茶店へ誘われ、移動しちょるわい。水か茶が、まず出され・・・無い!まぁ、当然か。
リコ嬢と店主さんに誘われたダリルさん達がの、店舗横の茶店へと。
お茶ちゅうのも、本来は有料じゃ。
っうか、水さえも、只では飲めん。
日本が異常なんじゃよ、世界的にはの。
店へ入ると、普通に水が出され、茶も供される。
なのに喫茶店では、茶に金出して飲む。
いやいや。
茶番も只ではないでな。
それが普通に出されちょるし、店によってはお代わりも自由じゃて。
で、ダリルさんの世界では、日本みたいには、のぅ。
何せ水自体が貴重とも言えるでな。
日本みたいに、水道の蛇口を開くと水が出る、ちゅう訳にはのぅ。
井戸から汲み上げ、それを厨房まで運び入れねばならん。
これには、時間も体力も必要じゃて。
この苦労して用意した水を只で振る舞う?
正気とは言えんな。
さらに高価な茶葉にて淹れた茶を、かい?
出来るハズがなかろうて。
ゆえに茶店では、茶を金を出して飲む。
当然じゃわな。
そんな茶店では何人かの客が、茶を喫しておるの。
茶を飲んでおるのは、豪商や貴族連中じゃ。
白湯や水を飲んでおるのが、一般人じゃな。
豪商や貴族などの客は、役人を罰するために人を動かしとる。
この店の茶屋は、彼らのサロン的な役割を果たしており、それへ被害を及ぼすなれば、見過ごせん!ちゅうてな。
じゃから、ダリルさんが動かんでも、先は無かったんじゃがな。
そんな彼らも、深層狩人は別格。
下手に扱うと身を滅ぼされる存在じゃてな。
ゆえに彼らが茶屋へ入ると、緊張が。
空気がビィーンちゅうてな。
ん?
一般人?
既に勘定支払って往んどるぞい。
まぁ、厄介事は、勘弁じゃでな。
ほじゃけぇ、一般人に止まるんじゃ、とも、言えるがの。
茶店へ入ると、店主がの。
「まずは茶を喫して頂きましょう。
コレは伯爵領の産物が一つでしてな。
ウチの領から他所へ卸しても、恥ずかしく無い品と言えましょう」
そう告げてから、給仕が茶を皆へ。
ギーゼットの前にも平皿へ茶を。
チト熱いらしゅうてな、ダリルの足を前脚でチョンチョン、っとな。
「ふむ。
ギーゼットには熱いか。
ほれ。
コレなら飲めよう?」
するとギーゼットが、頷き。
【ガゥ】ちゅうてから、ピチャピチャと。
「はて?
何かされましたので?」
店主さんが、不思議そうにの。
それへダリルさんが。
「ん?
ギーゼットが、茶が熱いと告げて来たのでな。
風晶石にて、チト冷ましただけだ。
氷晶石にて冷風を送っても良かったのだが、そうすると急激に冷ました反動にて、茶の風味が損なわれそうだったのでな。
ゆえに風晶石にて、ゆるりと冷ました訳だ。
しかし、この茶は良い。
風味と言うか、マズは香りがな。
さらに旨みと爽やかさが良いな。
バランス的にも楽しめる味だ。
これ、淹れ方と湯の温度も最適とみた。
この質なれば、金を出すのは当然だろうて。
しかし、この茶は初めて喫する。
茶葉は、手に入るのかね?」
店主が驚いてダリルさんを見ちょるわい。
「ダリル様は、茶を喫しなさるので?」
そう、思わず、ちゅう感じでの。
「ん?
茶は普通に飲むな。
まぁ、俺の場合は、森の探索中に見付けた茶木から、茶葉を得ておる。
ゆえに、人の手で育て得た茶葉は、ほとんど持っておらん。
そして森で得た茶葉を使い、自分で淹れておる。
まぁ、茶道楽な師匠に鍛えられたゆえ、一応は出して恥ずかしく無いレベルだと自負しとるがな」
そうダリルさんが告げるとな。
「おぅよ。
ダリルの淹れる茶はよぉい、一級品だかんぬぇい。
こん茶も美味いがよぅい、ダリルが淹れる茶と比べりゃあよぅい」
そうハゲルさんが。
それへロゼッタ嬢がの。
「比べんじゃないわさ!
ダリルの出す茶葉は、中層や深層の茶木から得た茶葉さね。
しかも水は水晶石から、それを火晶石と風晶石に雷晶石を使って茶を煮出してんだよ。
あんなんと比較されたら、どんな茶でも霞むわさ」
あー
ダリルさんの、トンデモ茶淹れじゃな。
あれ、難しいでなぁ。
儂も試してはおるが、完璧には、の。
ヤハリ、ダリルさんは凄いわい!




