どうやらロゼッタ嬢には、晶石を操る素養がの。ん?ハゲルさんを?
「ほぅ。
ロゼッタが放術を、か、ぬぇい?
そらぁ、鍛治に生かせそうじゃぬぇいけぇ?」
ハゲルさんが、興味深げに。
「火晶石や風晶石を扱えるなれば、火力を制御できよう。
まぁ、慣れは必要だろうがな。
流石に付与が可能かは分からん。
だが、付与も可能なれば、雷晶石にて状態が知れよう。
なれば、火力制御だけでなく、素材の状態を知りつつ鍛治もな」
そがぁ風にダリルさんが告げるとの。
「そいつぁ、便利だぬぇい。
ついでに水晶石で水桶へ水を出せんだろい?」
「うむ。
ソチラは考えとらんかったが、確かにな。
水と言わずに、薬液や油。
いや、薬油なども出せるか。
あらかじめ作って晶石付与しておけば、必要な分を取り出せるな。
しかも付与した時の温度を保っておる。
ゆえに、適した温度で出せるぞ」
「そいっあ、便利だぬぇい。
カァっ!
晶石てぇんのをよぅい。
扱える才能てぇんけぇ?
ソレが有るてぇのは、羨ましいぬぇい」
ハゲルさんが、染み染みと。
まぁ、普通は晶石を操る才能は、のぅ。
なかなかに稀有じゃけぇ、流石にのぅ。
「ふむ?
コレばかりは才能ゆえ、扱えぬでも仕方ない。
だが、扱えるかどうか位は調べておくかね?」
そうダリルさんが、ハゲルさんへと。
「はぁ?
いや、しなくてもよぅい。
俺ぁ、そんな才能は、ぬぇい」
ハゲルさんが告げるとじゃ。
「なんさね?
物は試しだからさ、試すだけ、試しても良いわさ」
いやいや、ロゼッタ嬢?
アンタ、自分の雷晶石にて悲鳴上げたんを、単に他人にも、ちゅうヤツちゃうんけぇ?
自分だけは、納得できん、ちゅうてか?
「物は試しけぇ?
まぁ、試すぐれぇはよぅい」
そう了承したので、ダリルさんがハゲルさんの背後から。
「ぬっ!?
コレは?
ハゲル、悪いが上着を脱いで貰えんかね?」
はい?
どがぁしたんじゃろか?
「ぬぁんでい、藪から棒にぃよぅい?」
訝しげに尋ねちょるな。
「いやな。
普通の放術師は、肌に直接触れねば確認できんのだ。
俺は付与を行えるようになったでな。
ゆえに雷晶石の扱いに長けたようでな。
ゆえに、衣服の上からでも検査可能な訳だが、どうもハゲルの場合は特殊でな。
なので、直接肌に触れて確認したい」
いや、それって、ハゲルさんの体内に異常が?
いやいや、最近、儂が記憶を覗くさいに体内精査しちょるんじゃがのぅ。
あん時は、悪性ポリープが見付かったけぇ、録画じゃのぅて、リアルタイム映像にて干渉し、ポリープを取り除いちょる。
アレから然程、時が経っちょらんでな。
そん間に病魔へ犯さた、とは、のぅ。
「ぬぅ?
なんか、身体に異常でも有ったんけぇ?」
ハゲルさんが尋ねると。
「ちょいと!
大丈夫なのかい!?」
ロゼッタ嬢が心配そうに。
「いやいや。
別に異常を検知した訳ではない。
ただ、晶石らしき痕跡がな。
まぁ、定かではなくてなぁ」
こがぁに歯切れが悪いダリルさんは、珍しいのぅ。
「なんさね?
ハッキリしないねぇ」
そう告げると。
「そう、ハッキリせんのだよ。
なんか淡い反応が有るのだが、ハッキリせん。
それも衣服越しだと、ボヤけた感じにな」
「ああ、だから衣服を?」
「そう言うコトだ」
ロゼッタ嬢とダリルさんの遣り取りを聞いたハゲルさんがの。
「ふぅい。
まぁ、仕方ぬぇいぬぇい。
ま、鍛冶場じゃ、上半身裸なんてぇのは、珍しくもぬぇいかんなぁ」
そがぁに告げて衣服をの。
まぁ、金属を打っちょる時は服を着ちょる。
散った火花なんぞが、直接肌に当たると危ないでな。
じゃが、体を冷やす際に上着を脱ぎ捨て、汲み置きの水を頭から被っちょるでな。
鍛冶場ん中の熱で、ぬるま湯みとうになった水を被り、一休み、ちゅうヤツじゃて。
ズボンはダボダボなヤツで渇き易い素材じゃけぇ、休んじょる間に乾くでな。
ただ、長袖の上着は耐熱素材なんじゃが、水を含むと、なかなか乾かんのじゃ。
こん濡れた上着を着て鍛治するとな、含まれた水が熱を持つけぇ危ないんじゃよ。
ゆえに、水を被る際は、上半身裸じゃて。




