いやいや、儂が招いたでな、そがぁに花咲さんを、の。ん?こんヒーローを知らん!?マジかぁー!
まぁ、そがぁな話しをしたりしたんじゃがな。
料理は諦めて我慢して貰うコトにの。
っか、沙織さんがの。
「だいたい、ご主人様が自信を無くしたアナタを哀れんで、映像世界へ招待して下さったのです。
普通は映像世界へ一般人が招かれるコトなど無いのですからね。
増長しないように!」
ちゅう感じで、花咲さんを諌めちょるな。
「そうですね。
ドリームステージが提供する映像空間は、世界でもセレブな方々が、会員制でのみ使用できるものです。
マスターの場合は、映像空間でなく映像世界。
クオリティも規模も違います。
ゆえに、会員の方でも選ばれた方にしか提供されません。
そうですね。
一回当たり、日本円で二億ほどでしょうか。
資格的にもですが、金額的にも、花咲様がサービスを受けるのは不可能でしょう。
まぁ、映像世界はマスターのお力です。
ゆえに、マスターが施されるなれば、何も言われないでしょう。
ですが、本来ならば受けられぬサービスであったコトは、重々ご認識を」
ジェミアさんが、チクチクと。
う〜むぅ。
花咲さんの顔が真っ青じゃて。
脅し過ぎじゃろがい。
そう思っておったのじゃがな。
「ご主人様は、少々、現実を把握されておらず、さらに浮世離れしたトコロがあります。
そのため、気に入った者に容易く施すコトがありますが、通常なれば有り得ないコトなのですよ。
今回が幸運であり、奇跡的なコトだった。
そのコトを、強く認識しなさい」
諭すように告げちょるんじゃが。
はて?
そがぁに大袈裟なコトかいな?
「マスターへ警官が、無体な職質をしようとしたコトがキッカケで、世界が一変しておりますが?
マスターは、ご自分の立ち位置を、今一度お考え直されては?」
ジェミアさんが、そがぁなん言うんじゃがの。
「やじゃっ!
儂ゃあ、一般人でエエんじゃっ!
ほれ、アレじゃ、アレ。
スーパーマンもスパイダーマンも、仮面ライダーや月光仮面も、変身前は一般人じゃ!
なれば、儂かて一般人で良かろうがっ!」
儂が、そがぁ風に告げるとの。
「なんの話しをされておられるので?」
ちゅうて、ジェミアさんが戸惑っておる。
もしや、スーパーマンやスパイダーマンを、知らんのかえ!?
「アニメや漫画に映画とか、特撮のキャラクターですね。
しかし、月光仮面は古過ぎません?」
「先輩?
月光仮面ってなんです?
っか、なんで、そんなの知っているんです」
ふ、古過ぎるじゃ、とぉ!
なんたるコトじゃ。
コレが、ジェネレーションギャップちゅうヤツかや?
「父が古いアニメや特撮を観るのが趣味なんです。
たまに付き合って観てますから」
ほう?
宏也さんが、かえ?
意外と話しが合うやもな。
怪傑ライオンマルとか、仮面の忍者赤影とかも、分かるかのぅ。
黄金バットは、是非にとも押さえておいて欲しいもんじゃて。
ほいやぁ、黄金バットの等身大フィギュアが、静岡県の博物館にあるそうな。
遠足で訪れた園児が怯えて泣き出すと言う、微笑ましいエピソードがあるそうでのぅ。
『いや。
全く、微笑ましくないですが?
どんなフィギュア?
頭が髑髏じゃないですか!
なんですか!
ボタンを押すと、ワハハハハハッ、って、笑い出すのは、仕様なんですか!?』
ん?
黄金バットは、その笑い声が特徴じゃぞ。
素晴らしいヒーローじゃろがい。
『ヒーローだったぁ!?』
ヒーロー以外、なんじゃ言うんなら?
『どう見ても、悪役ですが?』
こがぁな金ピカな悪役が居ってたまるかぁ!
悪役には、ブラックバットが居るわい!
『頭が髑髏な怪人が、まだ出るんですか?
逆にどんな物語りなのか、非常に気になりますね。
しかし、頭は骸骨なのに、体はマッチョなプロレスラーですか?
裸体にブリーフパンツ、編み上げブーツとマントで、ステッキを。
完全に不審者じゃないですかっ!
これで頭が髑髏で、全身が金色!?
絶対に、ヒーローじゃないですよね、コレぇ!!』
うーむぅ。
ジェミアさんには受け入れて貰えんかったかえ。
難しいもんじゃて。




