躊躇いなく人を、胴一文字に斬り捨てておれば、のぅ。そらぁのぅ。
とは言え、地球人なれば、こがぁにナゴぅ生きちょらんじゃろうてなぁ。
『いや、人造種なら分かりますが、このゲス共は一般人に過ぎません。
何故、こんなに長く生きているのでしょう?』
「うぷっ。
よく、あの惨状みて、普通にされていますね」
ふむ?
沙織さんには、少々厳しかったかえ?
まぁ、儂ぁ達人の方々から記憶を観せて頂いたでな。
あれより遥かに酷い状況を見ちょる。
あん程度では、動じんわい。
『私はAIですので、事実として認識しかしませんね』
そがぁなモンかいな。
そうそう。
アヤツらが死なんのは、ダリルさんが雷晶石と風晶石、そして水晶石にて、延命しちょるけぇな。
まぁ、そん補助止めたら、直ぐに身罷るじゃろうて。
っと言うか、あんなクズんコタァええけぇ、ダリルさんの方じゃて。
ほれ、ダリルさんもヤツらが居らん感じで動いちょろうがい。
『いや、それはどうかと?
とは言え、死罪で死んだ者を注目するのも違いますか』
「まだ生きているみたいですが?」
直ぐに死ぬけぇ、変わらぬのぅ。
それよりじゃ、葛篭から現れた少女にダリルさんがの。
「大丈夫か?」
ちゅうて近付き、猿グツワと手枷足枷を。
保護しようとしたんじゃろうがの。
「ひっ!」
随分と怯えちょるわい。
まぁ、自分を攫い暴行を加えた憎い相手とは言え、惨たらしく目の前で殺されたらのぅ。
そらぁ怯えるじゃろて。
「ん?
もしや、人死にへ立ち会うのは初めてかね?
平和なコトだ。
死が遠いのだろうか?」
「いやいや、ダリルよぅい。
人が普通に死ぬセケェてぇんのはよぅい。
ちとどころか、大分コェぇんだがぬぇい」
ハゲルさんが、困惑したように。
したらダリルさんがの。
「そうなのかね?
森で人が死ぬのは、珍しくも無いのでね。
まぁ、死んだ以上に、人は育つ。
っと言うか、里では毎日のように子が産まれとるが、病や怪我、狩りで狩られ、里に現れた獣に屠られる。
強くならなければ死ぬ。
そんな環境だ。
まぁ、俺は死なずに育ったがね。
兄弟は全滅しとるからなぁ」
はい?
そんコトは、初めて知ったんじゃが?
『態々、説明するコトでも、ありませんので。
まぁ、人造種末裔とは言え、血は薄まっています。
ですが、繁殖力だけは落ちておりません。
そのため、子沢山な家庭は多いですが、成人できる者は限られております。
ゆえに、ハゲルさん達が住まう世界より、死が近い世界と言えるでしょう。
そして、そんな世界ゆえに、犯罪を犯す者への対処は厳しいモノとなります。
まぁ、ソコで斬られ死に掛けているモノと、同様な刑罰が即断され執行されますね』
殺伐とし過ぎじゃろうがい。
っか、ほれ見い。
そがぁな話しするけぇ、余計に怯えてしもうたわい。
「なにやってんのさね。
仕方ないねぇ。
ほれ。
ガサツな男衆で済まないねぇ。
アタイはロゼッタてぇのさ。
鍛治師さね。
アッチで、嬢ちゃんのコトを教えて貰えないかねぇ」
そがぁなん告げ、ロゼッタ嬢が少女を連れて行ってしもうたわい。
「むぅ?
そんなに怖いのか?」
ちと、ダリルさんが気にしちょるようじゃ。
「いやいや。
目の前でよぅい。
人を斬り殺してんでぇい。
そら怖がるだろうよぅい」
「ふむ?
そんなモノかね。
里で似たようなコトがあった場合、ニコヤカに礼を告げられたのでね。
っか、生きておった罪人へ、石を投げたりしとったが?
中には直接殴ったり蹴ったりしておった。
だから、そう言うモノかとな」
ダリルさんが、困ったように。
したらハゲルさんが。
「森里はよぅい。
ちと、オッカな過ぎぬぇけぇい?」
そんな二人の遣り取りへ、番頭さんが。
「主人が失礼いたしました。
聞こえた話しでは、アナタ様は深層狩人だとか。
なれば、主人を屠った罪を問うコトは不可能でしょうな。
で、残った我々も、罪に問われるのでしょうか?」
恐る恐る。
「ん?
知らんな。
俺は少女を攫い売るゲスと、その追随者を斬ったに過ぎん。
別に司法に詳しい訳でもないのでな」
困ったようにハゲルさんを見るダリルさんじゃった。




