あや、いつの間にか、ハゲルさん達も鍛錬に参加しちょるわい。
さて、今回は映像を止めちょらんかったでな。
ダリルさんの鍛錬は続いちょった訳じゃて。
ソコへ、ハゲルさんやロゼッタ嬢に、ファマル嬢とガンレート嬢も加わっちょるわい。
ハゲルさんとロゼッタ嬢は、何とかダリルさんの稽古へ付いて行けちょるの。
じゃが、ファマル嬢は、なかなかに厳しいようじゃて。
さらにガンレート嬢じゃと、途中でヘバってしもうとる。
シムエル嬢は、端から参加しちょらん。
ガンレート嬢の介抱をしちょるの。
まぁ、彼女は武人でも、狩人でもないでな。
事務会計の職員に、現場働きを強要するようなモンじゃて。
実際に事務会計周りは、彼女が行なっておるでなぁ。
ハゲルさんとロゼッタ嬢は、完全に職人じゃてな。
じゃけぇ、交渉事や、折衝に調整事に長けちょる訳ではないんじゃ。
ゆえに、侯爵家との遣り取りにて、結構な中抜きが、の。
コレに気付いたシムエル嬢が、侯爵家と折衝しつつ改善を。
中には侯爵家に納めずに横流しなんぞもの。
まぁ、摘発されて捕まっちょるんじゃが。
いやぁ。
ハゲルさん、ちゅう鍛治師を甘く見て、そがぁなんしたみたいなんじゃがな。
コレ、ハゲルさんに対する犯罪じゃないんじゃよ。
侯爵家との仲介にて行なっちょるでな。
そう。
侯爵家、つまりは、貴族に対して罪を犯した訳じゃて。
カナリなアホウじゃったみたいでな、そんコトに気付いて無かったみたいなんじゃ。
で、捕まった訳なんじゃがな。
ハゲルさんに対する罪じゃったら、家財没収の上で鉱山奴隷辺りじゃろう。
じゃが、貴族相手となるでなぁ。
簀巻きにされ、転がされた状態にて、馬に繋がれつつ、侯爵領都まで、引き摺り回されちょる。
さらに、侯爵家の領都でも、顔を晒すような感じにて、引き摺り回されたりの。
よう、市中引き回しの上ちゅう言葉があるがの。
ありゃあ、罪人を馬に乗せてな。
町中を連行し、一般の人々に罪状を見せしめにしちょんじゃよ。
じゃけぇ、物理的に引き摺り回しちょる訳ではないんじゃ。
じゃが、コチラはマジで地面に転がして引き摺り回しちょるでな。
まぁ、要所要所では、役人が髪を掴んで顔を上げさせ、辺りへ顔を晒させちょるがな。
ほんでな、そン上で十日ほど、領都広場に晒され、領都民に石を投げられ続ける、ちゅうコトもじゃ。
終いには、冷めた油に入れられ、徐々に熱せられる油にての。
十日間、死なぬ様に手当され、飯も残飯みたいな酷い味じゃが、食わされてな。
そん最後が、コレじゃて。
ちなみに、ヤツの一族郎党全員が、犯罪奴隷として鉱山行きじゃてな。
ハゲルさんへの罪なれば、犯罪者の家族として後ろ指を指されるじゃろうが、普通に生活できたであろうよ。
じゃが、貴族。
しかも、侯爵ちゅう大貴族に対する犯罪じゃて。
タダでは済まんちゅうコトが、分からんかったんかのぅ。
バカなヤツじゃて。
何せ貴族ちゅうんは、面子を大事にするでな。
そん面子を潰した感じじゃて。
そらぁ、報復が過激になるのも、仕方あるまいて。
ま、そがぁなコトがあったけぇ、誰もハゲルさんとの仲介をせんようにの。
代わりにシムエル嬢が取り仕切っちょるんじゃが。
ちゅうのも、の。
ココん領主に潰された商会ちゅうても、シムエル嬢の実家たる商会は、なかなかに規模がデカかったんじゃよ。
娘の一人たるシムエル嬢が、侯爵家のご令嬢と面識がある位にはのぅ。
さらには、その、ご令嬢の御母堂や姉妹ともの。
その伝手にて、シムエル嬢が侯爵家との渡りを付け、交渉ごとにへと。
で、中抜きや横流しに会計改ざん、なんてのを行なっちょった事実が発覚したりのぅ。
むろん、シムエル嬢が直接出向く訳では無い。
侯爵家から文官が兵を伴い現れるでな。
その者と調整しちょる訳じゃ。
それ以外にも、領都にて折衝する際は、ガンレート嬢とファマル嬢を護衛に出向いたりもの。
物を買い付けるにしても、足元を見られちょったようでなぁ。
シムエル嬢が来てからと言うもの、ハゲル屋敷の財政は上向いておるんじゃ。
とは言え、領主一味からは、いまだに狙われておるで、そう頻繁に買い付けにも行けんが。
とは言え、明確に侯爵家の後ろ盾を得ちょる存在じゃ。
そがぁな彼女らに手を出したら、領主どころか、領主の実家までマズいコトになるじゃろうて。
まぁ、深層狩人たるダリルさんもバックにおるでな。
っか、そのせいで内偵が進み、実家共々取り潰されるのは、そう先の話しではあるまいて。




