商人とハゲルさんの遣り取りへ、ダリルさんが介入したみたいじゃな。
商人さんの言葉に頷いた後にの。
「そう言うこったぬぇい。
ちと、鉱石が心許なくなりやがったんでなぁ。
仕入れに来た、ってぇ訳だぬぇい」
「左様で御座いましたか。
では、お送りする量を。
いや、さすれば、侯爵家にバレますな」
困ったように。
商人なれば、構わず売りつければ良くないけぇ?
『いえ。
納品先たるハゲルさんの気分を害しては、それこそ商売に支障がでるでしょう。
ココは、ハゲル様の意に合わせるべきかと』
なるほどのぅ。
一理あるわい。
「その話しより、そろそろ本題に入らぬかね?
帰ってヤるコトもあろう?」
ダリルさんが、話しを止めるようにの。
まぁ、確かにのぅ。
元来ならば、熊素材の交渉に立ち合い、それを済ませたら帰る予定じゃったでな。
それを、あんボンクラが娘さんを拐って売り払おう、などとしおるから、話しが逸れてしもうとる。
ちなみにバカ三人衆の遺骸は、ココのクズ貴族役人と同様に、飼い犬の餌になっちょるな。
っか、アレ妙に食い慣れちょらんかい?
『クズ貴族役人が殺した者の処分に使われていましたので。
役人たちは、ダリル様方が去られた後に始末するツモリですね。
まぁ、人肉の味を覚えた犬など、危険ですので』
はぁ?
死体を始末するために、態々、飼っておったのかえ?
『そのようですね』
とんでも無いヤツじゃのっ!
ダリルさんが始末して良かったんじゃ、なかろうか?
まぁ、そんコトは置いておいてじゃ。
ダリルさんに促される感じでの。
「そうでした。
何時もの鉱石は、引き渡し数確保し保管してある。
後で引き渡すのでな」
「代金は、物を見て判断させて頂きます。
申し訳ありませんが、そちらの貴族様と、コチラの貴族様が勝手に決めた、不平等な取引は、今後は無しでお願いいたします」
ん?
どう言う意味じゃ?
『クズ鉱石を混ぜての受け渡しだったみたいですね。
必要数に上乗せとして、グズ鉱石を買わされていたものかと』
んん?
必要数は、受け渡しちょったと?
『それは、そうでしょう。
商人が相手とは言え、後ろには侯爵家が控えております。
露見したら、無事では済みませんので』
なるほどのぅ。
そがぁなんで、小銭を稼いでおった訳かい。
じゃが、それじゃと、木端役人しか得せぬのでは?
ボンクラ店主に利は無かろうに。
『貴族位としては、グズ役人の方が上なのです。
しかもグズ領主との繋がりもあり、権力的には高かったみたいですね。
まぁ、侯爵家に睨まれてしまい、この地へ隠れていたみたいですが。
その後ろ盾を良いコトに、色々と悪さをしていたみたいですよ。
街や村では、蛇蝎の如く嫌われてますね』
トンでも無いヤツらじゃのぅ。
まぁ、不平等な取り引きであったならば、番頭さんが言うのも当然じゃて。
「それは、そうして貰って構わん。
いや、是非とも、そうしてくれ。
あの様なコトをしていると、侯爵家へ知られては、大変なコトになるのでな。
後、直ぐには難しいのだが、コチラが与えた損害については、後ほど補填させて頂こう」
そう役人が告げるとの。
番頭さんがニッコリと。
「ソチラは勉強させて頂きましょう。
誠意を見せて頂いたコトで、十分で御座います。
それよりも、お互いに弊害が除かれ重畳に存じまする。
末永き、お付き合い願えればと」
おおぅ。
良き取り引き相手なれば、先々に得を得れような。
それを鑑みるに、今の関係を修復しておけば、後々、得になろうて。
やりよるわい。
「おおっ!
それは、実に有難い。
でな。
実は鉱石以外に売りたい物がな」
そう役人が切り出すと、商人が不思議そうに。
「はて?
鉱山にて、鉱石以外を、ですかな?」
首を傾げているとの。
他の役人達が熊素材を。
何せ量が多い。
ゆえに荷車へ載せて。
いや、売りに行くために、荷車へ載せちょったみたいじゃな。
それを牽いて来たみたいじゃて。




