保証書を書いたんじゃがの。いや、ダリルさん?
その後、番頭さんが用意した紙へとダリルさんがの。
まぁ、紙ちゅうても、羊皮紙ちゅうヤツじゃがな。
それへハゲルさんが保証する旨と、サイン。
更には焼印を。
保証する旨を、役人からも記載がなされ、コチラも焼印をのぅ。
本来なれば羊皮紙ちゅうのは、使用を終えたら記載部分を削り再利用なんぞするもんじゃ。
じゃがの。
焼印なんぞした場合、削り取っても跡がなぁ。
しかもじゃ。
役人印もじゃが、ハゲルさんの印は侯爵家お墨付きの印じゃてな。
コレを削るなれば、不敬罪は免れんじゃろて。
まぁ、何よりもダリルさんの書き込みがヤバいでな。
いや、内容ではないぞぇ。
その記載方法がじゃ。
「かぁぁっ!
ダリルよぅい」
「なんだね?」
「達筆?なのは認めんだがよぅい。
なんで火晶石で放った火で焼き書いてんでぇい?
普通にインクじゃダメだったんけぇ?」
そう!
それじゃ、それ!
インクとペンが用意されちょるのに、ワザワザ、文字を焼き付けて書いたんが意味不明でのぅ。
「ふむ。
逆に聞くが、なぜインクなのだね?」
ダリルさんが、そがぁなコトをの。
いや、何をいっちょるんじゃろか?
「そりゃあよぅい。
羊皮紙に書くてぇなりゃあよぅい。
普通はインクをペンで書くだろーがよぉい」
まぁ、そうじゃろな。
「普通使いなれば、そうであろうな。
して、尋ねるのだがな。
使用し終わった羊皮紙ね記載部を削り、再利用する場合があると聞く。
保管されるなれば、管理が正しく成されるなれば、問題あるまい。
だが、保証書の場合、販売後に相手へ譲渡されたりせんかね?
その際、記載箇所を削られ、消した後に上書きされたら、どうなる?」
そうダリルさんが尋ねると。
「そ、そりゃあ、よぅい。
いや、改ざんは重罪でぇい。
普通はヤンぬぇーんじゃぬぇいけぇい?」
そうハゲルさんが告げると。
「バレたら、そうなるだろうな。
だが、改ざんしたと、誰が証明できるね?
削り取られた部分は戻らん。
ハゲルが書いた文字では無いと証明も出来まい。
ゆえに焼印を押したのでは無いのかね」
ハゲルさんが、顎をシゴクように。
「なるほどぬぇい。
普通はキチンと書類管理されるのを、前提だかんぬぇい。
誰の手に渡るか分かんぬぇいじゃ、話しが違うぬぇい」
ハゲルさんが、感心したように。
「ですが、普通は文字を焼き入れたりは、出来ませんぞ」
役人が、困ったように。
「だから、こそ、焼き入れた文字の価値が出るとは、思わんかね?
俺だから出来るコトだ。
さらに、ハゲルと、アナタが書いた文字も、俺が焼き入れたら、絶対に改ざん出来まい。
下手に削ると羊皮紙がやぶれるだろうしな」
ダリルさんが告げるとの。
「それは、是非ともお願いしたいモノですな。
さすれざ、この保証書自体に価値が生まれたますので。
文字が焼き入れられた保証書など、探しても見当たらないレベルでしょう。
しかも、手を入れたのが深層狩人なれば、価値は計り知れないモノとなりましょうな」
番頭さんや?
ちと、落ち着いた方が良うないけぇ?
ダリルさんとハゲルさんが、呆れちょるわい。
さらに役人さん方もドン引きじゃてな。
で、役人さんとハゲルさんの記載箇所も、焼き入れ文字へと。
裏からも文字と印が確認できるでのぅ。
コレを削って改ざんなんぞ、出来ようハズもなかろうて。
こん保証書を書いたコトで、代金を更に支払う番頭さん。
なんや悪い顔になっちょらんかえ?
いや、商人らしい顔ちゅうた方が良いんじゃろか?
役人さん方は、当初思っていた倍近くの金を。
「こ、コレほどとは!
これは、流石に貰い過ぎでは!?
ダリル様」
「なんだね?」
「幾らか還元したく」
そう告げるとじゃな。
「要らぬ。
金など、狩れば何時でも手に入るのでな。
かと言え、金以外で渡せるモノなとあるまい?
取っておけば良い」
「ダリルが、そう言ってんでぇい。
取っとけ、取っとけ!」
ハゲルさんが、手の平を横にして振る。
ふむ。
豪気じゃのぅ。




