囚われの女性達を解放せよっ!
暗過ぎて分からんのだが、ココへ全裸の女性が?
『明るくはしませんよ?
それとも、裸の女性達を見たいとか?』
そらぁ、男だから女性の裸に全く興味ないとは言わんよ。
そこまで枯れてないしさ。
だが、陵辱された女性の裸を見て喜ぶほど、人間を止めておらんよ。
ただなぁ、岩が剥き出しになっている場所だぞ?
衣服を纏っていても肌寒いだろうし、岩は肌を傷付けるだろう。
こんな場所へ裸で放置?
気は確かか?
腹は立つが、コレは映像だし、俺には手出しできん。
まぁ、アチラへ干渉できても、俺などは瞬殺だろうが。
しかし、このような人の心を持たぬ獣は駆除されて然るべきだった訳だ。
無造作に狩るダリルさんに、ちょっと思う所はあったが、今では否定的では無くなっている。
まぁ、肯定的と言われれば、首を傾げるがな。
ダリルさんは、衣服を持って女性達が捕えられている場所へ。
雑ではあるが、鉄棒を埋め込み鉄格子にて隔離した部屋だ。
「ふむ。
背嚢を持ってくるべきだったか?」
ダリルさんは背嚢と荷物になる物を、荷駄へ預けて来ている。
まぁ、賊を駆除するには邪魔だろうしな。
ただ、荷を運ぶ効率を考えると、確かに欲しいところではあるか。
入り口には木箱が積まれており、女性の力ては動かせないようになっていた。
それわ無造作に退けるダリルさん。
っか、そんなに軽いなら、女性でも動かせたのでは?
『騙されてますよ、マスター。
あの木箱は、荷運び労働者が2人でないと動かせない重量があります。
空箱のように動かせるダリル殿が異常なのです』
あー、その、なんだぁ。
人造種って、本当に人外なんだなぁ。
『まぁ、そうなのですが、ダリル殿が特殊だとも言えます』
そんなダリルさんが、牢屋?で良いのか?
まぁ、その部屋へ入ると、女性達が怯える。
いや、1人の女性。
っか、少女か?
全く反応しない。
あの歳で陵辱されれば、心を閉ざしもするか。
酷いことを。
「街道先に在る里の者だ。
街道にて襲われたゆえ、賊を殲滅した。
その殲滅時に、アンタ方を見付けた訳だ。
この洞窟と周辺には賊の死体が転がっていてな、猛獣を刺激するだろう。
日が暮れれば、ココも無事で済むか分からん。
衣服を持って来た故、直ぐに着てくれ。
着れぬ者には、着させてやって貰えぬか?
生きている者を獣の餌にしたくは無いのでな」
あー、妙に急いでいるとは思ったが、それが原因か?
『そうですね。
ダリル殿1人ならば、獣を狩ることも、避けることも容易いでしょう。
ですが、この状態の女性達を連れての移動は困難。
おそらく自失している女性は、ダリル殿が抱えねば移動できないでしょう。
そう考えると最低でも、日が暮れる前には街道まで至る必要があるかと』
ダリルさんの説明を聞いた女性達は、青くなり、慌てて身支度を。
少女にも衣服を纏わせている。
少女はされるが侭だ。
まるで人形なんだが、大丈夫か、これ。
『大丈夫では無いでしょうね。
ですが、悠長なことを言っている場合ではありません。
今は、一刻を争う時とも言えますから』
全ての女性達が服を着たな。
いや、アドバイザーさん、ありがとうな。
『何がでしょう?』
女性達が服を着終わるまで、身体部分を暗くして見えなくしたことだよ。
見ないようにしても、やはり目が行くものだ。
これは、彼女達の尊厳と言うより、そんな最低野郎へ俺が成り下がらぬように配慮してくれたんだろ?
ある意味、俺の尊厳が守られたとも言えるからな。
『そんなものですかねぇ』
シレっと告げているアドバイザーさん。
男前か?
『私は女性型ですが?』
そう言う意味じゃねぇっ!
ん?
女性達が牢屋から出たが、少女はフラフラと危うい。
そんな少女へダリルが無造作に近寄る。
ビクっと、身体を硬直させる少女。
「済まぬが時間がない。
男に触れられたくもなかろうが、刻がない。
赦せよ」
そう告げ、少女を抱き抱える。
そして女性達へと。
「行くぞ。
足元に気を付けながら移動してくれ。
俺は脱落者が出ないか確認しながら移動する。
一本道ゆえ迷うまい。
さぁ、行こう」
ダリルさんの号令で、女性達が歩み始めた。
しかし、これで18歳かぁ。
見えん!




