ジッ・クッキング!調理方法は、忍術で!
鉱夫達が入り口近こうへ来ておる頃、ダリルさんは叩いて筋切りした肉へ、香辛料を揉み込み、そんへ野菜ペーストをの。
ソレを大量に作っておるんじゃがなぁ。
やはり、忍者か?
「あの〜
ご主人様?」
「なんじゃな?」
「ダリル様が、複数人・・・十人以上に見えるのですが?
アレってアニメなどで見る分身ですか?」
ふむ?
「ありゃあ、残像拳的なヤツじゃな。
儂には、その様には見えちょらんで、定かではないんじゃがの。
移動が早いで、作業で速度が落ちちょる場合がのぅ。
恐らくなんじゃが、ぞがぁな時に残像が残って、分身しちょる様にみえるんじゃろうて。
しかしアレだけ有った肉に、野菜ペーストが塗られちょるが、全てに微電流を流しちょるのは、なんでじゃろうか?」
不思議に思うて呟くとな。
『恐らくですが、肉に野菜の酵素を馴染ませているのかと。
それにより、肉が柔らかくなり食べ易くなります。
さらに、タンパク質がアミノ酸へ分解され旨味が増すわけですが、この効果を微電流にて促進し、高めているみたいですね』
なんと!
そがぁな効果まで、微電流にはあるのかえ!
科学的には、無理じゃと思われるんじゃが?
『そうですね。
通常の電流では不可能でしょう。
ですが、雷晶石の微電流に限り可能みたいです。
コレに対する原理などは不明であり、再現不能とのコト。
マスターやダリル様が、マル芋湯にて灰汁抜きを行えるコトに似ています。
ゆえに本国では解析チームを組んで解析を試みておりますが、進展はない模様。
何故、雷晶石の微電流では、その様なコトが可能なのかは、不明となっております』
ほうなんじゃのぅ。
不思議なもんじゃてな。
儂も今朝方に、マル芋湯と結晶を造って来たがの。
原理ちゅわれても、全くじゃでなぁ。
『微電流にて酵素にてアミノ酸分解が促進されても、やはり時間は掛かるみたいですね』
ほうなんか?
じゃあ、しばし待つ感じかえ?
そう思うておったんじゃがな。
『いえ、その間に揚げ油を作るみたいですよ』
はい?
揚げ油ちゅうのは、そがぁな簡単に作れるモンなんかや?
植物油ちゅうのは、絞る素材が大量に必要じゃし、絞るのも大変じゃと、聞いたコトあるんじゃが?
『植物性の油では無く、動物性の脂から作る方法ですね。
ラードなどから揚げ油を作る遣り方と同じとなります』
おおぅ!
思い出したわい。
美味しい棒ちゅうたかえ?
あんストーリーの一つに、トンカツ大名ちゅう店でラードから揚げ油を、作るシーンがあったような?
『そんな物語りが、あるのですね。
その話が、どの様なモノかは知りませんが、まぁ、動物脂から揚げ油は作れます。
フォアハンド・レッドグリズリーの背脂の良いトコを切り出し、微塵切りにしておりますね。
しかし、凄い量です。
アレを全て使う訳では無いのでしょうが、十分に使え、え?』
ん?
どがぁしたんなら?
ダリルさんが、マル芋湯へ背脂を入れただけじゃろか?
『脂の抽出に、水へラードを入れ熱する技法はあります。
そうするコトで、ラードが焦げ付かなくなる訳ですね』
ふむ?
普通にある技法なれば、なーん驚いちょるんなら?
「問題は、タップリのマル芋湯へ熊背脂を入れたコトなのです。
脂がマル芋へ溶け、上層は油となりますが、下にはマル芋湯が溜まっております。
これマル芋湯へ油で蓋をした形ですから、下手したら爆破しますよ?」
あっ。
水蒸気爆破ちゅうヤツかいな!?
不味いんじゃね?
そう思っちょるとな。
ダリルさんは野菜ペーストを塗った肉へ、パン粉を付けてから油へと。
油と肉にマル芋湯へは、微電流が。
ぬっ?
肉が、湯と油を行ったり来たりしちょる。
油が肉をコーティングしちょるけぇ、湯が衣へ浸透せんのじゃが、湯を潜った際に余分な油と灰汁らしきモンが。
こん動きにて、水蒸気爆発が阻害されちょるな。
何ちゅう調理方なんじゃ!
たまげたわい!




