ダリル飯できた様じゃてな。さて、本格的に食うかいなっ!
ダリルさんがスープを作り終えたわい。
窯にてパンも焼いちょった見たいじゃ。
いつの間に仕込んだんじゃろかいなっ?
『朝食を作る際に仕込んでいましたね。
二次発酵させている途中で、氷室へ保存していましたが』
そがなんしちょったんかい?
ちゅうか、複数工程を同時に行っちょるでなぁ。
ついつい見落とすのぅ。
ちゅうかな。
良く、あがぁにマルチで、動けるもんじゃてな。
しかし、焼き立てのパンちゅうんも、実に香ばしゅうて、良い香りじゃてな。
そん香りがデミグラスシチューの香りと合わさってのぅ。
味見でのうて、本格的に食べとうなるわい!
『いやいや。
先ほどから、ガッツリ食べておられません?
明らかに食べ過ぎかと』
映像世界じゃけえ、別に良かろうが?
幾らでも食えるし、太る心配もないでな。
食べ過ぎて身体を壊すこたぁ、あるまいよ。
『そうですが、それに慣れて、リアルで食べ過ぎたりしなければ、良いのですが』
おおう。
そりゃあ、盲点じゃったわい。
ちゅうても、の。
儂ぁ、なんや知らんが、幾ら食っても太らんのじゃが?
まぁ、食うた以上に動いちょるしのぅ。
『確かに、マスターは太らないかもですね。
問題があるとしたら、沙織ですか』
ふむ?
ぽっちゃりな、沙織さんかえ?
「いや、勝手に、ぽっちゃりにしないでくださいね」
ひょっ!
聞いちょったんかいなっ!?
「いや、目の前で語られておられましたよね?
普通は気付くかと」
いやいや。
味見で惚けちょったじゃろに?
「あ、アレは、ですね!」
なんじゃろかい?
「その、美味し過ぎるのが悪いのです!」
ひょっ!?
開き直ったわい!
まぁ、言い分は分かるでなぁ。
ダリル飯は、別格で格別じゃて。
あがぁに美味いモンは、地球にぁ無いでのぅ。
『ダリル様の世界でも、ダリル様しか作れないかと』
まぁ、ほうじゃろうのぅ。
晶術ちゅうか、放術と付与が、共に扱えんとならんで。
しかも、繊細な制御が必要じゃ。
あがぁなん、ダリルさん以外に、出来るモンは居らんでな。
『マスターは、出来ますよね?』
ん?
儂かぇ?
ううむぅ。
晶石のコントロールちゅう意味では、出来るじゃろうがな。
儂ぁ、あまり料理ちゅうんは、のぅ。
いや、煮炊きや焼くなんぞは、出来るぞい。
まぁ、いわゆる男飯、ちゅうヤツならばの。
間違えても、人に食わすんはなぁ。
独り者の侘しい料理ちゅうんかい?
そんくらいならば、出来んコタぁないわいなぁ。
『はぁ。
つまり、晶術を使う自信を持っておられますが、料理が出来ないと?』
そう言うコトじゃな。
『なれば、料理人の動画でも観られますか?』
はい?
なしてじゃ?
『いや、武道の達人方々の動画を観て、その道を極められましたよね?
音楽家の方々の動画もです。
鍛治についても、でしたか?
ならば、料理人の方々を撮影した動画を観られたら、調理方法を覚えられるのでは?』
そがなん言うんじゃがの。
う〜ん。
儂ぁ別に調理に興味はないんじゃが?
『そうなのです?』
ほうじゃぞ。
食うんは好きなんじゃがの。
自分で作ろうちゅうんはな。
誰も作ってくれんのなら、作るがのぅ。
自炊するよりも外食が多かったでなぁ。
今は、伽耶さんが、美味い料理を作ってくれるで。
儂ぁ、そんだけで、大満足じゃから、自分ではの。
「母が喜びますわ」
沙織さんが、嬉しそうに。
まぁ、お袋さんの料理を褒められれば、のぅ。
大体、伽耶さんの料理は、日々食す日常の料理じゃて。
ダリルさんの料理は、特殊過ぎるでなぁ。
ありゃあ、映像世界ちゅう場所での、特別料理じゃ。
刺激が強過ぎるでな、日々の暮らしにて食うにはの。
特に地球人にゃあ、刺激が強過ぎるわい。
まぁ、映像世界にて、刺激ちゅんが、調整されとろう?
『あ、気付かれて』
そんくらいは、のぅ。
しかし、ダリル飯は、味もじゃが香りが、のぅ。
ほれ、香りん釣られて、面々が厨房外から覗いちょるわい。
カリンちゃん?
ヨダレぇっ!




