さて、出掛けるかのぅ。ん?カリンちゃんが、ハシャイじょるわい!
ダリルさんが背嚢へ荷を入れ、ギーゼットが背負った袋へも詰めちょるとな。
「ダリル兄ィ?」っと、カリンちゃんがの。
それへダリルさんが、優し気に。
「なんだね?」っとの。
「風繭だったけ?
それ使えば、一々荷造りしなくても、良くない?」
そがぁ風にの。
したらな。
「運ぶだけならな。
相手先に訪問も告げておらんし、取り引きするかも決まっておらぬ。
それに風繭だと、運んだ品が丸見えなのだ。
コレから交渉する相手に、コチラが持つ商材を、分かり易く見せてやる筋合いはなかろ?
だから、詰めて運ぶのだよ」
なるほど、確かにのぅ。
風繭は大量に運べるで、便利ではあるんじゃがな。
確かに風で覆っちょるけぇ、外から丸見えじゃて。
「へぇ〜
そんなん、考えないとダメなんだぁ〜
大変だなぁ」
目をクリクリさせちょるわい。
基本的に狩り以外は屋敷に居るみたいじゃからの。
まぁ、人攫いなんぞも居るでなぁ。
一人で出歩かさんように、しちょるようじゃて。
ほじゃけぇ、町から離れた場所に在る屋敷にて過ごすコトがの。
そがぁなると、ちと常識的なんが、疎うなるわなぁ。
つまり、カリンちゃんにとって、久々のお出掛けなんじゃてな。
そらぁ、嬉しそうじゃぞ。
しかも、領都とは言え、近場の町にしか行ったコタぁないでのぅ。
初めて、知らん町へと。
ワクワクのウキウキじゃてな。
ちゅうてものぅ、彼女も普通の子供ではない。
狩りに同行して狩っちょるし、晶術も使える。
並みの大人よりは、遥かに強い存在なんじゃ。
じゃがの。
シムエル嬢は別としてじゃ、周りのモンがの。
ダリルさんは、まぁ、論外じゃ。
比較するのは、酷であるじゃろ。
じゃがな。
彼を除いてもじゃ。
ハゲルさん、ロゼッタ嬢。
こん二人は、鍛治師としての腕も確かじゃが、狩りの腕前も。
さらに、鍛治で鍛えた筋力が、な。
正直に言って、彼らに殴られたら、無事には、のぅ。
ファマル嬢は狩人、ガンレート嬢は元騎士じゃてな。
彼女らの、そん武力ちゅうんは言わんでも分かろう。
そがな大人に囲まれちょれば、自分が強いとはのぅ。
まぁ、周りの大人も幼なげな身姿じゃった彼女には、過保護じゃし。
最近はの、ダリル飯の効果にて、身体も育ってきておる。
ゆえに幼い感じは消えちょるんじゃがのぅ。
元が幼い感じの身体じゃったじゃろ?
そんイメージちゅうか、慣習ちゅうかの。
皆、カリンちゃんに甘々じゃてなぁ。
あまり干渉せんダリルさんも、カリンちゃんには甘いでな。
まぁ、カリンちゃんも素直で明るい性格じゃ。
真面目で努力家でもあるで。
ほじゃけぇ、周りが更に甘々に。
いや、いい加減に子離れ、じゃないか。
カリンちゃん離れして欲しいもんじゃ。
終いには、流石のカリンちゃんにも、ウザがられるぞい。
ちゅうても、ダリルさんとハゲルさんは、そこら辺は淡白じゃてなぁ。
あまりウザ絡みは、の。
シムエル嬢は弁えとるで、ウザ絡みちゅうんはせん。
問題は、残りの三人かのぅ。
特にファマル嬢は甲斐甲斐しい程でな。
時々、ロゼッタ嬢とシムエル嬢に、注意されちょるわい。
ガンレート嬢は、ファマル嬢並みに構いたい感じかのぅ。
じゃが、男性上位で男社会な騎士団で、揉まれちょった。
そんなんじゃけぇの、幼児とは関わるコタぁのぅてなぁ。
どがぁして、カリンちゃんと接して良いか、ちゅうんが。
結果として、カリンちゃんへのウザ絡みまではの。
ほうじゃ無かったら、ファマル嬢並みのウザさで。
まぁ、そがぁなけぇ、ロゼッタ嬢の次にファマル嬢へ、懐いちょるんじゃが。
そん内に、「ファマルさん、ウザい!」ちゅわれるんじゃ、なかろうか?
で、支度も終わったでな。
皆が揃った段階で空へと。
うむ。
相変わらず、訳分からん。
「わぁ〜っ!
凄いやぁ!
空、飛んでるよ?」
カリンちゃん、大興奮。
ん?
ガンレート嬢、真っ青で目を瞑っておるの。
どうやら高所はダメなようじゃて。
こりゃ、ご愁傷様じゃてな。




