いよいよ、ギターの奏で方を習えるわい。頼んますわい。
儂が告げたコトに講師さんがの。
「タラ様は、勧められて?」
「ほうじゃのぅ。
儂が前に楽器を習ってみたいちゅうとったでな。
時間が空いたで、ちょうど習える講座がある、ちゅうことでのぅ。
ほんでな、そんなら習うかのぅ、ちゅうてなった訳じゃでな。
あと、様に戻っちょるぞい。
さん、で、良いからの」
儂が告げると、花咲さんがの。
「そうでしたか。
先ずは、ギターの持ち方からでしょうか」
そがぁなコト言って、先ずはギターを構えて見せてくれるでな。
同じようにギターを持ち構えてみたわい。
したらの。
なんや知らんが、花咲さんが訝しげにの。
「本当に初心者なんですか?」っとの。
はて?
なんで、そがぁなコトを聞くんじゃろか?
「むろん、初めてじゃぞい。
まぁ、ギターを触ったコトはあるが、弾いたコトはないでな」
「ソレにしては、構え方が堂に入っておりますけど?」
ん?
どう言う意味じゃろか?
「講師さんの構えを真似ちょるだけですがのぅ。
構えが良いのなれば、講師さんの構えが良いのでは?」
そう告げたらの。
「え?」ちゅうからの。
「ん?」ちゅうて、思わずのぅ。
したらの。
「もしかして、私の動きをコピーされたので?」
などと言うでな。
「コピー?ですかの?
えーっと、パソコンみとうに?
ペーストできんと、思うんじゃが?」
ん?
何人かが、吹き出した??
なんか、面白かったかや?
「いや、私の持ち方を真似たと?」
ん?
「そう言っておりますが?
変でした、かのぅ?」
そう返したらの、困惑したようにの。
「分かりました。
では、最初に簡単な曲を私が弾いてみます。
その後で、弦の押さえ方や鳴らし方をレクチャーしますね」
なるほどのぅ。
先ずは形を見せる遣り方かえ。
で、美咲さんが、簡単な曲を奏でだしたわい。
ふむふむ。
あがぁにして弦を押さえ、弦を弾く訳かえ。
で、弾き終えた訳なんじゃがな。
「こんな感じで弾けるようになりましょう」っとの。
ふむ。
「一度、今のを真似て良いかの?」
そう告げてみたわい。
したらの。
「はい?
構え方ではなく、弾き方をですか?」
なんか困ったように。
どがぁしたんじゃろか?
「真似るだけじゃて。
ギターのコトは、全く知らんでな。
ちと形から入れんか、との」
そう告げたらの。
「真似ですか?
完コピは無理でしょうけど、試すのは面白いかも。
良いですよ。
やってみましょうか」
完コピ?
なんじゃろか?
まぁ、良いわえ。
で、花咲さんが弾いた感じを完全に真似する。
トレースちゅうても良いかものぅ。
「タラさん?」
「何ですかの?」
「本当に、初めてなのですか?
キチンと弾けてますが?」
不思議なコトを言うのぅ。
「いや、講師の真似しただけじゃからの」ったらな。
「いやいや。
真似ただけで弾けたら、誰も苦労しませんから!」
いや、そがぁに怒らんでも。
したらの。
「タラさん、とやらが、本当に初心者かはわからんがの。
弾き方は、美咲さん、そっくりだったぞい」
受講者の一人が、そのように。
したらな。
俯いてた一人がのぅ。
「君さぁ、モノマネ芸人かい?
花咲さんの、ちょっとした身振りなんかも真似てたよね。
あれ、演奏に関係ないし」
そう告げて笑っちょるわい。
「いやいや。
モノマネ芸人では無いでな。
まぁ、武道を、ある程度は会得しちょるでな。
看取り稽古みたいな感じかのぅ」
そう告げたらのぅ。
「はい?
看取り稽古?
見ただけで、会得できるの?」
受講者の娘さんが、キョトンとした感じでの。
したら男性の受講者が。
「看取り稽古って、どんな達人だよ」っと、呆れておるの。
うーん。
剣聖とか、まぁ、達人全てを網羅しちょるでのぅ。
あがぁな記憶が、こんな感じで役立つとは。
まぁ、真似ちょるだけじゃでな。
ドコを押して弦を鳴らしたら、ドノ音が鳴るか、なんぞは知らんしのぅ。
動きを真似ておるだけじゃから、弾けるとは言えんでな。
さて、教えて貰おうかのぅ。




