ダリル飯!ダリル飯なんかぇー!ん?食わんの?
ダリルさんが処理した肉は売り物じゃてな。
ゆえに食すコトは出来ん。
本来ならの。
じゃが、皮や牙に爪、それに骨の価値が高い。
本来は肉を売るコトはないのじゃ。
まぁ、運ぶまで痛むでな。
熊胆でさえ、素人が扱えば使い物にならんくなるでな。
じゃが、希少品としても薬品としても優秀な熊胆も確保しちょるでなぁ。
しかも処置はバッチリでじゃ。
ほじゃけぇ、肉類は売らんでも、十分に補填できるじゃろうて。
ちゅうか、逆にカナリな利益が見込まれるじゃろうな。
ほじゃけぇな。
「鉱夫達も呼んで来たらどうかね?
俺は珍しくも無いが、一般では珍しかろ。
食わしてやっても、良いと思うのだが」
ダリルさんが役人へ、そがぁ風にの。
そしたらロゼッタ嬢がな。
「味は保証するさね。
っか、ダリルが調理するから、だけどね。
熊肉もだけど、ダリルが作る料理なんて、滅多に食べれないからねぇ。
この子が作る料理は格別さ。
この機会を逃したら、二度と食べられないかもねぇ」
その様にの。
「ほほぅ?
それほどまでに?」
現在残った役人を束ねるリーダーが、懐疑的に。
「そうだぬぇい。
俺なんざぁ、あまりの美味さによぅい。
毎回惚けちまうぜぇい。
っか、ダリルの飯食えぬぇいてぇのは、考えもしたくぬぇいぬぇい」
そがぁにハゲルさんが言うとの。
「い、いや。
それ、大丈夫かね?」
役人が不安そうに。
「?
何がだね?」
ダリルさんが不思議そうに。
「いや、食べたら惚けるのだろ?
何か危ない成分でも入っているのでは、ないのかね」
困り顔での。
したらロゼッタ嬢がな。
「身体に害はないわさ。
逆に元気になるくらいさね」
い、いや。
それじゃと、食ったらハイになるちゅうて、勘違いされんかえ?
「つまり、興奮作用があると?」
ほれ見てみい。
で、ダリルさんが溜息を吐いての。
「変な物は足してはおらん。
逆に灰汁や毒素などは、先程の湯通しにて除去しておるのでな。
このマル芋粉を使用した灰汁抜きは、最近、俺が見付けた遣り方なのだが、放術が使えんと行えんのだ。
湯に雷晶石から放出した微電流を、流さねば灰汁抜きが行えんからな。
で、この下処理した食材を調理するのだが、この調理時に微電流を流しつつな。
そうするコトで旨みが増し、料理として調和する。
タダでさえ、マル芋湯の灰汁抜きにて旨みも増しておった食材だ。
それを適切に調理すれば、さらに旨味が増す。
その旨味に頭が付いて行けぬようでな。
夢遊病みたいに食べておる。
まぁ、側からは異様に見えるが、害はない」
うむ。
ダリルさんの話を聞いて、皆がドン引きじゃでな。
「まぁ、無理に食う必要はない。
今から俺達の飯を作るゆえ、ついでに誘っただけだ。
嫌ならば、俺達だけで食すゆえ」
まぁ、肉を分けて貰うちゅうコトで解体しちょるけぇな。
肉を調理に使うのは問題あるまいて。
「ハッキリ言うさね。
今、食べなかったら、絶対に後悔するよ、アンタ達。
まぁ、アタイが作る訳じゃ無し。
どうでも良いわさ」
リーダー格の役人が戸惑っちょるとな。
「俺は食うぞ!
鉱夫達が食うか、先程、知らせに向かわせた。
ちょっと待って貰えるかね」
リーダー格とは別の役人が、そがぁな感じでの。
まぁ、彼の方が年上で、古株ちゅう感じじゃろうか。
彼は役職的にはリーダー格の役人より下じゃが、古株ゆえに一目置かれておるようじゃな。
他の役人達が賛同しちょるで、リーダー格な役人も折れたようじゃて。
ってもの。
何かあって責任取るんは、リーダー格の役人じゃからのぅ。
役職が高いモンも辛いトコじゃてな。
ん?
古株の役人?
無役ゆえ、責任は軽いでのぅ。
処罰受けても、役職有りな輩よりは軽い。
じゃで、気楽に告げちょるわけじゃて。
っうてもな。
顔見知りのハゲルさんやロゼッタ嬢を信頼しちょるで、それが判断材料みたいじゃぞ。
全くの考えなしでは、無いみたいじゃてな。




