ダリル飯!いや!ダリル菓子かえ?いやぁ〜、美味いもんじゃてな、ウマウマ。
ダリルさんが、腰の革袋から焼き菓子を。
うや?
保存用に焼き締めた代物かと思いきや、コリャ美味い!
いやの。
周りはカリカリなんじゃが、その層を噛み破るとな。
ザクッと、そう、ザクッとじゃ!
で、サクシャクからぁ〜の、サクサクへと。
そんサクサクの下にフンワリさんが、の。
あ、クリームが!
こんクリームが、フンワリさん、を?
いや、そがぁなコトが?
分からん。
うむ。
こがぁな時にはじゃな。
ジェミアゑモーン、教えてくだぁ〜さいや!
そう、ココは、皆んな大好きジェミアゑ門様じゃてな。
『誰がジェミアゑ門ですかぁ!
誰がぁっ!』
ん?
ジェミアさんじゃろ?
はっ!
まさか、アドバイザーさん呼びの方が!?
『そんな訳ないですからね!
はー
まったく。
で、焼き菓子の話しでしたか?』
ほうじゃ。
普通、あがぁな層を成した焼き菓子なんぞ作れまいて。
どがぁしたら、あがぁなモン出来るかのぅ?
『私にも分かりかねますが、恐らくは晶石を使用しているのかと』
はい?
ジェミアさんにも、分からんのけぇ?
『無茶言わないでください!
私には、晶石から放たれる力は察せられませんので!』
ああ、微電流とかは、感知できんのじゃったか?
火や水なんどの、目視可能な現象や、センサーにて判別可能なれば可能らしいのぅ。
ただ、微粒子レベルで展開されちょったら、展開されたコトはセンサーで分かるが、それで何をしちょるか、までは、な。
なれば、儂が焼き菓子を作っておるシーンを観れば分かるんでは、ないかのぅ。
『過去映像をライブラリーから映しますね』
ふむ。
屋敷の厨房じゃな。
時は夜かのぅ。
辺りは静まりかえっておるで、皆は就寝しちょるんじゃろて。
ダリルさんは、複数の生地を用意しちょるみたいじゃな。
無発酵生地と発酵生地。
しかも発酵具合が違う生地を複数。
ソレを重ね、裏返し、同じ様に重ねた生地を、裏返したヤツの上へと。
なるほどのぅ。
中央から同一層が上下対称にかえ?
こん生地を綿棒にて伸ばしちょるな。
そがぁなコトしたら、せっかく発酵させた生地が?
あや?
凄い勢いで、発酵しちょらんかえ?
なんじゃ、ありゃ?
ん?
んんっ?
ああっ!
微電流にて酵母を刺激して、発酵を促しちょるんけぇ。
しかも、そん微電流に沿わす様に、微細なミストが。
ん?
はい?
微電流とミストに沿わす様に、熱が伝播しちょる、じゃ、とぉっ!
あ、生地全体が風で舞い上がったのぅ。
重ねた層の境目ごとに、ミストと熱が違っておるわい。
しかも、こんミストなんじゃがな。
どうも味が付いちょるようじゃて。
しかも、一部のミストにはの、油が、な。
こん油が揚げるんとちゃうが、生地を高温で。
外側はハードタイプみたいに焼き上げちょるんじゃが、こん焼き菓子の外側ほどでは、のぅ。
で、焼き上げた頃合いで、包丁?
刀包丁ちゅんかえ?
うむ、一刀両断?
手頃な大きさにの。
で、そん後に、一つ一つを、更に生地で包んでの。
コレを宙に舞わせ、風繭ん竈ちゅんか?
そん中で焼き上げちょるわい。
コレが、外側の正体かぇ?
こん外皮みたいなんが、焼き菓子がバラけるのを防いじょるんじゃなぁ。
っか、完全に晶石なしには作れん菓子じゃてな。
ふぅ〜むぅ。
こん菓子、儂でも作れるやもしれん。
しれんが、なかり鍛錬が必要となるじゃろな。
何時の間にか、晶石を扱う技量に差が。
何時、鍛錬しちょるんじゃろか?
やはりダリルさんは、凄いのぅ。
で、そんなウマウマな菓子なんじゃがの。
少女が夢中で食べちょるわい。
ふぅ〜むぅ。
やはりダリルさんは、餌付けが上手じゃてな。
アレだけ警戒しちょった少女が、警戒を解いちょるでなぁ。
っかの。
「この菓子は、個人用に俺が焼いた物だ。
ゆえに売らんし、分けるつもりはない。
だからな、そんな目で見ても知らんぞ」
そがぁなコトを。
うむ。
役人連中と、商隊のモン達が。
大人は、我慢しちょれやっ!
ウマウマ。




