ふむ、作業は終わったようじゃな。今から昼かえ?
ビックリ事実に仰天はしたが、実際には次元エネルギーなんぞを操ったりはできんでな。
しかし、プラティオンを加工できるのは、あん世界ではダリルさんだけじゃ、ちゅうコトじゃな。
そうなるとじゃ。
あん武器の希少性ちゅうんが、跳ね上がらんかえ?
『知られたら、そうなるでしょうね。
まぁ、午前中だけで、あの数を仕上げています。
ゆえに、ある程度の数を量産するコトも可能でしょう』
いやいや。
ダリルさんは、自分が狩人ちゅうんを固持するじゃろうからの。
売り物として、プラティオン製武器を造らんじゃろうて。
しかし、チトばかし昼を回っておるの。
何時もなれば、昼食を終えちょる頃じゃろか?
ちゅうても、シムエル嬢は買い付けと卸しの交渉に出向いており居らん。
ファマル嬢とガンレート嬢は、シムエル嬢の護衛として同行じゃな。
カリンちゃんは、木彫りの彫刻に没頭しちょるでな。
昼を回ったコトに気付いちょらんみたいじゃて。
カリンちゃんは没頭しちょるが、モデルのポックルは飽きて寝ておるわい。
ギーゼットも欠伸一つで、ウツラウツラじゃな。
ジェムだけが、室内をチョロチョロしちょるよ。
ほんで、ダリルさんが昼飯を作るために、鍛冶場から厨房へと。
シムエル達三人は、領都にて食べて来るみたいじゃでな。
まぁ、昼の2時近くじゃで、お三方は既に食べ終えちょるじゃろう。
で、時刻も時刻じゃでなぁ。
「今から凝った物を作ると、晩近くになるか。
仕方ない。
昼は簡単に済ませよう」
ダリルさんが、ぞがぁなコトをの。
で、棚から何やら取り出しちょるんじゃが。
ありゃあ、乾麺かえ?
平パスタのフットチーネちゅうんに似とるのぅ。
そん乾麺をば、マル芋粉を溶かしたマル芋湯にて湯掻いておる。
まぁ、乾麺を湯掻く前に、食材を湯通ししちょるがな。
灰汁抜きが、アレでできるでのぅ。
実に便利じゃて。
じゃが、灰汁も抜けるが、旨みも多少は湯へのぅ。
ま、こればかりは、仕方あるまいて。
そんでもの。
旨みが素材に凝縮される感じになるでなぁ。
少々、旨みが抜けても問題はあるまいて。
ちゅうかじゃ。
抜けた旨みちゅうんが、湯へ溶け出しちょるちゅうコトはじゃ。
そん旨みが、水分が抜けた乾麺へ、戻しと共に染み込むちゅうコトでな。
微塵切りの肉と様々な野菜と香草の微塵切り。
香味野菜やニンニクや生姜にトウガラシに類するモンを、低音油にてジックリと炒め、香りと味を油へと。
こん油へ微塵切りにしたモンを投入し、炒めて行くんじゃがの。
追加でトマトみたいなんを微塵切りにして、さらに炒め、フィットチーネみたいなパスタを、のぅ。
フィットチーネ?
あ、いや、ちゃうぞぃ、コレ。
まさか、刀削麺かい!
最近古い漫画がアニメになってのぅ。
儂ぁ、リアル漫画掲載時からのファンじゃったんじゃがな。
あん漫画にて初めて知った料理じゃてな。
引越しの際に、全巻売ってしもうたで、手元にコミックはないが、色々と斬新な料理が出ておったわい。
そん刀削麺と思われる麺を、乾麺にしちょるようなんじゃがな。
ハテ?
こん世界に、刀削麺なんぞ、存在したかえ?
『いえ。
麺じたいがマイナーであるため、麺と言う料理自体が普及されておりません。
その麺自体も、蕎麦打ちみたいに伸ばし広げた生地を畳み、それを端から切る方法しか普及していない状態ですね』
ん?
前にダリルさんが、拉麺を作っちょらんかったかぇ?
ほれ、両端を持って引き延ばすヤツじゃ。
『そうですね。
完全なダリル様のオリジナルですが。
ふむ。
もしやしたら、マスター経由にてイメージを得たのやもしれませんね。
何も無い状態にて、イキナリ思い付くモノとも、思えませんので』
!?
どんだけ、覗かれちょんなら!
『まぁ、意識してではなく、夢を介して垣間見る程度かと』
ううむぅ。
深淵を覗いちょるモンは、深淵から、覗かれちょる、っう訳かぇ?
怖いわっ!




