蒼炎、ソレは死を振り撒く、死神たる炎じゃてな!
ハゲルさんとロゼッタ嬢が、ダリルさんが操る炎についての。
ソレを聞いた燐領の騎士たる子爵のラーナ殿がな。
「信じられん。
人がプラティオンを溶かす程の炎を、かね?」
そのようなコトを。
「ふむ、そうかね?
コレなのだがね」
ダリルさんや。
シレッと、一万度の蒼炎を出さんで欲しいのじゃが?
その透き通る様な蒼さを秘めた炎が、宙に揺蕩い燃えておる。
何重にも風の繭へと包まれた蒼炎。
風繭と風繭の間には、冷気が送り込まれては、瞬時に蒸発しちょるな。
「わぁ〜
キレぇ〜」
娘さん、確か、リコさん、じゃったかえ?
いや、確かに綺麗なんじゃがの。
ありゃあ、死の炎とも言えるでな。
ダリルさんが熱を遮断しちょるけぇ、綺麗で済んでおるが、普通なれば辺りは蒸発しちょるでなぁ。
数キロ圏内付近では、全てがドロイドに溶けるじゃろうし、少し離れた位、そうじゃな、十数キロか、のう。
そこは、全てが灰と化すじゃろな。
ソレより離れた数十キロ先も、焼け焦げじゃて。
っか、太陽の表層温度の2倍じゃぞ!
もはや武器ちゅうか、殲滅兵器じゃてな。
ちゅうかの。
あん温度を、よう遮断できとるわい!
信じられんコトしよる。
『あれ、風繭へプラティオンの粉末を混ぜているのが、効果を出しているみたいですね。
プラティオン自体の融点が高いせいか、熱を吸収している模様。
しかし、あの熱を、何処から得ているのか、実に不思議です』
確かにのぅ。
確か晶石ちゅうんは、エネルギーを亜空間へ溜め込み、それを使う感じじゃったか?
例外的に、海や遺跡にて雷を発しちょるトコ、マグマ溜まりなんかに、繋がっておったんじゃったか?
じゃが、一万度は、無理じゃろ?
『確かに。
それきダリル様が使われている晶石ですが、大き目の空晶石だったハズです。
何も付与されて無かったハズですが』
はい?
空晶石?
そがぁなんから、あがぁな高熱がかえ?
ふ〜むぅ。
チト、晶石を微電流にて探ってみるかのぅ。
『チョッ!
マスター!
無茶は!』
大丈夫じゃて、多分の。
『いや、多分って』
ふむ?
はい?
『ど、どうなされました?』
いや、のぅ。
何処かは、分からんのじゃがな。
『え〜っと、何処かに繋がってました?』
うむ。
チト、恒星への。
『はい?』
いや、じゃからの!
太陽みたいな恒星に繋がっておるんじゃよ!
いやぁ、バカなんかえ?
依にも寄って、恒星内部と繋げるけぇ?
いや、意図して繋げた訳ではあるまいが。
『あー
過去映像にて、ダリル様が空晶石へ、プラティオンを溶かす炎を付与するイメージを、ですね。
鍛治炉にて行っておりましたが、当然ながら熱量が足りません。
それなに反応したのか、恒星の内部へと、晶石経由の亜空間が開いたものかと』
い、いや。
確かにプラティオンは溶けるじゃろうな。
じゃが、人が扱える熱ではないぞぇ?
『そうですね。
ダリル様も直感的に、普通には扱えないと悟ったみたいです。
そのため、熱を放出させずに扱う方法を模索したみたいですね』
ソレが、風繭かえ?
『はい。
それと、風繭と風繭の間へ、冷気を這わす遣り方です。
ただソレだと、完全に遮断するコトが出来なかったみたいです』
ああ、ロゼッタ嬢が暑かったちゅうておったのぅ。
『そうですね。
そのため、プラティオンの粉末を、風繭層へ巻き込むようにしたみたいです。
コレにより、断熱率がカナリ向上したみたあですよ』
はぁー
まったく、ダリルさんには、敵わんの!
で、そがぁな蒼炎を見たラーナ子爵様なんじゃがな。
「そ、ソレがプラティオンをも溶かす炎?
熱くないではないか!」
などとの。
したらの。
「バカなのかね?
断熱しとらんかったら、辺りは熱で蒸発しとるが?
さっきハゲルが戦にて蒼炎を放つとか申しておったがな。
放てば、戦場ドコロか、辺り数十キロには被害が及ぶが?
不毛の地を生み出す覚悟がなければ、放つなど出来ん」
困ったモンを見るようにの。
まぁ、知らんかったら、子爵みたいに言うわなぁ。




