茶店側も面白かったがの、さて、ダリルさんの方は、どがぁなっちょるかいな?
茶店の騒ぎが面白過ぎたけぇ、そっちを見ちょったんじゃがな。
ダリルさんの方は皮革屋へ行っちょるわい。
まぁ、相手が会いたいちゅうとるけぇ、行った感じじゃの。
ちゅうても、剥製が売れた分前を受け取っただけじゃ。
大したコトはの。
ま、空からダリルさん達が降りて来たけぇ、な。
ソレについては騒ぎになっちょったが。
まぁ、大して面白い話しも無いけぇ、割愛かの。
で、夕方前には、屋敷への。
居間ではファイル嬢達が、今晩の食事について話しちょるトコじゃった。
「だからさぁ。
晩御飯、どーすんのよ?
私は無理だけどね。
いや、作っても良いよ?」
「いや、ファマルの料理は、ちょっとな。
豪快と言えば聞こえは良いが、塩とハーブを適度に塗して焼いただけだからな」
ガンレート嬢が苦い顔で。
「いやいや。
その焼く自体が出来ないアンタに言われたくないわさ。
なんで焼く肉が全て炭になるかなぁ」
困ったように。
それへガンレート嬢がの。
「いや、料理は余りしたコトがなぁ」
などと。
そんな二人を、素知らぬ顔で眺めながら、茶を啜るシムエル嬢。
まぁ、商家のお嬢様であり、商才全振りな彼女が、調理などできるハズもないのだが。
リコ嬢とは、エライ違いである。
「スープは作ったけど?」
カリンが口を挟むのだが。
「いや、具なしのスープだけを夕食には、なぁ」
ガッツリ食べたい派のファマルは、不満気である。
そんなコトを話している彼女達の元へ、ダリルさんがご帰還となる訳で。
「ただいま。
っと言うか、お前達なぁ。
料理をマトモに出来るヤツが居らんとは、大丈夫か?
俺は何時かは森へ帰る。
何時までも一緒に居る訳ではないのだが?」
呆れたように。
そんなダリルへファマル嬢がの。
「あれ?
鉱山へ行くって、言ってなかったけ?」
不思議そうにの。
まぁ、そうなるわな。
鉱山まで、片道で三日。
往復で六日は掛かるでのぅ。
今朝方に出発したダリルさんが、こん時間帯に居れば、そうなるじゃろうて。
「ん?
鉱山へは行って来たぞ。
インゴットも仕入れて来た。
ハゲル達が、仕入れた品を整理しとるトコだ。
俺は夕食の支度を行うのでな。
後を任せて、コチラへ来た訳だ」
するとの。
「ヤッタぁー!
ダリル兄ィの料理だぁ!!」
カリンちゃんがハシャいでおるわい。
「ふむ?
カリンは、俺と同じコトが出来よう。
教えるから、チト調理してみるか?」
そがぁ風に尋ねるとの。
「うん!
教えてよっ!
ダリル兄ィが居ない時、マトモな料理が食べれないからさ!」
今回のコトで、カナリの危機感を覚えたようじゃな。
ハッキリ言って、ハゲルさんとロゼッタ嬢が、一番料理が作れるでな。
その二人も、お察しなレベルじゃて。
ゆえに以前は、外食がメインじゃったりの。
そんな通っておった店じゃが、当然ながらダリルさんの作る飯と比べたら、のぅ。
いや、当時は美味い!ちゅうて、通っておったんじゃぞ。
じゃがな。
ダリル飯と比べたら、のぅ。
今回のコトで、最近は当たり前に食っておったダリル飯が、ダリル不在にて食えんコトにの。
気付いて、一瞬、大パニックじゃて。
ちゅうても、朝と昼は、出掛ける前には用意されちょったがな。
いや、ダリルさん。
オカンか?
で、ダリルさんとカリンちゃんは厨房へと。
ファマル嬢とガンレート嬢も続こうと。
「いや、何も出来んだろ。
前に手伝うっと言って、邪魔しておる。
遠慮して貰えぬか?」
ダリルさんが、呆れたように。
この二人、兎に角、大雑把なのじゃよ。
刃物で食材を切るコトは可能んじゃ。
じゃが、ブツ切り過ぎてなぁ。
後でダリルさんが切り直したりの。
二度手間、三度手間でなぁ。
手伝いちゅうか、邪魔にしかのぅ。
で、シムエル嬢なんじゃが、邪魔にならん場所で見学じゃな。
キチンとメモしちょるぞぃ。
いや、お嬢様として、厨房へ立たんようにしちょるんじゃがな。
実はダリルさんの次に調理できたりの。
本人のプライドか、普段は料理しちょらんのじゃが、腹が減ったら隠れて調理して食っちょるぞい。
一番逞しいちゅうか、腹黒ちゅうか。
困った娘さんじゃてな。




