ハゲルさん?鉱石は仕入れられたかいのぅ?ん?役人が青白うなっちょらんかえ?
顔を青白くさせタジロいちょる役人に、呆れ顔のハゲルさんとロゼッタ嬢。
そんな場へダリルさんがの。
「まだ掛かるのかね?」っと。
「そうさねぇ。
もうチョイとばかり欲しいんさね。
けど、乗らないからねぇ」
ロゼッタ嬢が困ったように。
「金額的にぁよぉい。
最初ふざけた値付けしやがったんでぬぇい。
あらかじめ、こん領の寄親たる侯爵様から免状貰ってんのをぉ、見せたら値引いてくれたぜぇい」
ハゲルさんが、悪い顔で。
役人は、今の領主の子飼いであり、虎の威を借っていた訳だ。
だが、領主の寄親たる侯爵相手では、分が悪い。
「良く、そんな物を持っていたな」
ダリルさんが、関心したように。
「いや、よぉうい。
侯爵様は、お得意様だかんぬぇい。
今も、侯爵領の兵士が使う武具を打ってんでぇい。
つまり、そん武具を打つための素材だぬぇい。
だからよぅい。
無体なコトして来たら、その分が武具の値段に掛からぁな。
で、原因が、ココで値を吹っ掛けられた、って、なりゃあよぉい。
そらぁ、木っ葉役人なんざぁ、一族郎党連座だろーぜぇい」
「ひっ!
だから、この値にしたんだろ!
もう、良かろう?」
慌てておるな。
恐らくは、相場よりはカナリ高く売り付けておったのじゃろうな。
ハゲルさんみたいに、この場で明かしておれば、用心もできよう。
じゃが、大半は価格に上乗せして売るでな。
で、理由は、こん鉱山での値が高騰したため、ちゅうコトになるじゃろうて。
そがぁなったら、原因が領管理の鉱山ちゅうコトに。
むろん、ボンクラ領主へ直訴しても、逆に害となるでな。
ほじゃったら、寄親の侯爵へ、っと。
まぁ、侯爵止まりなれば良かったんじゃがな。
こん騒ぎは公爵や王家まで届いておる。
そんため、役人の一族郎党連座にて厳罰が決まっちょるで。
知らぬは、本人ばかりなり、ちゅうてな。
しかも、現領主は廃爵となるでのぅ。
それも一族郎党連座でじゃ。
敏いモンは、隣国へ亡命しちょる。
まぁ、そん才覚があれば、隣国でも暮らせよう。
じゃが、全く気付かずに、我が世の春を謳歌しちょるボンクラ共もの。
特に現領主と、その血縁者の死罪は免れんじゃろて。
そがなコトは知らん木っ葉役人は、難を逃れられたちゅう感じじゃな。
で、そんなアホには気にも止めずにダリルさんがの。
「ギーゼットに運んで貰えば良かろう。
おそらくは、荷車を牽くコトは難しかろうからな。
それに、インゴットにすれば、運べる量が増えよう。
俺が製錬してやろう」
そがぁなコトを、シレッとの。
「アンタねぇ。
してくれるのは、有り難いんだけどさ。
どうやったんさね?」
ロゼッタ嬢が、呆れたように。
それへダリルさんがの。
「ん?
晶石を使っただけだが?」
なんでも無いように言うちょるんじゃがの、アレ、普通じゃないからの!
『それは、そうでしょう。
放術師にしか、行えないですから』
そう言う意味じゃないんじゃよ。
アリャ、並の放術師では出来んからの。
『そうなのです?』
うむ。
複数の火晶石と雷晶石に風晶石、それと水晶石も使っちょるでな。
『全種類じゃないですか!』
ほうじゃ。
しかも、一種類に複数の晶石じゃて。
同一種の晶石を複数操るのも、結構大変なんじゃぞ。
それを、複数種類でじゃ。
儂でも頑張らんと出来んからの!
『出来るんですかぁ!』
まぁの。
ダリルさんが行っちょるのを見ちょるけぇな。
ま、見取稽古みたいなモンじゃてな。
じゃが、一から考えて行うのは無理じゃぞ。
ダリルさんを見ちょるけぇ、こそ、じゃけぇな。
『そうなのですね』
「ふぅ。
私には、ご主人様とダリル様との違いが分かりませんが?」
『沙織!
しぃー!』
はい?
いや、明らかにダリルさんより普通じゃろに?
『普通とは?』
「www」
酷くね?
しかしじゃ。
風繭に封じた鉱石を、炎と雷にて熱しつつ電子分解しちょる。
それを風で形成じゃな。
風だけでは、熱が風繭外へ放出されるで、風に霧を混ぜちょる。
熱せられ蒸発した水分は、上空へとの。
あがな繊細なコントロール、今の儂にはキツイわい!




