鉱石の買い付けじゃの。ダリルさんは、捨てられたプラティオン鉱石の回収かえ。ん?
ハゲルさんとロゼッタ嬢からの説明が終わり、必要な鉱石を買い付けちょるな。
しかし、結構な量じゃのぅ。
『未精製ですから、不要な物が量を増しているのです。
精製してインゴットにすれば、不要な物質が減り、持ち運べる量が増えるのですが』
いやいや。
そがぁなん無理じゃろて。
製錬するにも炉が必要じゃてな。
炉を動かすには燃料が必要じゃ。
こん近くにも林はある。
じゃが、炉なんぞに木材使っておったら、直ぐにハゲ山になるわいな。
『まぁ、そうでしょうね。
そのため、調達する量が多いのにも関わらず、得られる金属は少ないのですが』
まぁ、仕方ないわな。
っと、ん?
いや、ダリルさん?
変なコトしちょらんかえ。
『どう、なされました?』
いや、なんかのぅ。
集めたプラティオン鉱石なんじゃがな。
形が変化しちょるような?
っか、なんか分離しちょる?
っか、っか、はい?
宙に浮いておるの。
で、ドロドロに溶けつつ、分離しちょるぞい。
『分析しました。
プラティオン、鉄、銅、銀、金、その他、不要物な金属外に分離されております。
次々と辺りへ捨てられた、プラティオン鉱石を溶かし、金属を抽出している模様』
人間製錬炉かぁっ!
いや、人間?
『無茶苦茶過ぎますね。
ただ、持ち運べる量が減ってはいます。
鉱石から製錬して取り出した金属は、元の十分の一程度となっておりますから』
製錬した金属を、荷車へ積めておるな。
っか、辺りが騒いでおるが、ダリルさんは気にしちょらんで。
本来ならば、捨てていたとは言え、使える様になった品じゃでな。
イチャモン付けて奪おうちゅう輩も出るじゃろうて。
じゃが、ハゲルさん達が、ダリルさんが深層狩人と告げておる。
深層獣を倒す存在であり、過去に国を滅ぼした深層狩人の弟子であるコトもじゃ。
下手に手を出すと、ダリルさんじゃろうが処分するじゃろう。
何せ国から斬り棄て御免が、許可されちょるでなぁ。
まぁ、ダリルさんは無体なコトはせん。
基本的に狩りにしか興味も無いでな。
じゃが、変なイチャモン付けたら、命の保証なんぞない。
ある意味では、野生動物に近いじゃろうて。
関わらねば、アチラも何もせん。
変なチョッカイ掛けて襲われても、チョッカイ掛けるのが悪いでな。
しかも傍にはギーゼットが控えておる。
不用意なコトをすれば、彼女も黙っておらんでな。
で、交渉しつつ、ダリルさんの行動を見ちょったハゲルさんがの。
「毎回、毎回、シレッと規格外なコトをしやがるぜぇい」っと。
役人もダリルさんの行動を見て、目を丸くしちょるな。
ちとイヤな目を。
「間違えても、ダリルへ変なチョッカイ掛けんじゃないよ。
殺されそうになっても、庇わないかんね」
ロゼッタ嬢が釘を刺す。
「役人に手を出すと?」
「国を滅ぼす存在さね。
ダリルの師匠は、他国の王を討ち取ってるわねぇ。
それに、国から、斬り棄て御免、の免状を下賜された存在なんだよ。
アンタが斬り棄てられても、違法を行った、で、切り捨てられるわさ。
それで良いなら、止めないよ」
ロゼッタ嬢に告げられ、渋い顔に。
「オメェよぉい。
前に俺が〆たのに、むぁだぁ、懲りないのけぇ?
コッチもシガナイ鍛治師だがよぉい。
それなりのツテてぇのが、あらぁな。
変なコトしたら」
「次は無いって、伝えてたんだけどねぇ。
理解できて無いのかねぇ?」
二人の目が剣呑になっておるんじゃが?
流石に青褪めておるの。
「な、何もしねぇよ。
や、やだなぁ、旦那方」
そんな彼への。
「噂じゃぁよぉい。
買い付けに来たモンに、不当な値を吹っ掛けてるてぇじゃねぇけぇ?
あまり、無体なコトしぬぇ方が良いぜぇい。
っか、俺が知るくれぇだかんよぉい。
考えた方が良くぬぅえいけぇ?」
なんか役人の顔が青くなっちょるの。
立派な小悪党ちゅう感じかや?
困ったもんじゃてな。




