さて、エレベーターで移動じゃてな。しかしのぅ。このエレベーターもじゃが、エレベータールームも、変じゃね?
エレベーターに乗ると直ぐに扉が閉まる。
行き先階のボタンを押す暇もなく、エレベーターが動き出しよるわい。
乗っとるのは、儂だけなんじゃがのぅ。
コレ、AIが自動判別して動かしておるでな。
アドバイザーさんとリンクしちょるけぇ、行き先も分かっておる。
じゃからジムがある階につて勝手に止まりおるわい。
エレベーターの扉が開く。
乗ったばかりなんじゃが?
瞬きするくらいの時間じゃろか。
地上からは十数階下になるんじゃが、全く移動した感じがのう。
エレベーターで移動しちょると感じる違和感は、まったく無いでな。
どがぁな技術が、用いられちょるんじゃろか?
『重量制御装置にて、慣性なども制御しておりますね。
地球では実現自体が、不可能と思われている技術となります』
ほうなんじゃのぅ。
そがぁな凄い技術を、エレベーターにかえ?
『地球では凄い技術ですが、本国では、ありふれた技術ですので』
あー
まぁ、の。
次元を超えて様々な世界へ行くような国じゃでなぁ。
ソレこそ、次元が違ったわえ。
で、エレベーターから降りたら、エレベーターホールじゃったわい。
いや、違うか。
エレベーター用の部屋じゃけぇ、エレベータールーム、ちゅうほうが良いんじゃろか?
この部屋には許可されたモンしか入れんでな。
しかもスタッフルームを通らんと、コノ部屋前までへ辿り着けんでな。
しかも、何ヶ所か扉を潜らねばならん。
むろんAI制御されちょるけぇ、部外者が立ち入るのは不可能じゃよ。
じゃがな。
全ての扉が自動ドアでのぅ。
しかもAI制御じゃろ。
儂が近寄る前には開いておるでな。
まぁ、通路と変わらん。
そがなコースを辿りつつジムへと。
ジムへ入ったら、専用のロッカールームじゃて。
いや、十二畳個室で、ソファーやテレビにバーカウンターまで在るでな。
隣接した部屋には、ベットルームや風呂場までの。
下手なワンルームより、遥かに豪勢なんじゃが?
ロッカールームとは?
そがぁな儂専用ロッカールームにて、トレーニングウェアへと。
コレも、儂専用に誂えた品らしいわえ。
暗めの水色をベースに、緑や黒、白などでデザインが。
なかなかシックじゃが、かなりイケちょると、儂は思うんじゃが。
まぁ、儂の感性じゃで、ほんに良いかは、分からんがのぅ。
まぁ、デザインの好みは、人、それぞれじゃて。
本人が気に入れば良いんじゃがな。
じゃがのぅ。
「アドバイザーさんや」
『なんでしょう?』
「なんで、長ズボンなんじゃ?
以前は短パンじゃったじゃろ?」
まぁ、纏わり付く感じでは無いし、通気性も良いでな。
履いちょってイヤな感じはない。
じゃが、替えた意味が分からん。
服も長袖じゃしな。
『重量制御樹脂を使用しております。
リストバンドとアンクルバンドも、同様となります。
コレらは、ジムに入るとマスターへ重量負荷を掛ける器具となりますので。
そのため、以前のように超人的な行動は、取れなくなるハズです』
ん?
「なんで、取れなくなる、で、のうて、ハズ、なんじゃ?」
『マスターだからです。
何時も予想外なコトを成されますから、断言など出来ませんが?』
ほうかのぅ?
常識的なコトしか、しちょらんと、思うんじゃが?
『異議あり!です』
却下じゃ!
さて、ジムへ移動するかえ。
ふむ。
このシューズも、かのう?
『靴下もですね。
流石に下着は違いますが』
なんと、靴下もかえ?
で、ジムへ入ったんじゃがの。
まだ、負荷は掛けちょらんのかえ?
『・・・
全く、影響がないみたいですね。
あー
その、マスター?』
なんじゃい?
さて、軽くストレッチじゃな。
儂は体が固くてのぅ。
小学生の頃から前屈マイナスでな。
膝皿くらいが、精一杯じゃったんじゃわ。
まぁ、ソレで中学の頃に百mを12秒29で走っておったでな。
体が固いのに、速いでな、奇異な目で見られちょったのぅ。
じゃが、今は前屈プラスじゃぞ!
ストレッチが楽しく思える日が来るとは、夢にも思っちょらんかったわい!




