出掛けたエピソードを語りましょうわい。
「話しが進まん。
続けるぞ」
「あ、済みません。
ん?
コレって、私が悪いのぉ!」
「まぁ、まぁ。
で、ダリル様、お続きを」
騒ぐファマル嬢をシムエル嬢が抑えておるわい。
「うむ。
まぁ、なんだ。
商隊を避け、宙へ退避したコトで宙を走れるコトに気付いてな。
その侭、風道を伸ばし鉱山へ向かったのだよ。
理屈は分からんが、風繭を纏いて風道を走れば、下道を行くより速く走れてな。
一瞬の内に山へと着いたぞ」
そうダリルさんが告げるとの。
「ありゃあ、参ったずぇい。
点の様に遠方に見えてた山がよぅい。
ミルミル間に迫って来やがんでぇい。
いや、よぅい。
迫るてぇか、山がコチラへ飛んで来るみてぇに見えてなぁ。
迫力満点過ぎからよぅい。
まさしく、肝冷やしたずぇい」
ハゲルさんが思い出したのか、軽く冷や汗掻いちょるわい。
「ふぅ〜ん。
そんなんなってたんだねぇ」
ロゼッタ嬢が思わず。
したらの。
「あれ?
姐さんも、乗ってたんですよね?」
ファマル嬢が不思議そうに。
「あ、あぁ、そ、そうさねぇ」
バツが悪そうに。
「ん?
ロゼッタは商隊にブツかりそうになって、空走り始めた頃から気絶してたかんよぅい。
なかなか可愛いかったぜぇい」
シレっと告げちょるんじゃがな。
「アンタ!」
ほれ、怒られた。
まぁ、可愛いちゅわれて、まんざらでも無いみたいじゃがの。
「まぁ、山へ着いたら、ゲスな役人に絡まれたり、フォアハンド・レッドグリズリーに絡まれたりな。
共に屠ったが、まぁ、良かろう」
「いやいや。
サラリと流さないでぇ〜
フォアハンド・レッドグリズリーって、町くらいなら、軽く壊滅させるヤツだよね?
そんな軽々と」
ファマル嬢が思わず告げるとの。
「ファマルよぅい。
ダリルと初めて会った時、コイツぁ鎧熊を皮革屋へ持ち込んでんだぜぇい?
遥か上位種てぇヤツだぬぇい。
そんなダリルが、遅れを取るハズがなかろうよぅい。
っか、素材を傷付けないように、素早く目を射抜いて射ち殺してからなぁ。
まったく相手になってぬぇいぜぇい」
「あの程度を狩れずに、森で狩人などできん。
浅層狩人でも狩れるレベルゆえな」
「どんだけ、人外魔鏡なのよっ!」
思わずファマル嬢が突っ込むが。
「人外魔鏡、なの、か?
ふむ?」
首を傾げておるな。
その後も、商隊との出会いと、少女リコを送って行った話しなどを。
「あっ!
それで、今日の菓子は、味が違うんだね!」
カリンちゃんが嬉しそうに。
「そう言うコトだ。
仕入れた品を使って作ったのでな。
味わいが違うだろう。
森から採取した品の方が品種も品質も上ではある。
だが、質が安定せんのだ。
だが、栽培管理された品は一定品質が保たれておる。
ゆえに、安定した食べ易い品になる訳だな。
普段使いには、コチラの方が扱い易いと言えよう」
「そうなんだね。
オイラ、どっちも好きだけどさ。
コッチの方が気楽に食べれる感じだね」
美味しそうに食べちょるわい。
では、ちょいと。
『あ、マスター!
またぁ、まったく』
「まぁ、まぁ。
ですが、確かに素朴で食べ易いですね。
コレ、リアルだったらツイツイ食べ過ぎて太るヤツです」
なんか沙織さんが戦慄しちょるんじゃが?
あがぁにスタイルがエえのに、そがぁに気になるんじゃろか?
ん?
「で、コレから、どうするんです?」
ファマル嬢が三人に。
それへハゲルさんが。
「どう、ってぇ言われてもよぅい。
明日から普通に鍛治だぬぇい。
特にダリルの武具を打たにゃ、ぬぁんぬぇい、かんよぅい」
「そうだな。
以前は藪漕ぎも兼ねておった。
ゆえに、剣鉈としておった訳だ。
だが、コチラで動くなれば、剣鉈より刺突も行える方が良かろうか?」
「そうさね。
それも良いやもしれないわさ。
けど、ダリルの場合は、峰での打撃も多様してんだろ?
そうなると、剣鉈の形状は妥当さね」
ロゼッタ嬢が指摘し、鍛治談義へと。
こうなると、三人以外は付いて行けんようでな。
呆れたように離れて行ったわい。
じゃが、なかなかなに興味深いわい!




