なんか甘味屋にて、甘味を頂いてから帰るみたいじゃてな。
リコ嬢が告げるとの。
「おおっ!
それは良い。
恩返しには、まったく足りませぬが、是非!」
店主もダリルさんへと、の。
後は帰るだけであり、宙を走れば夕方、いや、十六時前には屋敷へ辿り着くじゃろうて。
そう考えてたなら、多少の時間を費やすのも悪くはあるまいて。
「ふむ?
甘味屋か。
己で甘味を作るコトはあるが、店で食べたコトはない。
知らぬ甘味を食せるやもしれんな。
良いだろう。
馳走になることにしよう」
ダリルさんが、アッサリと受けたようじゃて。
「へぇ〜
ダリルが、アッサリ受けるとはねぇ。
当然、アタイ達も?」
ロゼッタ嬢が告げるとな。
「当然ですぅ。
ロゼッタ姉様には、色々とお世話になりましたもん」
まぁ、ダリルさんに怯えるリコ嬢を宥めたりしょったでなぁ。
「むろん、ハゲル様にも御賞味いただきますぞ。
さぁさ、どうぞ、こちらへ」
店主が三人を誘う。
イキナリ店主とリコ嬢が、ダリルさん達を持て成し始め、子爵と男爵に役人達は戸惑っておるな。
まぁ、帰ろうとするダリルさん達を引き止める感じじゃけぇな。
悠長に打ち合わせなんぞしとったら、帰ってしもうとったであろう。
三人が茶店へと、ギーゼットも、チュッカリ着いて来ておるな。
「済まぬが、彼女にも貰えぬかね?
金は払うゆえ」
ダリルさんが、その様に告げるとの。
「とんでもない!
お代は結構でございます。
コレはリコを救っていただいたコトもで、ございますが、ゴロツキ役人から、私どもを助けて頂いた礼の一部にございます。
ですが、人と同じ物を食されても、大丈夫なので?」
そう心配そうに、の。
したらな。
「ん?
ギーゼットは中層獣ゆえ、人と変わらぬ食事にて問題ないぞ。
むしろ彼女が食せて、そなた達が食せぬ代物の方が、多いであろうよ。
中層へ至ると、深層ほどでは無いが、人が普通に食すには厳しい代物が多い。
我ら森の民なれば食せるが、只人には厳しかろう。
その様な環境にて生き抜いて来とるでな。
ここら辺の只人が食す物なれば、普通に食べれるな」
「ちゅ、中層獣、です、か、な?
へっ?
中層獣。
中層獣ぅぅぅっ!?」
店主さん、硬直じゃて。
「ああ、危険はないぞ。
彼女は人の言葉を解するでな。
無闇に危害を加えたりもせん」
そうダリルさんが告げるとの。
「まぁ、俺も最近知ったんだがぬぇい。
中層へ住まう獣は、知能が高いみたいだぜぇい。
そんでよぉうい。
ギーゼットはダリルに敵わぬぇいかんよぅい。
下手にダリルへ敵対せんわな」
ハゲルさんの言葉を聞いたギーゼットが、誤魔化すように顔を洗っておるの。
その身姿は、まるで猫じゃて。
ま、身体はデカいがな。
身体がデカいで、妙に威圧感があるんじゃがな。
素振りは猫じゃ。
っか、仕草は可愛いらしいでなぁ。
怖がらず見ちょれば、結構な愛くるしさじゃぞい。
っか、のぅ。
リコ嬢は既にギーゼットへメロメロじゃて。
まぁ、心配したギーゼットがの、鉱山にてロゼッタ嬢と共に、リコ嬢をロゼッタ嬢と共に宥めておったでのぅ。
鉱山を出立つする頃には随分と仲良くなっちょったわい。
茶店へ案内するリコ嬢ん横へ行って、軽く身体を寄せておるわい。
ありゃあ、気持ち良いじゃろうな。
毎晩、ダリルさんがポックルと共に洗っておるでな。
実はグルガムスは綺麗好きでな。
猫とは違い風呂好きなんじゃて。
ゆえに風呂へ入り洗われるコトを厭わん。
そんな洗い清められちょるギーゼットさんがじやぞ。
さり気なくビロードのような毛皮を、スリっ、っと。
あん肌触りは最高じゃろてなぁ。
儂も。
『ダメですからね。
前に触りに行って、悟られそうに、なっていたでは、ないですか!』
ま、まぁ、そうなんじゃがな。
ギーゼットもじゃか、晶石を扱っておるからじゃろか。
なんか、コチラの存在を感知しそうになるでな。
迂闊に近寄れんのじゃて。
ふぅ。




