ギター講習を受講しようかのぅ。まぁ、よろしく頼むわえ。
室内へ入ると数人の受講者と講師の方がの。
広めのスタジオに対して、ちとばかし人が少な過ぎんかえ?
『講師の方は、音楽大学へ通う学生さんですね。
アルバイトみたいな感じでの講師となります。
別に有名でもプロでもないため、彼女目的で通う方も居りませんので』
ふむ。
施設にて開催しちょる講習みたいなもんかえ?
『そうなりますね。
この階層は一般にも解放しているエリアとなります。
まぁ、入館手続きは必要であるため、無許可での立ち入りは出来ませんが』
ほうなんじゃな。
で、若モンが二人、中年が三人は、まぁ、分かるんじゃがの。
老人が五人じゃな。
なんか若モン率が低い講習じゃのぅ。
「あ、新たに参加される方ですね。
タラ様でしょうか?」
講師の方がの、そのように話し掛けて来たわえ。
じゃからの。
「はい。
多羅ですじゃ。
それですがの。
コチラは教えて貰うでな。
客では有りますが、様ではのぅて、さん、で願いますわえ」
そう告げたらの。
「分かりました。
では、タラさんと、お呼びしますね。
それでは時間になりますので、タラさんも座って頂けますか」
そう告げられ、指示された席へとの。
儂が座ると、スタッフさんがギターを持って来てくれたわえ。
「では、始めたいと思います。
タラさん以外の方は、以前から通われている方々なので知ってられると思いますが、私は〔花咲 美咲〕と言います。
音大二年生で、講師募集に受かってココでバイトしています。
学生の身なので、頼りないトコもあるとは思いますが、よろしくお願いします」
ほうほう。
大学二年かえ?
若いのぅ。
「ご紹介、ありがとうございます。
儂は多羅と申します。
ドリームステージちゅう会社の会長なんぞを、させて貰うとります。
よろしゅうに」
儂が、そう自己紹介するとじゃな。
「はい?」って、花咲講師が固まったんじゃが。
なんじゃろか?
『マスター』
なんじゃ?
『この施設の維持運営ですが、表向きにはドリームステージが行っております。
つまり、講師の雇い主になる訳ですね』
ん?
つまり、雇い主が受講者として来たコトになるんかいな?
そらぁ、厄介じゃてな。
『他人事ですか?』
いや、儂ぁ単に習いに来ちょるだけじゃでな。
なんも問題は、ありゃせんじゃろ?
『まぁ、そうですが』
「あの〜」
「?
なんですかの?」
「本当に、ドリームステージの?」
「ん?
ああ、なんや知らんのですが、儂がドリームステージの有する機械に適合しましてな。
その縁で会長職に就ておるだけですじゃで。
別にエラくも何も無いですでな」
『既に地球人外ですが?』
なんのコトかのぅ?
歳取ると、物覚えが悪ぅてなぁ。
『マスターは、若返っておられますが?』
肉体は、のぅ。
精神は老人じゃてな。
ほれ、アレじゃ、アレ。
『なんでしょう?』
精神は老人、肉体は青年、ちゅうヤツじゃな。
『ドコかで聞いたコトが有るようなフレーズですが、以前よりも様々なコトに取り組み、積極性も出ております。
精神が老人は、無理があるのでは?』
はて、なんのコトじゃろか?
しかしのぅ。
そがぁにヤリ難くせんでも。
怖くなぁ〜い、コワく無いぞぇ、儂。
「あー、そのですね。
タラ様は、どれくらいギターを弾けますか?」
ん?
何故、弾けるのが、前提なんじゃ?
「全く弾けませんのぅ。
楽器自体触るのが、久し振りでしてな。
なかなか楽器を触るコトが無かったで、ちと習いたいと思いましてなぁ」
そう告げると、講師さんが引き攣った顔に。
ありゃ?
なんかマズかったかえ?
「あー
皆さんは、課題曲の練習へ入ってください。
私はタラ様へ弾き方を教えますので」
もしや。
「ギター講習の空きが有るとの紹介で、ココへ来たんですがのぅ。
もしや、経験者用の講習でしたかの?
そうでしたら、辞退しますが?」
儂が困惑して告げると、なんや知らんが、場の空気が緩んだような?
なんじゃろか?




