う〜ん、ダリルさんに、罪はない。狩っただけじゃて。じゃが、大惨事じゃ!
人間ちゅうか、生きモンにはな、何事にも心構えちゅうをが、要るんじゃよ。
なんの予兆ものぅて、イキナリ、コトが起これば、なんも対処できん。
認識も付いてコンもんじゃて。
特に、今回は酷い。
沙織さんは、まったくダリルさんの姿を追えては、おらんかったでな。
なんも無い状態にて、狼とトカゲの首が、刎ね飛んだ訳じゃ。
で、一斉に血の噴水じゃて。
コレに意識を付いて行かせるなんぞ、は、のぅ。
一瞬なにが起こったのか、分からんかったじゃろて。
で、認識した瞬間、恐怖も、じゃが、状況に脳が追い付かんでな。
オーバーフローして、キュー、ちゅうてのぅ。
こりゃ、訓練しようにも、こがぁなシチュエーションは、普通は起こらんで。
一方、ギーゼットの方じゃが。
コチラは自然界にて、生き死にの境遇を潜り抜けて来ちょるでな。
コン程度では、気を失のぅたりは、せん。
じゃが、流石に仰天して、跳び上がっちょったが。
儂みとうに、全てを認識できちょりゃあ、こがぁなんは、なぁ。
『無茶言わないで下さい。
常人、いえ、達人にも不可能です!
アニメや映画などの、架空人物じゃないのですからね!』
ん?
ちゅうコトは、じゃ。
『なんです?』
そがぁに、イヤそうに言わんとものぅ。
いや、単にの。
『単に、なんです?』
アニメの主人公みたいじゃ、ちゅうて、のぅ。
儂も主人公みたいに、格好良いんかえ?
『何を言い出すのかと、思えば。
マスターは、映像を観ているだけでは、ありませんか。
何処に、主人公要素が?
主人公と呼ぶならば、ダリル様では?』
おおっ!
確かに!
ダリルさんは、主人公ちゅうに、相応しいわい!
で、そん主人公なダリルさんは?
『ウォーゲルグと言う狼と竜種の首を刎ねた後、奥へ走り去って行きましたね。
今は映像を止めましたが、止めるまでに、何処まで進んだコトやら』
いや、走って行ったんは、知っちょるぞい。
じゃが、映像が追付いしちょらんでのぅ。
肉眼では確認できちょらんのじゃよ。
『その言い方ですと、肉眼以外では確認できているコトになりますが?』
そがぁなん言うでなぁ。
『なんか、呆れられてます?』
いやいや、儂も微電流探索できるんじゃが?
そがぁに告げるとの。
『もぅ、無茶苦茶ですね。
人間レーダーですか?』
ちゅうてな。
失敬な。
そがぁな精度が劣るんと、同じにせんで欲しいわい!
『はい?
え?
いや、レーダー並みの索敵範囲を人が有する自体が、異常なのですが?』
なーん言っちょんなら?
微電流探知なれば、360度の範囲を索敵できるんじゃぞい。
地中や水中もじゃし、数十キロは軽く索敵できるでな。
しかも、じゃ。
物の形状や動きもトレース可能なんじゃぞ。
建屋ん中でさえ、索敵可能じゃて。
まぁ、絶縁物質で遮られたら、索敵できんちゅう、欠点はあるがの。
『あの〜』
なんじゃ?
『本国でも再現不可能な技術なんですが?
マジで?』
マジ、じゃな。
『どうやって?』
知らん!
雷晶石の力なんじゃろな。
カリンちゃん、ちゅうか、ダリルさんの微電流探索を真似ただけじゃてな。
使えるから、使っちょるだけじゃ!
『いや。
胸を張って言われましても。
ふぅ。
沙織も復帰しましたので、映像を再開しますか?』
ん?
エロう早かったのぅ。
『肉体へ影響を及ぼす前に情報を遮断し、時間を高速化させつつ、精神を癒しましたので。
まぁ、映像世界だからこそ、可能な技と言えますね』
「う、うぅ〜ん」
をい。
『なんでしょ?』
なんでしょ、じゃあ、無いわい!
映像を先に進めんかい!
コン侭じゃ、また沙織さんが、気絶すんぞっ!
なんせ映像が止まっちょる。
ほじゃけぇ、スポポーン首刎ね状態の血噴水状態じゃてな。
気絶から醒めて、また、こがぁなシーン目の当たりにしたら。
あっ!
「キュー」
ほれ、みい!
『失礼しましたぁ!
直ちにシーンを進めます!』
ったく。
まぁ、ジェミアさんはAIなんじゃけぇ、こがぁな機微を押し付けるんが、間違いかぇ?
ふぅ。
儂ん指摘が遅かったわい。
済まんかった!




