番頭さんへ、軽く売り込み(強要)しちょるようじゃて。
ダリルさんの説明を聞いて感心したようにしちょるな。
まぁ、食えんレベルの肉を、こがぁに美味うできちょるでなぁ。
ダリルさんが加工したら、捨てちょった部位じゃろうが、食えるレベルに、なるじゃろうからのぅ。
まぁ、狩りバカたるダリルさんが、そがぁなコトに手を出すとは思えんがな。
「素晴らしい味でした」
「オレが軽く調理したからな。
燻す際に水晶石を用いて水分を抜いておる。
ゆえに、同じ味ではない。
だが、この燻製肉のポテンシャルがあっての話しだ。
実は、灰汁が強く、毒が有る肉ほど美味いのだよ。
普通の者は毒に対する耐性が無い。
ゆえに食えぬようだがな。
俺のような深層で狩りをする者は、毒が宿る食材を喰らわねば、活動できんのだ。
何せ深層は遠く、数日どころか、数週間、下手したら数ヶ月は遠征せねばならん。
ゆえに食料は現地調達が基本となる。
だが、中層深部からは、毒を宿した食材が増え、深層へ進むと毒食材しかなくなる。
さらに、進むごとに毒性は高くなるのでな。
ゆえに毒を含む物を食材に、せざるを得ないのだ。
だが、そんな毒食材なのだがな。
毒性が強いほどに美味くなるのだ。
まぁ、マズくて食えぬ部位もあるが、食える部位は特に美味い。
コレは、灰汁などのマズい箇所が減ると同時に、毒が増えているから、っと考えられている。
まぁ、深層狩人の間では、だがな」
むぅ。
毒性が高いほどに美味いのかや?
どがぁな味なんじゃろか?
じゅる。
『マスター?』
ん?
『流石に毒が宿る食材は、容認できませんが?』
いやいや、何を言っちょるんなら?
流石に進んで毒は喰らわんぞい。
『ならば、良いのですが』
毒は喰らわが、毒食材には、興味あるがの。
『はい?
マスター?』
いやいや。
ちと考えれば分かるじゃろうに。
マル芋湯、アノ湯じゃ、アノ湯!
アレで灰汁抜きしちょったら、毒も同時に抜けるじゃろ?
そしたら、安全に美味い食材を食える、ちゅう訳じゃな。
『ああ、その手がありましたか!
まぁ、深層食材の入手が困難ですが』
ほうなんけぇ?
『ドロイドが潜んで、深層探索は行っております。
ですが、素材採取、この場合は植物系となりますが、その採取中に悟られ襲われます。
深層獣などに襲われれば、即座に大破ですね。
そんな状態ですので、コチラから狩るなど無謀だと言えるでしょう。
そんな現状ですので、深層の食材は、手に入れ難いのです』
ふむ?
なんか前に、深層にて狩った、ちゅうとらんかったかや?
『中層に近い浅い場所なら可能ですね。
ですが、少しでも奥へ向かうと、無事には済みませんので』
ふぅ。
深層食材は無理かえ?
残念じゃ。
「なるほど。
その灰汁抜き技術が有ってのコトですか。
しかし、ならば、この素材はダリル様の物では?」
番頭さんが、不思議そうにの。
「うむ。
見ての通り、量がな。
今日は鉱石を仕入れに来ておる。
コヤツの討伐は、予定外なのだよ。
ゆえに持ち帰るのは、難しくてな。
コチラでの鉱石対価とした訳だ」
そうダリルさんが告げるとな。
「それでは、ダリル様の方が損では?」っと。
まぁ、そう思うわのぅ。
「いや、追加で鉱石と、ソコに積んであった石山とな。
まぁ、討伐し死体を引き渡した後、契約を反故にしようとした故に斬ったがな」
石から何が出た、までは告げんようじゃな。
まぁ、要らぬトラブルの元にもなるやもしれん。
ゆえに、無駄なコトは告げんのじゃろうて。
「ふむ?
では、何故、ダリル様が交渉を?
お役人様方が成さるべきかと」
うむ。
もっともじゃな。
「俺が狩った獲物なのでな。
どの様に売られるか、気になったまで。
それに、俺とハゲル、それにロゼッタもだが、この手の相場には詳しい。
役人達なれば買い叩かれるコトもあろう。
だが、俺達には、下手な値付けは効かん。
ゆえに見届けるコトにしたのだ」
番頭さんは、内心で舌打ちしとるじゃろうな。
まぁ、ダリルさん相手では、のぅ。




