バカの配下はバカ、では、無かったようじゃな。
鉱石なのじゃがな、ダリルを恐れた鉱夫と役人がのぅ、追加にて持って来ると言う事態になっちょる。
最初は無用と断っちょったが、ハゲルさんとロゼッタのが受けるようにの。
「おい」
ダリルさんが、困ったように。
したらハゲルさんがの。
「コチラの都合じゃぬぇで、アチラん都合を考えぬぇい。
バカとは言え、上が馬鹿ヤラかしてんでぇい。
補填しぬぇいと、不安にならぁなぁ」
「そうさねぇ。
契約を警告されたのに、一方的に破棄してんさね。
それが上役だよ?
ダリルは気にして無いようだけどさ。
普通なら組織として咎められるわさ」
ほうじゃのぅ。
例えばじゃが、社員の不祥事なんぞで、上役が泥を被るコトがあるじゃろ?
じゃがの。
逆に上役の不祥事なんぞで、部署解散や下手したら会社が倒産するちゅう場合もの。
まぁ、ケースバイケースなんじゃがな。
での、こん度の不祥事なんじゃが、短気なタイプの深層狩人じゃったら、どがぁなっちょったじゃろうかのぅ?
とは言え、まぁ、こがぁな交渉になる前にじゃ、恐くは斬られちょるじゃろうが。
それでもじゃ。
アヤツが斬られるちゅうシチュエーションまで、コトが及んだとしようわえ。
そがぁな場合、まずは間違いなく、連座で斬っちょろうな。
ガウランドさんなれば、まぁ、役人連中は生かしちょらん。
御伽話ちゅう感じにされちょるが、伝え聞く話ではのぅ。
なれば、多少でも阿るちゅうもんじゃわい。
そこをトコを、ハゲルさんとロゼッタ嬢がの。
「ふむ。
そこら辺の機微は、流石に分からん。
だが、確かに師匠なれば斬っておるか。
まぁ、俺は、そんな無駄なコトはせんがな」
「無駄なのかい?」
ロゼッタ嬢が不思議そうに。
「ヤルのは簡単だ。
だが、それをしたら鉱山が潰れよう?
ロゼッタ達の仕入れ先が、一つ潰えるコトにもなろうよ。
俺的には、プラティオンが産出される鉱山が潰えるのも、困りもの。
代わりの鉱山を探す手間も出るだろうからな」
「なるほどぬぇい。
まぁ、ダリルの考えは分かったぜぇい。
なればこそ、受け取ってやんぬぇい。
コヤツらも、安心するてぇモンだかんよぅい」
そがぁな遣り取りの後、追加で鉱石を。
荷車へは、ハゲルさんとロゼッタ嬢が乗るスペース以外は埋まる。
残りは、ギーゼットとダリルさんが運ぶようだ。
持ち帰る準備が終わると、昼をカナリ過ぎていた。
「ふむ。
帰って食べても良いが、ココで食すも良かろう」
「フッ」
「なんだね?」
「どうせダリルのコトだ。
アイツを捌いてやろう、ってぇ、考えてんだろ?」
するとダリルさんが、頭を掻き掻き。
「まぁな」っと、顔をプイちゅうて背けての。
そん後、役人連中へな。
「アヤツの肉を分けては貰えんかね?
代金は払うゆえ」っと。
したらロゼッタ嬢がの。
「お人好しは、大概にしなっ!」
ちゅうてな。
したら役人達が戸惑ったようにの。
「どう言う意味でしょうか?」っと。
したら、ロゼッタ嬢が説明を。
「アンタらが、追加で鉱石寄越しただろ?
あれでダリルの態度が軟化してんのさね。
あれ、キチンと解体したら十分な補填になるねぇ。
けどさ。
下手な扱いしたら、二束三文さね。
だからダリルが、肉を分けて貰う口実に、解体を申し出てんのさね。
なのに肉へ金を?
普通は解体費を貰うモンなんだけどねぇ。
お人好しも、大概におしっ!」
「そうだぜぇい。
何事にも線引きは必要だぬぇい。
後、肉もだがよぅい、鍋釜を借りれぬぇけぇ?
鉱夫連中はよぉい、飯食って採掘行ってんだろ。
厨房は空いてんだろーがよぅい」
ハゲルさんが告げるとの、役人達は即座に了承を。
正直、バカのせいで、多大な出費が。
鉱山の運営に問題が出るレベルである。
それが補填される可能性が出て来た訳だ。
っと言うかじゃ。
ダリルさんが申し出てんかったら、確実に傷んで売り物にならんかったじゃろうて。
ま、あんバカ相手じゃけぇ放置しちょったが、今なれば、手を貸しても良かろうわい。




