シムエル嬢が優秀じゃあ分かったがの、ダリルさんに必要かや?
シムエル嬢が会計事務に強いと知ったダリルさんなんじゃがな。
「ふむ?
事務や会計かね。
俺には、縁がない話しだな」
ダリルさんが、そのように。
それへシムエル嬢がの。
「えーっと、ダリルさんも、物の売り買いはしますよね?
税金とか、金銭の管理とかは必要では?
それに、相手によっては、詐欺を働く輩も居ますし」
「ダリルへ詐欺を働くヤツは居ないハズさね。
居たとしても、バレたら居なくなるからねぇ」
ロゼッタ嬢が、そのように。
いや、意味が分からないのじゃが?
それはシムエル嬢も同じようじゃったようでな。
「え?
掛け合いは商売の基本ですから、普通にして来ますよね?」
まぁ、ほうじゃろな。
「普通は、そうだろうねぇ。
だけどねぇ。
ダリルは、深層狩人なんだわさ。
国を滅ぼす存在に対して、買い叩くのかい?
ある意味、斬り棄て御免、って許可も流布されてるわさ」
「え!?
アレって、デマでは?」
「ん?
師匠に対して、法外な値を吹っ掛けたり、素材を買い叩いたバカが居たみたいだな。
コチラは相場を理解して赴いておる。
交渉前に、コチラが深層狩人と明かしてから交渉だな。
それで舐めた真似したバカを、その場にて斬り棄てたそうだぞ。
まぁ、件の騒ぎがあった後だ。
役人が同行してたので、無体なコトはセンとでも思ったのだろうよ。
結果は師匠の行為を認め、斬り棄てられた店主が悪人として晒される始末になったみたいだ。
アレは極端な例だが、余りにもも酷い場合は、俺も斬り棄てるだろう」
シムエル嬢、唖然。
「アンタら若い連中は、深層狩人の話しを、御伽話的に考えてるみたいだけどねぇ。
実際に起こった話しだわさ。
まぁ、最近は深層狩人が、コチラ側へ現れなかったから、国としては無かった話しにしたいみたいなんだけどねぇ。
ダリルが現れたから、今頃は慌ててるだろうさね」
ロゼッタ嬢が、ぞがぁ風に告げるとな。
「まぁ、ぬぇい。
統治すん側からしたらよぉい。
ぞがぁな例外は、なるべく無くしてぇいだろうよぉい。
特に王が代替わりしたかんなぁ。
若い王からしたらよぉい、理不尽な特例は無くしてぇだろうかんよぉい」
ハゲルさんが、困ったように。
したらロゼッタ嬢がな。
「周りから諌められて、廃案に出来ないって、かなり怒ってる、って聞いてるわさ。
アタイ達みたいな市井にまで、聞こえて来るくらいだからさぁ」
「いや、よぉい。
それ、ワザと流布してんぜぇい」
「はい?
なんで、態々、そんなコトすんのさ?」
「文官どころか、武官のお歴々が、全て反対してっからよぉい。
まぁ、当時を直に知ってりゃあよぉい、まぁ、そうなるだろーぬぇい。
そうなりゃあ、よぅい。
世論てぇのを、味方に付けりゃあ、ぞがぁな輩を黙らせれる、ってよぉい。
おそらく、そんな、こったろーぜぇい」
ハゲルさんが、ぞがぁに言うとの。
「イヤイヤ。
流石に王が、そんな短絡的なハズが無いわさ。
下手したら、国が滅ぶんだよ?」
ロゼッタ嬢が、呆れたようにの。
したらハゲルさんが。
「だからよぉい。
産まれる前の話しで、産まれてから深層狩人が現れた話しを聞かぬぇい。
そんなブランクが、深層狩人の存在を疑わせたんじゃぬぇけぇ?
だからよぉい。
ダリルてぇ、深層狩人が現れて、今頃城は、大騒ぎだろうぜぇい」
ハゲルさんが告げるとな。
「?
なんで、そうなる?
別に俺は、関わる気は無いのだが?
まぁ、チョッカイ掛けて来たら、相応の制裁を行うがな」
シレッとの。
いやいや。
「だからさぁ。
その制裁てぇのを、普通は出来ないなさね。
逆に、国へ制裁できる存在だから、騒いでんの!
分かる?」
ロゼッタ嬢が、困ったように。
したら、ダリルさんが首を捻っての。
「はて?
制裁されるようなコトをせねば、良いだけであろ?
問題にはなるまい」
理解できん、ちゅう感じで。
まぁ、そうなんじゃがなっ!




