おっ!今晩使う肉が決まったみたいじゃな。
食材の肉が種類バラバラ、部位が、バラバラな今回の調理となった訳なんじゃがな。
「ふむ。
十分な熟成具合だな。
焼くだけでもカナリ美味いであろう。
だが、別々に焼くなれば、カナリの手間。
そう考えると、一度に処理したいが。
さて」
ダリルさんが考え込んじょるな。
いっそのコト、バーベキューみとうにして、各々に焼かせれば、良いんじゃないかのぅ?
そがぁ風に思っちょったらの。
『あの世界には、バーベキューなどと言う概念自体が、存在しませんね。
食べる側が焼きながら食べる。
この様な発想自体が、存在しませんので』
ひょっ!
マジかぁ!!
ほしたら、焼肉ちゅう考え方も?
『当然ながら有りません』
ほうなんかぁ。
自分で焼きながら食うちゅうんも、なかなか、オツなモンなんじゃがのぅ。
まぁ、食べ手に調理を任せるちゅう発想は、普通は出んのやもな。
ちゅうことは、じゃ。
全く違う食感と味の肉を、一緒に焼く?
なんか、味が喧嘩して雑味が出そうじゃ。
「共に焼くには、それぞれの癖が強過ぎるな。
煮込むには、時間が足りぬであろう。
ふむ。
いっそのコト、スープの具材にでもするか?
前に夢で見たヤツ。
材料が足りぬゆえ、完全再現はできぬが・・・
アレを参考にして試すか。
しかし、ケチャップとかソース。
顆粒出汁か?
あの様な代物、実在するのだろうか?
しかし、あの世界の食は興味深い。
偶にしか見れぬ夢ではあるが、神々が座す世なのだろうか?
実に興味深い」
いや、あの〜、ジェミアさんや。
『なんで、ございましょう?』
なんや知らんが、ダリルさん、コッチを結構観ちょんかいな?
『さぁ?』
いや、さぁ、ちゅうて、アータ。
『いや、無茶を言わないでください。
人の思考など読めないですからね。
それに、相手は、アノ、ダリル様ですよ?』
あー、まあ、確かにのぅ。
あがぁな規格外の思考を読め、ちゅんは、無茶じゃったかえ。
『いや、マスターが、それを言われますか?』
はぁ?
ど、いや、なんでもないわい!
「ご主人様が、学ばれてますよ?」
『信じられません!』
うっさいわっ!
「さて、氷室の整理と、今晩使う肉を選んだが。
早々に売るかしないと、氷室に収まらなくなるな」
その様に呟きつつ厨房へと。
厨房に隣接する様に、直接氷室が存在しちょるんじゃがな。
そん地下へと斜めに掘り下げされた氷室は、結構デカい。
いや、デカいちゅうよりも、長い、ちゅう方が正解じゃろて。
ウナギの寝床ちゅう感じに、斜め下へと、のぅ。
傾斜も結構あるでな。
普通のモンなれば、入り口付近しか使わんじゃろて。
そん氷室の最奥へ向かい、肉を保存して帰って来た訳なんじゃがな。
途中で熟成が進んだ肉は、奥の肉と入れ替えたり。
どうも奥の方が冷気が強いみたいでなぁ。
まぁ、冷気は下へ下へと流れ留まるでのぅ。
そがぁな調整なんぞしつつ、氷室を移動しちょったんじゃが、然程の労力を掛けちょらんのが、ダリルさんらしいわぇ。
風晶石にて放出した風を、対象の肉へと纏わせ浮かせる。
そして、同じく浮かせた肉と入れ替える訳じゃ。
コレを複数同時に、のぅ。
ダリルさんの頭ん中は、どがぁなっちょんなら?
最後に氷晶石にて放たれた冷気が、氷室を満たして凍り付かせる。
カチンコチンじゃて。
「いや、待って下さい。
そんな冷気が漂う場所へ入っていたのに、なんで彼は無事なんです?」
ふむ?
確かに零下数十℃にはなっちょろうでなぁ。
『最深部では、零下百℃以下でしたね』
「いやいやいや。
それって生きてられませんよね?」
沙織さんの指摘は全くなんじゃがな。
じゃが、忘れちょるコトがあるぞえ。
「何を、でしょうか?」
ダリルさんは、晶石使いじゃてな。
風繭にて身体を包み、火晶石より放出した火の熱にて、風繭ん中を暖めれば良いんじゃよ。
まぁ、簡単な防温結界じゃな。
「もはや、なんでも有りですね!」
そがぁに褒めんでもの。
流石は、ダリルさんじゃて!




