巨大剣鉈では吹き飛ぶでな。短槍なれば、どうじゃろか?
ジェミアさんに褒められて。
『褒めておりません!』
っと、ダリルさん?
イキナリ風繭を解いて、どがぁした?
「ふぅ、ギーゼットよ。
俺を見失うとは、嘆かわしい。
微電流を適切に扱えれば、見失うコトなどあるまい。
精進が必要だな」
そがぁなコトを。
ギーゼットが、無茶言うなやぁ!ちゅう顔に。
ほんに分かり易いのっ!
しかし、グルガムスちゅうんは頭も良いが、感情豊かじゃて。
しかも表情も豊かじゃでな。
『アレは特に、ギーゼットさんだからでは?
他の個体も同様とは、思えませんが』
ほうなんけ?
『過去情報をアーカイブにて調べた限りでは、ですが』
で、そがなん告げた後、再び風繭を展開しちょるわい。
儂んなら見失わんが、矢張りギーゼットは見失のうちょるな。
ま、無理もなかろうて。
何せ微電流感知でしか察知不可能じゃ。
しかも、カナリの精度がの。
たぶん、じゃがな。
『なぜに、多分、なのです?』
いやの。
ギーゼットの微電流探知も、なかなかの精度じゃあ思うんじゃよ。
それで感知できちょらんでな。
結構な精度が必要じゃとな。
じゃが、儂ぁそがぁに意識しちょらんでなぁ。
普通に微電流にて、察知しちょるだけじゃで。
ちゅうか、息するレベルで自然に使うちょる。
ほじゃけぇ、そがぁに難しい?ちゅう感じでなぁ。
『まぁ、マスターの規格外は、今に始まったコトではありませんので』
何気にデスられちょらんかぇ!?
『気のせいでは?』
ほうかのぅ?
ん?
っか、コワっ!
アチラ側は昼間じゃで、闇に紛れて、ちゅんとは違う。
じゃが、姿が見えんちゅうんは、同じじゃろうて。
ハーマットは巨大で、毛むくじゃらな、白毛猿じゃ。
いや、類人猿ちゅうか、イェティー的な?
むしろ、原始人に近いやもな。
そがな人型猿ん胸と喉に突起が!?
いや、ダリルさんが、背後から突いたんじゃがな。
儂は観えちょったが、いくら輪郭線が付いておる、ちゅうてものぅ。
いや、逆に、輪郭線だけじゃで、あん速さで動かれたら。
「な、なにが、起こったんです?」
ま、そうなるわな。
沙織さんが戸惑っちょるでな。
ダリルさんが、風繭にて気配ちゅうか、存在消して、ハーマットへ近付いての。
背後から、ブスリ、じゃて。
ありゃ、避けれんわな。
ちゅうか、防御云々以前の問題じゃて。
まったく相手を認識できんのじゃったら、なんも出来んでのぅ。
現にハーマットは、何が起きたか分からず、胸と喉の違和感に、首を捻っちょる。
いやぁ、余りにも見事な一撃ゆえ、痛みも感じちょらんみたいじゃ。
キョトンちゅう感じでの。
胸と喉へ刺された槍の穂先を触っちょるで。
で、そん槍から内臓と脳へ、高圧電流がの。
皮へ流れん様に、内側だけコンガリじゃて。
グルンちゅう感じで目がの。
白目んなったハーマットが。
絶命して倒れるんを、ダリルさんがな。
槍を抜いたんじゃが、血は余り出ちょらん。
まぁ、内部は、綺麗に焼けちょるんでのぅ。
アレでは、血は噴出さんじゃろうて。
「ふむ。
ハーマットの肉は、臭くて食えたモノではない。
内臓系にも薬効はないからな。
だが、この白銀たる毛皮には、需要がある。
ゆえに、傷を余り付けずに狩りたいものだ。
その点、この槍は、良い仕事をしてくれた。
うむ、良い品だ」
いやいや、ダリルさん?
アータみたいな、必○仕○人みとうな真似できるモン、他には居らんでな。
『?
マスターなら、出来ますよね?』
だぁーらぁ!
儂ぁ狩りなんぞせんわい!
ちゅうか、戦いなんぞ、ゴメンじゃでな。
儂は普通の一般人じゃて。
『普通?ですか?』
「多羅さん?」
なんじゃ?
「無理があるかと」
いや、沙織さん、酷くね?
まぁ、儂が一般人じゃあ、ちゅう議論は、置いといてじゃ。
ハーマットの解体ちゅうんは、なかなかにの。
人型じゃでな。
で、ギーゼットが遅れて辿り着いたんじゃが。
コンガリ焼けた肉を、美味そうに食っておるな。
ダリルさんが、香草や香辛料なんぞで、軽く味を付けておる。
ほじゃけぇ、さらに食い付きがの。
ギーゼット、大満足、じゃてな。




