遺跡ん中は無法地帯じゃてなぁ。おっ!狩るんかえ?
ダリルさんが呟いておったが、多分、野鼠がやらかしたんじゃろて。
ん?
なにを、かえ?
そらぁアータ。
コールドスリープしちょる竜種を解放しよったんに、違いないわえ。
なにせ、コン辺りにゃあ、竜種ちゅうんは深層にしか居らんでな。
そがぁなんが、崖山ん頂上へ生息しちょるハズものぅ?
そがぁなんが居る、ちゅうコトは、じゃ。
以前にジェムのヤラかし通りなんじゃろて。
つまり、コールドスリープにチョッカイ掛けて、寝ちょるヤツを起こした、ちゅうコトじゃな。
そがぁにして解放された竜種なんじゃが、ココへ潜り込んじょる野鼠やイタチなんぞを、喰らっちょるみたいじゃて。
起きて然程、時間が経っておらんのかも。
ちと、動きが鈍いでな。
『いえ、ソレは、どうでしょう?』
ん?
どう言う意味じゃ?
『相手は変温生物となります。
恒温動物とは違い、周囲の温度に影響され易い生き物となります。
コールドスリープから覚め、辺りは洞窟内にて太陽からの熱は入り込みません。
ただ洞窟内の温度は、人が過ごし易い温度であり、徐々に身体が暖まりはするでしょう』
あー
良く、ワニなんぞが、日光浴しちょる、アレじゃな?
ちゅうコトは、じゃ。
アンくらいに、身体ちゅうんを暖めんと、マトモに動けん、ちゅうコトかいな?
じゃとしたら、動きが鈍いんも、仕方あるまいてな。
「チッ。
チョコマカと。
ココでは短槍より、コチラが良いか」
ダリルさんが、竜種の動きを見てのぅ。
今はウォーゲルグちゅう、中型の狼と竜種が戦っておってな。
岩壁を用いて、スーパーボールが跳ねるか如く、縦横無尽に動き回ってちょるわい。
突くちゅう、点を狙う遣り方じゃと、この場合には、のぅ。
じゃと言ってじゃな。
大剣鉈を振るうにゃあ、狭過ぎるでのぅ。
そうなれば、じゃ。
「今回は使う気が無かったのだがな。
首でも落とすかね」
そがぁなん言いなが、短槍を腰の鞘へ入れた後、刀を鞘からの。
ちなみに、短槍の鞘と刀の鞘は、同じモンじゃ。
両方が収まる形じゃてな。
こがぁな造りにするとじゃ。
普通なら鞘が保たん。
じゃが、プラティオンにて造られた鞘の耐久力は、半端ではないでな。
ちゅうか、壊せるもんなら、壊してみい、ちゅう位じゃ。
そがぁな鞘にて、槍と刀を換装したダリルさんなんじゃが。
「ふむ。
アヤツらの争いに、割って入るのも無粋ではある。
だが、この侭では、素材が傷んでしまうな。
致し方ない」
そがぁなん言っちょるんじゃが?
ギーゼットが、呆れたように、見ちょるぞい。
ちゅうか、ダリルさんや。
ココには、ラグラクスの素材を回収しに来たんじゃよな。
既にテンゾルやハーマットの素材にて、ギーゼットの収納袋は埋まっておる。
ダリルさんの背嚢も、ラグラクスの素材を回収したらのぅ。
そらぁ、隙間を埋めるように入れるコタぁできるじゃろ。
じゃが、全てを回収するコトは、のぅ。
ちゅうか、早速狩り始めちょるわい。
いやいや。
儂は、ダリルさんの速さに付いて行けるでな。
そん挙動を見るコトも可能じゃて。
じゃが、普通は無理じゃからの。
まぁ、沙織さんしか、対象は居らんのじゃが。
「ヒッ!
狼とトカゲの首が、イキナリ飛んでるぅ!?
鮮血が、吹き出して・・・」
あ、流石にショッキングじゃったかえ?
「キュー」ちゅうてな。
まぁ、現代人、それも都会のモンじゃと、慣れんけぇなぁ。
っか、儂も最初はの。
っか、儂ぁ、獣や鳥を捌くんもじゃが、達人さん方々の合戦をのぅ。
そがぁなんを、擬似経験じゃが体験しちょる訳じゃ。
ほじゃけぇ、こん位なれば、なんともないわい。
まぁ、衝撃を受けちょるんは、ギーゼットもじゃがな。
そりゃあ、イキナリ獲物の首が飛べば、のぅ。
コチラは、純粋に驚いた!ちゅうてな。
そらぁ、ダリルさんが狩ろうちゅうて、動き始めたのは知っちょる。
じゃが、姿が追えんとは、思っちょらんでな。
で、急に首がスポポーンちゅうてな。
そらぁ驚くわい!




