戦い終わりて、後始末じゃっ!
しかし、じゃ。
危急なコトじゃったんじゃろが、素材回収もせんで連戦しちょるでなぁ。
入り口付近を含み、死体がゴロゴロしちょる状態じゃで。
ちゅうか、死体周辺は、血の海状態じゃでなぁ。
刎ね飛ばされた首もじゃが、胴体から血がドバドバっ!ちゅうてのぅ。
で、ダリルさんがの、死体を持ち上げ壁へ。
なぁーんしちょんか?っと思っちょったらじゃ。
尻尾を上にして、壁へ尻尾を冷気にて貼り付けよったわい。
胴体、それも心臓辺りや血管が集まり易い場所を、火晶石で暖めつつ雷晶石にて刺激を。
「ふむ?
塩水が出る水晶石にて放出した塩水を、体内へ送り込めば、どうなるか?
コレは、試してみる価値はあるだろう」
そがぁなん、言っちょるんじゃが?
で、実際に後ろ足の内股辺り、太い動脈を。
ソコから塩水を流し込んじょるみたいじゃぞ。
ファッ!?
首から滝ちゅんか?
ドバババババッ、ちゅう感じでのぅ。
それを確かめた後、他の死体も、じゃて。
血の海地獄ちゅうんは、コレのコトかいな?
ちゅうか、ラグラクスを壁に、貼り付けせんで貰えんかえ?
ラグラクスを含む、竜種の標本壁の出来上がりじゃでな。
なんとまぁ、嫌な標本壁じゃて。
それが終わると、入り口付近へと戻るダリルさん。
入り口付近にて放置された死体へと。
ちゅうか、ん?
死体が増えちょるのぅ。
まぁ、当然かや。
首から血が、ドバドバってなぁ。
そがぁに血が流れてちょったら、血の臭いも、のぅ。
そがぁな血臭が漂っちょれば、当然じゃが、血の臭いに誘われた獣が、のぅ。
まぁ、そがぁなんが寄って来てもじゃ。
ギーゼットが全て撃退するでなぁ。
彼女もダリルさんへ同行しちょる内に、晶石の扱いに慣れてきちょるでな。
雷晶石にて放出した雷にて動きを止め、水晶石にて放置し操った水を、相手の肺へと。
当然じゃが、呼吸できんで窒息じゃてな。
で、鋭い爪へ水を纏わせ、そん爪にて首筋の動脈を。
こん水が、爪を薄く覆いつつ、螺旋を描きながら高速で流れちょるんじゃがな。
微細な砂塵を内包しちょるんじゃよ。
砂塵流水チェーンソーちゅうところかや。
己の爪にはダメージを負わさず、相手だけを削っておる。
なかなかに、匠の技と言えるじゃろうてな。
そん爪にて首筋をスパッとじゃ。
スパッと。
ほじゃけぇ、また血がの。
首筋からバシュッちゅうて。
う〜むぅ。
血溜まり、で、のうて、明らかに血の海じゃな。
血臭ちゅうレベルを超えちょらんかえ、コレ?
流石に中層獣もバカでは無いでのぅ。
こんだけの血臭は、異常じぁ感じたんじゃろて。
ココへ立ち入るアホぅは、最早現れんかったわい。
そがぁな血の海状態んトコへ、ダリルさんがの。
「ふむ?
中途半端な血抜きになっとるか。
だが、まだ間に合いそうだな」
いや、そう言う問題かえ?
ちゅうか、血の海状態には、反応せんのかえ?
沙織さんなんぞ、あまりの景色に中座しちょるでのぅ。
この血臭だけで、普通のモンにゃあ耐えられんじゃろて。
で、ダリルさんがの、奥で行ったんと同じようにのぅ。
「尻尾が有ると便利だ。
壁に張り付け、血抜きが捗るゆえ」
そがぁなん言っちょるんじゃがの。
それ出来るんは、ダリルさん位じゃてな。
『いえ、マスターも』
あー
あん世界で、じゃな。
『イケズですね?』
なんがじゃっ!?
「しかし、持ち帰れんな。
奥にも気配はあるが、無為に狩るのは趣味ではない。
ラグラクス素材を保管した箱には、まだ空きがあるゆえ、アレを使えば保管できるか。
なれば、傷む素材を厳選して持ち帰るほかあるまい。
そうなると、テンゾルとハーマットの素材も、ココへ置いて行くしかあるまいて。
単なる試し斬りのつもりで来たが、トンだハメになったものだ」
そがぁなん言いながら解体を。
ウォーゲルグの場合、毛皮は価値があるが、肉には価値がない。
臭くて硬いのが通説であり、その通りでもあるからだ。
とは言え、骨と肉を燃やし、それを肥料とするとだ。
これにて、良い作物が。
ゆえに、捨て置くのも。
そのように考えつつ、解体が進むのだった。




