ハゲルさんに異常!?ロゼッタ嬢が、心配しちょるでな。
上着を脱ぎ、上半身が裸になったハゲルさんの背中。
心臓の後ちゅうたら良いじゃろか?
ソコへ手を当てるダリルさんなんじゃがな。
なんか難しい顔しちょるのぅ。
どがぁしたんじゃろかい?
ソレはロゼッタ嬢も感じたようでな。
「どうしたんだい?
なんか、不味いのさね?」っと、不安そうにの。
「いや、不味いコトはない。
病気や怪我などでは、無いのでな。
ただなぁ」
「ただ、なんさね?」
「いやな。
雷晶石?なのか?
えらく小さなヤツがな。
ココまで小さかったら使えんだろう。
それに、雷晶石が体調に問題を及ぼすならば、俺たちにも影響が出ていよう。
そう考えると、問題ない、っと言えば、問題あるまい」
「ん?
なら、なんで悩んでんのさね?」
ロゼッタ嬢が不思議そうにの。
したらな。
「いや、この雷晶石が、いつから存在したのか、が、気になってな。
生まれた時からなのか、途中から発生したのか、だ」
ダリルさんが、そがぁなコトをの。
それを聞いたロゼッタ嬢が、訳分からんちゅう感じでな。
「それの、ドコが問題なんさね?」
ちゅうて、首を捻っちょる。
「うむ。
いつ出来たか、の、何が問題か、なのだがな。
コレが最近であり、俺の料理を食べ始めたから、だと、したら?
素養の無い者も、放術師になる可能性が。
そう考えたのだが。
コレは、ちと、問題にならんかね?」
ダリルさんが、そがぁ風にの。
いやいや。
そがぁなん有り得るんかいな。
『可能性としてならば、有るかと』
はい?
マジで?
『はい。
動植物が晶石を内包するのです。
人が晶石を得ないコトは無いかと』
いや、そん理屈なればじゃ。
なんで放術師や付与師の数が少ないのじゃ?
『まず考えられるのは、森外には人造種末裔が少ないせいかと』
はい?
何の関係が?
『人の世は、人造種やその末裔を排除しております。
己と異なるコトを嫌う、人の性なのでしょう。
ですが、自然界では、その様なコトは関係ありません。
ゆえに改良種の末裔が広まっております』
言い方を変えたら、改造種が蔓延っちょる、ちゅうヤツじゃな。
『そうとも言えますね。
さらに人の理性と言うか思考が、晶石を扱うには枷となっております』
はい?
意味が分からんのじゃが?
『だから、自分が晶石を扱える。
そう考えないのです。
晶石が使えないのが、当たり前。
その様に考えているため、晶石自体を認識できません』
なんとのぅ。
なれば、自分が放術師じゃ!ちゅう風に思うておったら、扱えるんかい?
『素養があれば、ですね。
そもそも、人造種末裔でなければ不可能です。
人造種末裔であっても、晶石を取り込み蓄積し易いタイプでなければ不可能でしょう』
ああ、ハゲルさんは、そっちかぇ?
ん?
なれば、晶石が体内へ現れんのじゃ?
『そうなのですが、以前には晶石は無かったかと』
はい?
どがぁして、そがなコトが分かるんなら?
『お忘れですか?
以前にロゼッタ嬢を探られた時、違和感としてですが、コチラを察知されたコトを』
ん?
んんん?
あっ!
確かに、そがぁなコトあったわい。
確か、そん時に、ハゲルさんが、意外にモテるちゅうての。
そん儂の思考を察知したんか、焦ってハゲルさんに告白しちょったのぅ。
うん。
恋のキューピット的な、良い思い出じゃで。
『いや。
そのですね』
なんじゃ?
『マスターが、キューピットですか?
少々、なんと言うか』
「確かに、気持ち悪いですね!」
酷いのっ!?
ふむ。
じゃが、冷静に考えると、確かに、の。
そがぁなコトよりもじゃ。
「ダリルの料理食べて、放術師かい?
じゃ、アタイも?」
「いや。
端から晶石が無かったなれば、その大きさに結晶化しまい。
だが、ふむ。
おそらくだが、俺、カリン、ハゲル、ロゼッタ、ファマルは、いにしえの人造種末裔だろう」
「?
人造種?末裔?
なんさね、それ?」
ふむ。
森外では、人造種のコト自体が、伝わっちょらんみたいじゃて。




