは晶石使いじゃてな。
放術と付与を、当然が如く使い熟しちょる。
そがな晶石にて微電流を常に放術して、辺りを探っておるでなぁ。
こん微電流を介して、意思疎通が無意識レベルにて成されちょるんじゃよ。
ちゅうかな。
ちと幼なげなカリンちゃんは、可愛い系の美人さんじゃ。
最近は肉が付いて来ちょるけぇ、非常に愛らしゅうのぅ。
で、子猫なポックル。
グルガムスの幼体でギーゼットの娘じゃな。
コヤツも真っ黒な身体じゃが、まだポワポワな毛でなぁ。
円な瞳がキュルンちゅうて。
子供や女子にゃあ、堪らんじゃろな。
して、ジェムじゃ。
うん。
ハッキリ言う。
ぬいぐるみ、じゃ、の。
完璧な、愛玩動物じゃて。
コヤツらは、中層以降にしか現れん。
ゆえに、一般には知られん存在じゃ。
そがなトリオが、シンクロコテンじゃぞ!
そりゃ、のぅ。




