そがぁな茶が有るなれば、茶道楽なら、飲みたいわ、のぅ。
ロゼッタ嬢の声を聞き、茶道楽な常連さん方が、ゴクリ、っと喉を鳴らしておるわい。
まぁ、味が分かる者らしき、ハゲルさんやロゼッタ嬢が、美味いちゅうとるでな。
しかも未知の茶葉じゃぞ。
そりゃあ、飲みたいわなぁ。
でな。
「その茶葉を卸したりは?」
貴族の一人が、思わず、ちゅう感じで。
「ん?
俺は狩人なのでな。
狩った獲物しか卸さん。
それに、個人的に喫する程度ゆえ、店へ卸す量はな」
ダリルさんが苦笑いしながら、茶を。
「ふぅ。
左様で御座いますか。
しかし、中層や深層の茶木ですか。
その様な茶木の茶葉を使用した茶。
一度は喫してみたいものですなぁ」
実に羨ましそいにの。
まぁ、ココら辺では、マズ手に入らんじゃろうからなぁ。
「ふむ。
確かに、ココからは遠いから、難しいやもしれんな」
そがぁなコト言うでな。
「をいをい。
遠いからじゃぬぇいよぅい」
「ん?」
「ん?じゃぬぇいっ!
深層まで潜って、茶葉を持ち帰れるヤツなんか、深層狩人以外にいぬぇいって。
っか、中層ドコロか、浅層でも無理だかんなぁ」
「確かに、言われてみればそうか。
森まで帰らずとも茶葉を得られる場所はあるが、コチラの者には無理なのだな」
ダリルさんの言葉に、茶道楽な方々が、目の色を変えるが。
「あんよぅ。
オメェさんが言ってんのは、アレだろ?」
そう告げながら、ハゲルさんが指を刺す。
ココから見える大きな山は二つ。
一つは鉱山が中腹にある山。
ダリルさん達がココへ、空を駆けて来た出発地点じゃな。
結構な大きさを誇る山なんじゃが、そん山を凌駕する山が見えちょる。
山と言ちゅうかのぅ、崖じゃな。
そう、ダリルさんがラグラクスと戦い、ギーゼットと出会った山じゃて。
あん山の山頂は中層と同じ環境じゃてな。
そらぁ、中層へ生えちょる茶木が在っても、おかしゅうないわのぅ。
じゃがの。
「は?
あの聳え立つ山で、御座いますかな?
過去に王国の調査隊が向かい、現れる獣の強さに犠牲者を出しながらも、なんとか山裾まで辿り着き、見上げる様な断崖絶壁に絶望したのだとか。
えっ?
いや、まさか・・・
あの山を?」
店主が、あまりのコトに絶句。
したらの。
「ん?
あの程度なれば、楽に通れよう?
師匠から街へ向かう近道として教わったのだがね。
とは言え、中層の生き物が跋扈しとるとは、予想外であったがな。
ギーゼットなんぞは、スンナリ道を譲ってくれたのだが、ヤハリ鎧熊なんぞは、直ぐに突っ掛かって来るのでな。
荷を増やしたく無かったので、狩りたくは無かったのだが、仕方なく狩った訳だ」
「ああ、初めて会った時に皮革屋へ卸してた、アレけぇ?」
「そうだな。
何やら剥製にして、好事家へ売るとか言っておったが」
そうダリルさんが告げるとの。
「なぬぅ!?
もしや、あの剥製となった鎧熊を狩ったのが、アナタかね!?」
貴族の一人がの。
「ふむ?
知っておるのかね?」
そうダリルさんが告げるとの。
「なんとか、私が購入し、屋敷へ飾っておるよ。
いやぁ、何人も購入希望者が現れてね。
手に入れるのが、骨であった。
そう言えば、皮革屋の店主が、狩った狩人と連絡が取れんと困っておったような。
君のコトではないのかね?」
そう貴族が告げると。
「かぁ!
しまったぜぇい。
最近、狩りとかで出掛けたりしてたかんよぅい。
鍛冶場へ入ったら、外と接触を経つかんなぁ。
ファマル達は、俺達が鍛治してん間、狩りに出てっしなぁ。
そりゃあ、連絡付かんわなぁ」
カリンちゃんが居るように思うんじゃがな。
身体の痛みにて寝れんけぇ、寝込んじょったり、鍛冶場で手伝いや、木彫りなんぞをの。
たまに、ファマル達に着いて、狩りへも。
そがぁなんじゃけぇ、留守みたいに、のぅ。
っても、ギーゼットとポックル、ジェムは庭に居る。
だが、彼女達が居ってもなぁ。
逆にギーゼットが怖ぅて近寄れんわいっ!




