ダリルさんが、対価の石山を処理するようじゃぞい。
まぁ、素人さんには、そがぁな価値なんぞ分かるハズが無いでな。
自分が判断できる鉱石を、大量に持って行かれる、ちゅう感じにの。
いやいや。
確実に死ぬトコを助けて貰うちょるだけでも、対価として安いんじゃが?
それへフォアハンド・レッドグリズリー一匹丸々の素体じゃぞい。
しかも、頗る状態の良いの。
滅茶苦茶、得しておるちゅうのに、全く理解しちょらんみたいで不満顔をしちょる。
周りの鉱夫達が呆れちょるな。
で、そんな彼の前でダリルさんが、石山の処理をの。
こがな大量の石を持ち運べんでな、どがぁすんじゃ?
したらの、ダリルさんが石を一つ持って。
いや、持って?
はい?
なんか、手の平から上で浮いちょらんか?
あ、風晶石にて浮かせちょるの。
しかし、なして、そがぁなコトを?
ん?
火で炙り、雷で脆くし、脆くなった箇所を風が削っておる。
削った石粉に霧が纏い、雷が帯電しつつ、風にて舞う。
そがぁな石粉が、石を磨るように舞い、火と雷にて脆うなった石を削る。
一個目が、完全に粉にの。
何がしたいんじゃろか?
で、次々に石を粉にの。
いやいや。
最初は一個しか宙を舞っちょらんかったんじゃが、今では数十個の石が。
っか、ん?
宙に浮いた石が派手じゃったでな、気付いておらなんだんじゃが、ダリルさんの足元に何かが。
『宝石ですね。
カット前ですが、不純物は取り去られているため、十分な商品価値があるでしょう』
はい?
何時の間に、そがぁなモンが?
『はい?
マスターは気付かれてなかったので?』
?
何がじゃ?
『アレ、石から出て来た物ですが。
っというか、石から発掘するために、行っているのかと』
あ、なんか落ちちょると思うては、おったんじゃがな。
石削りのパフォーマンスが派手で、見逃しちょったわい。
『ミスディレクションみたいな感じになったのでしょうね』
はい?
な、なんじゃあ?
ミス、ディレクター?
オナゴなディレクターかいの?
『ミスディレクションですよ。
マジックなどで、相手の視線などを誘導して気付かせない技法ですね。
見ていれば分かるコトを、視線誘導して誤魔化し、不思議な現象と錯覚させるワザとなります。
この度は派手な演出に視線が奪われ、宝石や貴金属が取り出されているコトに気付かせてないみたいです。
アレ、ワザとしてますね。
ダリル様は、マジシャンとしてね素養も持っておられるかと』
っうコトは、ありぁワザとしちょるんかいな。
いや、カラクリにゃあ気付いておったぞい。
どがぁに晶石使ったら、あがぁなコト出来るか、とかのぅ。
中々に勉強になるでなぁ。
まさに晶石使いの匠ちゅうても、良いじゃろて。
晶石の力も組み合わせると、様々なコトが出来るんじゃ、っと、感心もしちょったで。
じゃが、ソレが目眩しじゃとは、流石に気付かんかったわい。
っか、見る見る間に、石の山が崩れ消えて行くんじゃが?
あの見上げる感じの山が。
鉱石と扱われんゴミと扱われる石。
それを積み上げちょったんじゃがな。
そりゃあ、のぅ。
鉱山で採掘しちょったら、大量に出るわなぁ。
正直、場所を取って邪魔じゃったじゃろうて。
そがぁな石山が消えるんじゃけぇ、鉱山管理者としては、得しかあるまい。
安い値で討伐をして貰い、狩った獲物を鉱石と捨てた石山で受け取り、さらに邪魔な石山を除去して貰うちょるでな。
こがぁな厚遇を受けちょるんじゃけぇ、クレームなんぞ、あるハズがない。
普通なればの。
「待て!
その宝石らしき物と、インゴットはなんだ!
金に銀などの希少品金属インゴットではないか!」
役人が騒いでおるんじゃが?
「ん?
対価で貰った石山から取り出したのだが?
どうかしたかね?」
「そんな物が出るとは、聞いておらん。
置いて行け!」
バカか、コヤツ?
「聞こえないのかね?
置いて、あがっ?
ぎがぁっ!!」
うん、袈裟斬り二回。
胴体が斜めクロスにて四分割へと。
「契約通り、無体な暴言にて斬り棄てた。
異論がある者が居るなれば、聞くが?」
そうダリルさんが告げるとの。
拍手喝采が。
いや、どんだけ嫌われてちょったんなら?
引くわー




