ダリルさんが、何かを察知したみたいですよ?
ダリルさんが、軽く警戒を。
いやはや、こがぁな場所で、かえ?
「何が入り込んだか?」
ふむ?
別に閉じられちょらん場所じゃでな。
生き物が巣穴にしても、おかしゅうは無かろうて。
ダリルさんが進むと、野鼠なんぞがの。
以前には入り込んじょらんかったハズじゃが?
『入り込んでも、何も無い場所ですから、居付かないでしょう。
まぁ、様子の分からない穴へ、無闇に入り込む生き物は居ないものです。
危険があるか分からない場所より、巣穴に適した場所は多いでしょうし』
はい?
いや、そん理屈なれば、なんで今更、生きモンが?
『おそらくですが、ダリル様が以前に入ったからかと。
っと言うか、野鼠のジェムを連れ込んだせいでしょう』
ん?
どう言う意味じゃ?
『まず、ダリル様とギーゼットのみならば、警戒して入るコトは無かったでしょう』
まぁ、相手の力量から考えると、妥当だわなぁ。
じゃが、ジェムが入り込んだんさじゃったら、儂でも大丈夫ちゅうてか?
じゃが、入り込んだちゅうんを、どがぁして知ったんかいな?
『当然、匂いですが?』
当然なんじゃ?
『逆に、何を頼りにすると?』
あー
確かに、そがぁ言われると、のぅ。
ダリルさんが、足跡なんぞを残すとは、の。
むろん、それはギーゼットもじゃがな。
視覚情報としたら、そん位じゃろて。
むろん、穴へ入り込むちゅうのを、見掛けるなんちゅうのも。
じゃが、明らかに上位存在じゃでな。
気配を感じたら逃げる、ちゅうんが、当たり前じゃ。
そうなると、視認できる場所に潜んで、ちゅうんは、のぅ。
なれば、視覚的に得られる情報なんぞ、限られようてな。
そがぁな痕跡を、ダリルさんやギーゼットが残すハズがないわいな。
むろん、視認できん距離じゃと、音での判断なんぞものぅ。
じゃが、匂いちゅうんはじゃ。
その場から去った後も残るでのぅ。
入る時は、匂いが散らんように風繭にて制御しちょった。
ジェムも風繭にて浮かせ、籠ん中のカナリア扱いじゃったでのぅ。
匂いは散らんはな。
じゃが、帰りは違うでな。
ちゅうか、ジェムは風繭から放たれた後、アチコチをウロチョロしちょった。
換気なんかは知らんが、施設からは緩やかに空気が外へとの。
コレにジェムの匂いが混ざったんじゃろか?
そう考えるなれば、野鼠が入り込んじょるんものぅ。
で、野鼠が入り込むちゅうなれば、じゃ。
当然、それを捕食するヤツらも、じゃな。
じゃがのぅ。
どうやら、ダリルさんが察知したんは、そごぁなんじゃないみたいでな。
「チッ。
野鼠てぇのは、本当に厄介だな。
ジェムが、ヤラかしたのだ。
同族が、ヤラかさぬハズも無いか」
そがぁに、のぅ。
ジェムのヤラかし。
それは、コールドスリープ装置にてスリープ状態じゃった、ラグラクスを起こしてしもうたコトじゃろて。
ちゅうコトは、じゃな。
おおぅ。
ヤハリかぇ。
竜種ちゅうんか。
ラグラクスみとうに、デカい輩ではない。
ちゅうても、一般男性レベルの背丈はの。
170〜180程度じゃろか?
小柄な方からしたら、さぞデカいじゃろて。
そがぁな体高を誇るトカゲ。
二足歩行の、じゃな。
エメラルドグリーンな鱗は、ダリルさんが明かりとして放っちょる火炎に照らされ、テラテラと。
薄暗いけぇか分からんが、下手な宝石より綺麗なんじゃなかろうか。
それが七匹。
足はブッ太いが、前足は細いちゅうか、小さいの。
機能しちょるんかえ?
頭部には鶏冠。
いや、モヒカンみとうなんが、三つ。
頭頂部のデカいヤツの左右へ、ちと小さい鶏冠が、のぅ。
これ、頭から首筋を通り背中へと。
尻尾まで伸びちょるわい。
こん鶏冠?なんじゃがな。
これもエメラルドグリーンでなぁ。
ちゅうか、エッ?
あん鶏冠ちゅうんか?
中央と左右なんぞの間、谷間ちゅうたら良いんかの。
なんか、不自然に風が。
まさか、晶石を操るんけぇ!?




