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試し斬りちゅう狩り?いや、蹂躙さじゃな。

真っ二つになった硬皮以外が、バラバラんなって吹き飛んで行く。

行く?


おや?

一定距離にて、壁んでも当たったが如く落ちちょるんじゃが。


おぅ。

ありゃあ、風繭の壁かえ。

ちゅうか、こん一帯を、風繭で包んじょるんじゃがな。

いつの間に?


「ふむ。

 俺の全力となる一振りに耐えるか。

 セーブせずに振っても、武器が壊れぬのは良いな。

 だが、使い所を考えんと、素材が台無しか。


 まぁ、テンゾルの肉は、食えたモノではない。

 硬皮以外の皮は、取れる範囲が限られておるし、少々脆く扱いに困る品だ。

 破棄する場所ゆえ、問題はないか。


 爪と牙は無事だな。

 硬皮と爪に牙。

 コレらを得られたなれば、上出来であろうよ」


そがぁなコトをの。

しかし、ダリルさんが不味いちゅう肉とは、のぅ。


『テンゾルは背中側の硬皮を、食した鉱粉などにて強化さはております。

 それは硬皮以外にも巡り蓄積されるのです。

 その関係上、金属臭く、ジャリジャリとした物が混ざった肉となりますね』


うわー

そりゃあ、食いとう無いわい!


ほじゃけぇ、破棄扱いなんじゃのぅ。

流石にマル芋粉を溶いた湯でも、金属は取り除けんじゃろて。


ダリルさんが、テンゾル素材を回収しちょる。

っか、硬皮を持ち易いように切り刻んじょるんじゃがな。

ありぁ、良いんけぇ?


『良いのか?っとは?』


いやいや。

硬皮ちゅう形を利用したり、じゃな。

鎧や盾なんぞの素材に、ならんのけぇ?


『なりませんね』


なしてじゃ?


『金属の含有量が高いため、加工が難しいのです。

 無理して加工するくらいならば、溶かしてインゴット化した後で、武具へ形成した方が良いでしょう』


ほーん。

なるほど、のぅ。


じゃが、そがぁに多くの金属を含んじょらんじゃろ?

わざに狩って、硬皮から金属抽出するほどけぇ?


『ほど、ですねぇ』

ほど、なんけぇ?


『はい。

 テンゾル由来の金属なのですが、様々な金属が混ざり合った合金となります。

 しかも、攻撃にも防御にも使用するためか、硬度もですが、靱性も高いのです。


 しかも、個体個体により、得られる合金は異なります。

 それぞれの適正を見極め、適切な武具を造るのは、鍛治師しだいとなりますね』


それ、ハゲルさんにぁ、良い土産じゃの。


『そうですね。

 非常に、喜ばれるでしょう』


そがぁなコト話しちょったらの。


「ふむ。

 流石はプラティオン製だな。

 刃毀れ一つないか。


 しかし、このテンゾルの硬皮は、質が良い。

 コレを斬り、刃毀れ一つなしか。

 しかも、俺が全力で斬ったにも関わらず、全く不具合も出ておらんな」


斬った巨大剣鉈を確認しちょるな。


「しかし、中層クラスでは、尤も高い硬度を誇る硬皮を持つテンゾルが、この有様か。

 コヤツの試し斬りには、ココは適しておらんな」


そう告げ、剣鉈を背の背嚢へと。

背嚢のフックへ引っ掛け吊るすと、両腰へ履いていた短槍を引き抜く。


ちなみに、刀みとうなヤツも、両腰にの。

コチラは切れ味特化じゃて。


まぁ、半ば試しにて造った品みたいでのぅ。

今のトコロは使う気はないらしいぞぃ。


左右にプラティオン製の短槍を携え、辺りを睥睨しちょる。


「チッ!

 テンゾルを狩る際に、気配を出し過ぎたか。

 辺りから獲物の気配が消えておる」


まぁ、あがぁな殺気を放てば、のぅ。

そらぁ、脱兎の如く、じゃてな。


じゃが、のぅ。


「まぁ、昔なれば、探るのが困難であったであろう。

 だが、微電流放出にて、辺りを探索できるようになったでな。


 本当に、この探知は便利だな。

 遠方であろうと、近場の如く分かる。


 ふむ?

 ハーマットの群れか。

 群れを狩っても、後が困るか。

 この辺りへの影響も考えねばな。


 ん?

 群れから離れた場所にハーマット?


 ふむ。

 若い個体だが、ボスクラスではあるな。

 ボスより強いが、群へ近付くか。


 っとなれば、独り立ちにて群れから追われ、彷徨った後で群へ帰って来た個体だな。

 ボスへ挑み、群れを乗っ取るタイプだろう。


 うむ。

 コヤツなれば、狩り甲斐があろうて」


おおぅ。

ダリルさんに、目を。

なぁ〜むぅ。

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