よほど嫌われちょったんかい?扱いが酷過ぎるんじゃが?
四分割されたアホが、地に散らばる。
不思議なもんでな。
両足で立った侭じゃ。
血が噴水の様に吹き出しちょるがの。
そがぁな残骸を無視して荷を纏めるダリルさん。
もはや存在自体を無かったが如くじゃな。
そんなダリルさんを見ながら、鉱夫の一人がの。
「捕まえなくて良いのか?」っと。
そう問われた警備役人がな。
「俺に死ねと?」
まぁ、そうなるわなぁ。
「それにだ。
契約で斬り棄てると告げられている。
警告も受けているな。
相手は深層狩人なんだぞ。
その特権だけで、本来なら既に斬り棄てられていて、おかしくないのだ。
それを温情で生かして頂いていたのに、不意にしたのはヤツだ。
まぁ、貴族階級ゆえ、何時もの理不尽が罷り通るとでも思ったのだろうな。
ココにはヤツ以外に、貴族階級の輩はおらん。
逆らう者など居なかったんだからな」
苦々し気に吐き捨てておるな。
暴虐無人なコトをしちょったとみえる。
っか鉱夫達がシャベルにて、ヤツの残骸をズタ袋へと。
ドコへ?っと思うたらの。
鉱山で飼っておる番犬に食わせちょるわい。
弔う気なんぞ、全くないみたいじゃ。
まぁ、国の法律でも、深層狩人に逆らったら、国家反逆罪を犯した罪人とされとる。
一個人に逆らって国家反逆罪は、のぅ。
じゃが、国を滅ぼした存在じゃでなぁ。
仕方ないのやもしれん。
っか、ダリルさんが、また変なコトしちょらんかえ?
小粒な宝石を種類ごとに纏めちょるのは、分かる。
で、そん纏めたモンへ、同種の宝石を削った削り粉を掛けちょるな。
これ、風繭ごとに行っておるんじゃが、なにしちょるんじゃろか?
『宝石を研磨して整えていますね。
真球と楕円球の二種類でしょうか。
風で無造作にカットしていますが、宝石職人泣かせな技ですね。
しかし、研磨した粉もカットに使いますか。
あのデキならば、カナリの高値で売れるかと。
それに集めたクズ宝石と削り粉ですが、恐らく溶かして再結晶化させるのかと』
はぁ?
そがぁなコトが、可能なんかぇ?
「はい、出来ます。
地球でも行われている技術ですね。
ただ純粋な宝石へ再結晶化させるには、高温にて溶かす必要があります。
本来ならば、それなりの施設が必要なのですが」
プラティオンを溶かしちょるでなぁ。
あれ、地球の金属炉でも溶かすコトが出来ん代物じゃ。
ほじゃけぇ、こん世界では加工不能な鉱物あつかいに、なっちょる。
そがぁなプラティオンを溶かすダリルさんじゃてな。
まぁ、宝石を溶かす位は、しようか。
で、宝石の研磨が終わり、宝石を溶かし再結晶化しちょるな。
っか、のぅ。
溶かして再結晶化すんじゃけぇ、形は自由自在てか?
ウサギにキツネ、野鼠に猫や犬。
様々じゃて。
ギーゼットやポックルにジェムもかえ?
数は多くはない。
無いんじゃが、売ったら凄い事になりそうじゃな。
そがぁに思っちょったらの。
「ふむ。
こんな物か」
ダリルさんが、呟くように。
「アンタさぁ。
この一瞬で、信じられないコトしてんじゃ無いわさ。
で、それ売るのかい?」
呆れた様に。
「いや?
これは土産だな。
ウチは女性が多いからな。
ちと、気の利いた品くらい土産に、っと、思ったのだよ。
ロゼッタは、ココから選んでくれ。
置物と装飾用の二つだな。
装飾用はデザインの好みもあろう。
身に付ける方は、帰ってから検討だな」
シレっと、そがぁなコトを。
気っ風が良いのぅ。
しかも全く惜しげも無い感じじゃでな。
なんちゅう太っ腹なコトよ。
「はぁ?
それ、土産かい!?」
「そうだが?
変かね?」
「変かって、アンタねぇ」
ロゼッタ嬢が、両目を片手で覆い上を向く。
呆れを通り越した感じじゃわな。
「で、俺のは?」
ハゲルさんが、そがぁなコトを。
「?
ハゲルは、宝石に興味が?
男には不要と思ったのだが、要るのか?」
ふむ?
ハゲルさんが、宝飾品を?
似合わん!




