暗闇を行く殲滅者ですか?
あまりにも真面目なダリルさんに、俺が呆れていると。
『マスター。
お忘れのようですが、ダリル殿は、まだ18歳の若者なのです。
世に擦れておりませんゆえ、適当な所で切り上げるなどの融通が効かないのでしょう』
擦れてて悪かったね!
しかし、そうかぁ。
若者ねぇ、若者。
・・・見えんっ!!
そんな若者に見えないダリルさんが、洞窟へと。
いや、普通に歩いているのだが、足音が一切しない。
砂も浮いている箇所もあり、洞窟内だから反響もしそうなのにだ。
しかも、黒っぽい青っうか、藍色ぼい革鎧を纏ったダリルさんの姿は、洞窟の闇へ溶け込んでいる。
いや、赤い光線で縁取られていなければ、瞬時に見失うレベルなんですが?
内部へ侵入すると、賊らしき者が部屋で寝ていた。
ダリルさんは瞬殺しつつ移動を。
完全に駆除なんですね。
「チッ」
ん?
なんでイキナリ舌打ち?
『どうやら、人を攫っても居るみたいですね。
暗闇にてマスターには視認できておりませんが、裸の女性が数人ほど閉じ込められています。
おそらくは、慰み者にされたのかと』
まぁ、遊びで人を殺すような輩だ。
そのようなことも、するのだろう。
しかし、淡々と消してくなぁ。
ん?
最後の部屋みたいなんだが?
「からぁ、キサマの従業員あつかいで、俺達を町へ引き入れろ!
領主から、この地にて行商許可を得てんだろ?
なら、それくらいの融通は利くだろがっ!」
「だ、だから、無理なん、で、す。
ま、町、まち、へ、入、れる、のは」
「うっせっ!
おまえは、ただ了承すりゃぁ、良いんだよ!」って、殴り付ける。
うわぁ、ボロボロやん。
どんだけ暴行したんやねん。
「ココら辺には、深層へ潜り込んでる化け物が居るんだよ。
だから他に逃げねぇと不味いんだ!
だから、町へ潜り込む必要がな。
だから、テメェに、その手引きをする栄誉を与えカペ」
あ、見るに耐え無かったのか、ダリルさんからね投げナイフが脳天へと。
見事に刺さってんなぁ。
「チッ、しくった」
え?
何が?
「根本まで埋まっちまったか。
抜くのが面倒だ」
そう告げながら、無造作にナイフを抜く。
いや、容易く抜いてますよね?
「しかし学が無さ過ぎるバカだったな。
行商に紛れ込めば、記載された台帳と比較されるから検問を抜けるのは困難。
だから単独で移動した方が検問を抜けれる可能性は高い。
そんなことも知らんのだからな」
そう呆れたように。
その後、部屋を物色し、価値の有る物を選り分けている。
っか、行商人は?
「あ、あの〜」
「なにか用か?」
「助けて頂けたので?」
そう問われたダリルさんが、ため息を。
「いや、助けれん。
その傷では、長くはなかろう。
あと四半時も保たんだろうな」
「さようですか?
助かりませんか、ははは」
「災難だったとは思う。
何か言い残すことはあるか?」
「そうですね。
仲間と娘。
男は殺されましたが、女は生きているハズです。
助け出して頂けないかと」
死ぬ間際に他人のことか。
いや、死ぬ間際だからか?
「ココへ来る前に見掛けている。
この後で助けよう。
それには、彼女たちの衣服が必要だ。
ココには無いが、何処に有る?」
ああ、女性救出を先に考えての行動だったのか。
まぁ、裸の女性を連れ回す訳にはいかないだろう。
「おそらくは、別の部屋に」
「ん?
ああ、逝ったか。
気の毒に
しかし、別の部屋?
何処だ?」
あれ?
ココまでの通り道には、他に部屋があったか?
『アソコの棚が邪魔して見えておりませんが、アノ陰へ穴が開いております。
そこへ色々と奪った品が積まれていますね』
ああ、そんなんなってたんだな。
ダリルさんも部屋を確認し始めたようだ。
「単に棚の陰になっていたのか。
不自然さが無いゆえ、かえって分からんかった」
そう告げた後、穴を潜り先へと。
そこは、ちょっと広い部屋となっており、戦利品が色々と収められていた。
「貯め込んだものだな」
そう呆れたように。
そんな荷から女性用衣服を取り出し、女性たちが捕えられている場所へ向かうダリルさんであった。




