佐伯さんの癖ちゅうか、課題は姿勢じゃったでな。それも骨格の歪みじゃて。さて治したけぇな、どがぁなじゃろか?
ジェミアさんの指摘通りじゃてな。
許可なしにて行うのは、不味かったわぇ。
「佐伯さんや」
「はい!」
「無断で矯正して悪かったのぅ」
とりあえず謝ったんじゃがな。
「とんでもないです!
なんか、身体が楽になったんですが!
前から有った気怠さや、軽い頭痛が消えましたし。
それに、何だか身体がスムーズに。
そう、油が切れた感じから滑らかに動く様になった。
そんな感じでしょうか?
病院へ行っても原因不明で、何年も前から諦めていたんです。
ありがとうございます!」
なんや知らんが、深々と頭を下げられてしもうたわい。
「多羅様は、接骨などの知識も?」
ぞがぁ風に沙織さんがの。
ほじゃけぇな。
「儂、ちゅうより、記憶を覗いた達人達から得た技量じゃてな。
武術ちゅうのは、効率的に身体を壊すワザじゃて。
つまりはじゃ。
身体の構造に精通しちょらにゃならん訳じゃて。
逆に壊すために精通した知識は、治すにも使えてのぅ。
達人達が、たつきを得る手段として活用されちょったでな。
逆に、このレベルの歪みになると、医者では判断できまいて。
一見すると、異常ないように見えるでなぁ。
儂も達人達の知識と技量、それに経験を得ちょらんかったら、分からんかったでなぁ」
ぞがな感じで告げるとな。
「ふぅ。
コレで一般人と言われるんですから」
ちゅうて呆れられたわい。
解せん!
「そがぁなコトよりじゃ。
ギターを弾いてみなされ。
違うハズじゃでな」
儂が、そう促すとの。
佐伯さんが半信半疑でギターを。
弾き始めるとの、花咲さんだけじゃのうて、受講者さん方々も驚いちょるでなぁ。
まぁ、あれじゃ、アレ。
ビフォア・アフターちゅうヤツじゃてなぁ。
まさに劇的じゃて、そりゃ驚くて。
っか、儂も驚いちょったがな。
姿勢一つで、ココまで変わるとは、流石に思うておらなんだで。
で、な。
弾き終えたで、佐伯さんにの。
「どうじゃな?」っと。
したらの。
「凄く弾き易くなりました。
私生活に影響は無かったんですけど、倦怠感と頭痛に悩まされてたんです。
ソレが無くなったんですが、それだけでなくて、ですね。
なんか、本当に身体がスムーズに動くし、指も思うようにですね。
身体の可動域も広がった感じなんですよ。
音の聞き分けも、違った感じですし。
ホント、ありがとうございます!」
なんか、凄い感謝されちょるんじゃがな。
まぁ、問題無いなら良いわい。
「ただのぅ。
骨の位置を矯正したでな。
ちと身体には負担が出るじゃろうて。
ほじゃけえな。
施設の医者に診察させるけぇ、受診して帰って貰えますかいのぅ。
お代は儂が持ちますけぇ、絶対ですぞい。
多分じゃが、矯正箇所に負担が出るハズじゃて。
湿布が必要じゃ。
あと、熱が出るじゃろうから、解熱剤もじゃな。
これらは、流石に儂は手が出せんでな。
先ほどの矯正は、本格的な感じじゃないけぇ、まだ医師免許なんぞは必要ないじゃろう。
ほんじゃが、明確な治療じゃと勝手できんでなぁ。
ほじゃけぇ、医師に掛かって下されや」
そがぁに告げるとの。
「は、はぁ」
ちゅうて、戸惑っておったわい。
そんな儂らへ、別の受講者さんがの。
「佐伯さん?
本当に、前からの治ったのかしら?」
ちゅうてな。
それへ佐伯さんがの。
「はい。
全く違和感がないんですよ。
長年苦しんでいたのが、嘘みたいです」
ちゅうて、ニコヤカにのぅ。
それは、まぁ、晴々とした感じじゃわい。
したらの。
「タラ様」
ちゅうて、受講者さんがの。
「ワタクシ、歳のセイか、膝や腰が痛くてですね。
お医者様に診ていただいても、全く治らないので御座います。
もし宜しければ、ワタクシも診て頂けないでしょうか?」
そがぁなん言うんじゃがな。
「ソレは、なりません。
マスターは医師免許を持っておらず、医療行為は違法となります。
先ほどの行為は、音以外は軽いマッサージにしか見えておりません。
故にグレーゾーンと言えるでしょう。
ですが、明確に治療行為として動くなれば、違法となりますので」
まぁ、のぅ。
ほじゃけぇ、佐伯さんに確認せんで、マッサージみたいな感じで骨の位置を矯正したんじゃ。
明らかに治療行為として動くと、儂が捕まるけぇなぁ。
まぁ、出来んわい。




