何やら揉めちょるが、ダリルさんは放置したそうじゃてなぁ。
しかし一応は生きておる死体六体なんじゃがな。
下手に動かすと身体が切断面からズレて死ぬからのぅ。
こがぁな輩どもは、なるべく苦しんで死んで貰いたいでなぁ。
それは、アチラさんも同様みたいでな。
だーれも、アホウ共へ近付かん。
っても、反省をしとるようには、のぅ。
いや、出来んか。
カナリの激痛が走っちょるでな。
そん痛みで考えるコトもの。
人を甚振って悦に入るような輩じゃ。
そがぁなヤツが、痛みに強いハズもないでな。
辛さや苦しみを知り、相手に対して考えれるなれば、あがぁなコトは出来まいよ。
まぁ、儂が痛みを数倍ほど増し増しにしちょるせいも、あるからかもしれんな。
知らんけど。
で、ダリルさん達は、商家の娘さんたるリコ嬢を引き渡すとな。
「では、我らは、コレで」
などと告げて、去ろうとな。
「いやいや。
娘を助けて頂いただけでなく、不逞な輩を誅して頂いております。
お礼差し上げたいのですが?」
そがぁなん告げちょるんじゃがの。
「不要だ。
たまたま居合わせただけ。
助けて放置もできぬ。
乗り掛かった船にて、帰り道にて届けたに過ぎん。
俺としては、不逞な輩を成敗できただけ良かったと思っておる。
ただ、後は、そちらにてな」
役人頭のメッサーム殿も、苦い顔である。
ちなみにダリルさんが示した場所じゃがな。
役人に調べに行かせ、事実と判明しておる。
問題は、商家に対する保証と賠償となる訳で。
だが、コレが、なかなかに難しい。
何せ燐領を治める伯爵家が一族らしいのだ。
正直、役人たるメッサーム殿には、手に余る案件だ。
さらに深層狩人まで現れたる始末。
まぁ、この深層狩人殿は、深く関わる気はないらしい。
そのため、コチラが対応を考える必要はないと思われる。
っと、まぁ。
こがぁ風に、思っちょるみたいじゃな。
とは言え、役人が扱える規模を超えてはおる。
おるんじゃが。
「コレを報告し、対処願える場が・・・」
今の子爵領は、バカが乗っ取ったため、マトモに機能しちょらんでな。
領都の有識者を含め、マトモな者は全て粛正されちょる。
ガンレート嬢の一族みたいにの。
居るのは、領主の腰巾着や、甘い汁を啜るだけの無能。
正直、領が保っておるのは、メッサーム殿のような末端が支えておるからじゃて。
じゃが、末端が扱え切れる範囲ちゅうのがの。
そらぁ、頭を抱えるじゃろて。
「ふ〜むぅ。
でぇいぶん酷いみてぇだぬぇい。
まぁ、あん領主じゃ、仕方あんめぇいよぅい」
周りがギョっと。
明らかに貴族批判。
不敬罪にて誅されても、仕方ないレベルである。
「こりゃ、明日にでも、侯爵様へ言上申し上げるべきかぬぇい」
ハゲルさんが、シレッと、そがぁなコトをの。
「ん?
我らには、関係あるまい。
何故にハゲルが?」
ダリルさんが不思議そうに。
「そうは言うがよぅい。
領主がアレで、治安が最悪だかんぬぇい。
俺達ぁ、ハズレに住んでからよぅい、普段は被害受けぬぇいがなぁ。
だがよぅい。
街ん買い物なんかへ出るかんぬぇい。
これ以上、治安が悪くなっちゃあ、住み難くてぬぁんぬぇいよぅい」
そう告げられ、ダリルさんがの。
「確かにな。
師匠なれば、面倒ゆえに斬る!などと言うのだろうが。
流石に、全てを斬るのもな。
まぁ、師匠はコチラへ出掛けて来ておるだけで、基本は森へ帰るゆえ、住まう者のコトなど考えん。
ゆえに、気に入らねば斬る、が、基本スタンスだったからなぁ」
いやいや。
なんちゅう物騒な御仁じゃ。
絶対に、会いとうないわい!
「そ、その方は?」
メッサーム殿が蒼い顔での。
「ん?
師匠かね?
病で身罷ったな。
流石に師匠でも、病には勝てなんだわ。
まぁ、深層毒を受け続けたせいで罹る病でなぁ。
コチラの者なれば、三日も持つまいて。
師匠は数年ほど耐えたが、治癒にはな。
まぁ、その看病にて、旅立ちが遅れてしまった訳なのだが」
シミジミと。
って、普通なれば三日と持たん病を数年!?
トンデモないのっ!




