!?、普通に流しおったぁ!ほじゃけぇ、そがぁなトコじゃぞっ!
皆が皆してダリルさんをオジ様あつかいに。
そらぁ、怒るじゃろ。
流石に十八番を四十代あつかいしたらのぅ。
じゃが、その佇まいや風貌に雰囲気が、十代の若者には、のぅ。
歴戦の戦士が醸し出す風格じゃて、まぁ、そう見えても仕方あるまいて。
「そんなコトよりもだ。
俺は娘さんを送り届けたら帰るつもりだったのだがな。
ハゲル、関わるのかね?」
いやいや。
ムッとしはしたが、流しおったぞい。
ほじゃけぇ、若モンに見えんのじゃが?
普通の若者なれば、激昂せんにしても、苦情の一つや二つは入れるでのぅ。
冷静過ぎやせんかえ?
で、完全にスルーし、シレッとハゲルさんへとの。
そんなダリルさんに呆れながら。
「ココにゃあ、用はぬぇいねぇい。
明日にも、侯爵領の領都へ連れて行ってくれぬぇいけぇ?
謁見の申し込みすっからよぅい」
ハゲルさんがダリルさんへ片手を上げ、お願いしちょるわい。
「ふむ?
貴族様へ会うのには、申し込みが必要なのかね?」
不思議そうにの。
「そりゃあ、よぅい。
こっちゃあ平民だかんぬぇい。
こんでもよぅい、知己を得てっから、門番通じてお伺い立てるだけで、確認できっがなぁ。
本来、役所にて届け出て、ソレが通ってからお伺いだぜぇ。
早くて一カ月だぬぇい。
俺の場合だと、一週間くれぇか?
まぁ、早い方だがぬぇい」
それを聞いたダリルさんが唖然と。
「なんと悠長な。
しかし貴族なんぞと会う用事など無かったからなぁ。
師匠なれば、用があれば直接出向く。
まぁ、師匠が出向くなれば断罪しかあるまい。
直接、領主の前へ現れるだろう。
相手の都合など、関係ないでな」
なんでも無いように告げちょるがの、不敬罪どころの騒ぎではない。
ドコぞの暗殺者かいな?
「絶ッテェにぃ、止めぇい!
大騒ぎにならぁなぁっ!」
「ふむ?
そうなのかね?
面倒なコトだ」
い、いや、ダリルさん?
「オメェいさんよぅい。
まさか、面倒だから、自分が直接告げに行きゃあ良い、てなコト、考えてぬぇいよ、なぁ?」
ハゲルさんが、軽く冷や汗を。
「その方が、手っ取り早くないかね?」
思っちょったようじゃな。
マジかぁぁっ!
「トウ様?」
「なんだね?」
「実はダリル様って、ヤバい人?」
「リコ!
シィっ!」
商人親子が、なんか言っちょるが?
まぁ、侯爵家当主へ、館へ忍び込み会う。
うん、酷い絵面じゃて。
「用が有るから会うのであろ?
遅かれ早かれ会うのだ。
直接出向くのが、合理的だと思うのだが」
実に不思議そうに。
『ダリル様に王侯貴族の権威は関係ありません。
ガウエン様から普通の只人と教わっておりますし』
あー
森人と只人では、素のスペックが、のぅ。
『方や人造種末裔の一族。
方や普通の一般人が子孫。
森人と只人では、別種と言って良いでしょう。
特にダリル様は、そんな森人達の上澄ですから。
おそらく、イニシエの人造種をも凌駕しているかと』
完全に上位互換な訳じゃな。
そがぁな森人達からしたら、只人の王侯貴族なんぞ、塵芥に等しいじゃろて。
ゆえに敬う気もあるまいてなぁ。
『そう言うコトですね。
まぁ、人として気に入れば、普通に接しますが』
ハゲルさんや、ロゼッタ嬢との付き合いを見ちょると、よう分かるわい。
「いやいや。
お貴族様に無礼働き、無礼打ちは、ぬぇい」
「ん?
普通に返り討ちにするが?」
「すんじゃぬぇいよぅい!
ったく、面倒ごとは、勘弁だぜぇい」
ハゲルさんが、困ったように。
まぁ、相手へ頼みに行くのに、相手を怒らせては、のぅ。
「分かった、分かった。
では、明日は侯爵領領都だな。
さて、帰るか」
そうダリルさんが告げるとな。
「ちょっと待って!」っと、リコ嬢が。
「ん?
どうかしたかね?」
「お礼になるか、分からないけどね。
ウチの甘味を食べてってよ!
自慢の一杯なんだぁ〜
それ位の時間はあるでしょ?」
そがぁなん言っちょるんじゃが?




