晩飯用の肉を氷室から、ちゅうか、いや、マジでぇ?
氷室から出て来たダリルさんは、出た先である厨房への。
今から調理始めるんじゃろうが、しかし、凄い量じゃて。
ちゅうてもの、何時も食べちょる量と変わらんのじゃが。
まぁ、七人二頭一匹ちゅう大所帯じゃけぇなぁ。
内訳ちゅう訳では無いんじゃがな。
まずは三人娘じゃな。
ファマル嬢、ガンレート嬢、シムエル嬢じゃ。
ファマル嬢は狩人じゃけぇ、地球の成人男性が食う量の、五倍は食うでな。
元騎士のガンレート嬢も、同じ位はのぅ。
一番食わんシムエル嬢でさえ、二倍は食うでな。
これで、地球の成人男性が食う十二倍の量がの。
で、カリンちゃんが、今では三倍の量を食っちょる。
ほんで、大食いの三人じゃ。
ロゼッタ嬢が八倍、ハゲルさんとダリルさんが、十二倍は食うておろうて。
つまりじゃ。
地球の成人男性を基準にしたらの、合わせて四十七倍は、の。
しかも、腹の減り具合では、さらに食う量が。
こがぁな感じじゃけぇ、アン量は必須なんじゃよ。
ちゅうか、そがぁに食う面々が食い切れんで、下手したら腐るちゅう程に。
なして、そがあなコトに?
まぁ、大型獣をバカスカと狩っちょったでなぁ。
あがぁな巨大な獲物から得る肉なれば、そらぁのぅ。
しかし、そん大荷物なんは、理解できたとしてじゃ。
そん荷物が、フワフワちゅう感じで浮きつつ、ダリルさんの後を、の。
いや、理屈は分かるぞぃ。
風繭に包んで浮かせちょるのを、感じるでのぅ。
まぁ、正確には、風ん道ちゅうんを造って、そん上を風繭が浮いちょる感じじゃな。
これ、理屈を理解しちょらんのじゃろうが、道と繭に磁力を纏わせてな。
そん磁界同士の反発にて浮かしちょる訳じゃ。
しかも、風繭同士は、磁界の吸引にて連結されちょってな。
さらにダリルさんに、連結されちょる訳じゃて。
で、ダリルさんが歩くのに合わせ、肉塊が、ゾロゾロと着いて来るちゅう、な。
なかなかシュールなシーンが、展開されちょるわい。
そがなハーメルンの笛吹き状態で、氷室からの。
着いて来るのは、ネズミや子供でのうて、肉塊じゃがのっ!
そがな異様な光景じゃった訳じゃが、あいにくギャラリーは、視聴しちょる儂らだけじゃったがな。
そがな感じで、ダリルさんに着いて来た肉塊は、ダリルさんにて切り分けられちょる。
短い時間とは言え、後を着いて来たモンを。
「いや、明らかに食材ですが?」
ナイス突っ込みじゃ!
『沙織?
マスターが、調子ににりますから』
酷くねっ!?
ふむ?
全てを一口大に、かえ?
微電流にて表面を、高速で微振動させつつ、水で洗い流しちょりるな。
肉表面から臭みの元んなるモンを、取り去ったんかのぅ。
いやはや、ダリルさんは無茶苦茶じゃな。
これ、アレじゃろ?
内臓なんかで言う、表面の滑り取りとか、ミルクに漬けての臭み抜き、ちゅうな。
そがぁな手間を取らんでも、雷晶石と水晶石が有れば、臭みは取れるちゅうてか?
しかも、針みとうにした風に電流を纏わせ、切り分けた肉を突き刺しちょる。
無数の見えん穴が、切り分けた肉に。
なんしちょんじゃろか?
そがぁに思っちょったらの、そん肉を釜ん中へと。
そう、マル芋粉が溶かされちょる、マル芋湯へじゃ。
つまり、灰汁抜きけぇ?
ちゅうか、湯に潜らせる感じで、直ぐに引き上げちょる。
そうか!
無数の穴は、灰汁が抜け易ぅするためじゃったか!!
灰汁抜きを終えた肉は、軽く休ませちょるな。
ほんで、淡白なヤツは、軽く衣を付けてから揚げちょる。
他の肉は、油で炒めちょるで。
で、炒めると、どがぁしても肉汁が。
焼けたら取り出し、別皿へ。
肉汁も、別の器へとの。
ん?
集めた肉汁へ別に炒めた微塵切り野菜を。
ハーブや香草、トマトやキュウリみたいなんも。
ニンニクやショウガみたいなんもの。
液化したソイ芋を加えちょるなぁ。
本人は、グレービーソースを目指しちょるみたいじゃが、どがぁなるんじゃ?
仕方ない、味見してやるかのぅ。




