ダリルさん、交渉中。しかし、ダリルさんからしか手に入らんのじゃが、気付くかのぅ?
店主さんが、マジマジと中層素材を。
エライ長うみ見ちょるのぅ。
「ふぅ。
眼福で御座いました。
コレほどの品は、なかなかに。
勉強になりましたが、正直、初めて見る品が多くて、ですな。
勉強不足で申し訳ありませぬが、どのような品かを聞いても?」
まぁ、中層の素材ともなれば、なかなかコチラでは出回らんわなぁ。
『いえ、伯爵領は樹海と隣接しております。
当然ながら、ソチラにも中層や深層にて活動する狩人は居りますので』
ほぅ?
意外と深層狩人は多いのけぇ?
『いえ。
北海道の七倍はある浅層奥にて活動する、中層や深層の狩人ですので、森の規模を考えると微々たるものかと。
しかも、ガウランド様やダリル様と、同一クラスとなりますと、さらに減りますので』
ひょっ!?
あん二人と、同一クラスのモンが、居るんかいな!
『晶術使いは居りませんが、身体的、技術的に同等の方々は居られますね。
まぁ、先祖返り組とでも申しましょうか。
彼らは人造種末裔ですが、祖となる人造種クラスの能力に目覚めておりますので。
まぁ、元来の人造種を超える力を得たのは、ダリル様だけみたいですが』
やはりダリルさんは、別格じゃったか。
さも有りなん。
あがぁなモンが、ゴロゴロ居ったら堪らんわい!
『?』
ん?
どがぁしたんなら?
『いや、マスターが、それを申されるのかと』
どがぁな意味なんなら?
『ダリル様と同等の、お力を持つマスターですからね。
ある意味では、ダリル様を超えておられます。
ゴロゴロは、居られませんが、確実に一人は居られますので』
いやいや。
儂を含めんで、エえんやよ?
で、伯爵領へ隣接する樹海から仕入れた品を、店主さんも捌いたコトがあるみたいでな。
全く分からんちゅうコトは、無かったみたいじゃ。
じゃがの。
「ああ。
使い方や効能を知らぬヤツらは、採取せんからなぁ。
特に食に興味がない輩は、スルーするだろう。
コチラは、だな」
ダリルさんが店主さんに、の。
香辛料やハーブ、薬効が有る品々とかの。
「特にコチラの品は、俺以外からは入手困難だろうな。
なにせ、晶術。
つまり、放術と付与を行える者にしか造れん」
「?
それは?」
「最近分かった遣り方でな。
ある物を混ぜた湯へ雷晶石から電撃を放ち、その湯へ素材を入れると、灰汁抜きや毒抜きがな。
知り合いの付与師に聞いた話しで、空晶石へは、成分を含んだ液体も付与可能なのだよ。
それにて、灰汁や毒を含んだ湯を空晶石へ付与すると、より灰汁や毒が抜け易くなってな。
我ら深層狩人は、深層にて活動するため、耐毒能力に秀でておる。
それは、深層には毒を持つ食材しかないからだ。
ゆえに耐毒能力を持たぬ者は、深層にて活動できん。
そして、中層にも当然ながら毒を持つ素材や食材もな。
実は、この毒を含む食材は美味いのだよ。
特に香辛料やハーブになる代物はな。
俺は耐毒能力が有るゆえ知っておったが、人には勧めることはな。
だが、灰汁、毒抜きをすれば、人にも勧めれるのでな。
そう、コレらが、その食材となる。
つまり、灰汁、毒抜きが行える俺からしか得られん代物だな」
そう告げて、腰へ付けていた別の革袋から、何かを。
ありゃあ、菓子かえ?
「そんな素材を使用して作った菓子だ。
味見してみるかね?」
そうダリルさんが告げるとの。
「はいは〜い!
味見したいでぇ〜すぅ!」
リコ嬢がの。
「いやいや。
君は結構な数の焼き菓子を食べただろうに」
ダリルさんが、呆れたようにの。
「その菓子は、食べてませ〜ん。
だから、食べたいでぇ〜すぅ。
だって、食べたの美味しかったモン!」
さいですか。
まぁ、確かに美味かったでなぁ。
じゃが、アチラが普段使いの菓子としたら、コチラは高級菓子じゃてな。
美味さの次元が違うぞい。
「左様ですね。
日本の高級菓子店でも勝てないかと」
沙織さんも絶賛じゃてな。
しかし、美味いのぅ!!




